大学受験英語の全体戦略|共通テスト・二次・英検利用の違いと配点、学年別の進め方【2027年度】

大学受験の英語、結局何から手をつければいいの?共通テストと二次試験、英検まで全部やる必要があるのかな…
大学受験の英語は、共通テストのリーディングとリスニング、志望校の二次試験や私立大学の個別試験、英検などのスコアを使う入試方式と、準備する対象がいくつもあります。しかも、同じ英語でも合計点に占める重みは大学によって大きく違うため、何にどれだけ時間をかけるかが人によって変わります。
ここでは、大学入試センターが公表している共通テスト英語の配点と6年分の平均点、東京大学・京都大学・明治大学の2027年度の配点や英語資格の使い方を材料に、志望校で英語がどれだけ重いかを自分で計算する方法と、高1〜高3で何をいつまでに終えるかをまとめます。
- 共通テスト英語はリーディング100点(80分)+リスニング100点(解答30分)。平均点はリーディング51.54〜62.81点、リスニング54.65〜67.24点の間で動き、どちらが高いかは年によって入れ替わる。片方だけを固めればよいとは言えない
- 英語の重みは志望校しだい。2027年度の配点で計算すると、東京大学は合計550点のうち英語が約26%、明治大学の学部別入試(法・商)は約43%。共通テストのリーディングとリスニングの換算比も大学で違う
- 英検などのスコアは、私立大学で出願資格・加点・英語の得点への換算の形で使われる。高1・高2で単語・文法と読解の土台を作り、高3の春に志望校の配点と方式を確かめて演習に入る

独学で東北大学医学部に現役合格。塾講師として指導を行う中“塾外の時間”の使い方こそが成績向上の鍵だと気づき、1週間=168時間に着目したオンライン学習管理塾「168塾」を創設。全国の受験生を支援している。
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現在は東北大学大学院加齢医学研究所にて、脳科学と教育を融合させた研究を行うと同時に、東北大学病院 認知症外来で診療に携わる現役医師でもある。学術と現場の両視点から、「自走力を育む学習法」の確立を目指し、受験にとどまらない“生きるための学び”を提唱。
大学受験の英語は3つの場面で問われる:共通テスト・個別試験・英語資格

共通テストと二次試験って、何がどう違うの?英検も受けたほうがいいのかな?
大学受験の英語は、大きく分けて次の3つの場面で点数になります。どれが必要かは、志望校と入試方式で決まります。


| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 配点・時間 | リーディング100点(80分)、リスニング100点(試験60分のうち解答30分) |
| 範囲 | 英語コミュニケーションⅠ・Ⅱと論理・表現Ⅰ |
| 形式 | マークシート。原則としてリーディングとリスニングの両方を受ける |
| 使われ方 | 国公立大学の一般選抜と、私立大学の共通テスト利用方式など |
共通テストの英語は全員が同じ問題を解く一方、二次試験や私立大学の英語は大学ごとに形式が大きく違います。志望校の英語でどんな問題が出るかを早めに知ることが、教材選びの前提になります。
共通テスト英語の平均点:リーディングとリスニングのどちらが高いかは年によって入れ替わる


2021年度(令和3年度)は第1日程(1月16・17日)の値。
2021年度から2026年度までの6回で、平均点はリーディングが51.54〜62.81点、リスニングが54.65〜67.24点の間で動いています。2023〜2025年度はリスニングの方が高く(2024年度は15.70点差)、2026年度は逆にリーディングの方が8.16点高くなりました。
どちらが難しくなるかは年によって違い、前の年の平均点から次の年を読むことはできません。共通テストの英語では、リーディングとリスニングの両方を、どちらの年に当たっても崩れない水準まで上げておくことが基本です。この記事では、リスニングは配点と換算の比までを扱います。
英語の重みは志望校で違う:2027年度の配点で計算してみる
英語にどれだけ時間をかけるかは、志望校の合計点のうち英語が何点を占めるかで考えると決めやすくなります。ここでは、2027年度の配点が公表されていて、二次試験の比重が大きい国立大学(東京大学)、共通テストの英語の換算が違う国立大学(京都大学)、英語の配点が大きい私立大学(明治大学)を例にしました。
| 大学・方式 | 英語の点数/合計 | 英語の割合 |
|---|---|---|
| 東京大学(文科・理科) | 共通テスト英語22点相当+二次120点=142点/550点 | 約25.8% |
| 明治大学 法学部法律学科(学部別) | 150点/350点 | 約42.9% |
| 明治大学 商学部(学部別) | 150点/350点 | 約42.9% |
| 明治大学 商学部(英語4技能試験利用方式) | 300点/550点 | 約54.5% |
東京大学は合計550点のうち二次試験が440点を占め、共通テストの英語200点は換算後には22点分になります。英語の合否への影響は、ほとんどが二次試験の120点で決まる計算です。一方、明治大学の法学部・商学部の学部別入試は、3科目350点のうち英語が150点で、英語だけで合計の4割を超えます。同じ大学受験でも、英語にかける時間の配分は志望校で変わります。
共通テストのリーディングとリスニングの比も大学で違う
| 大学 | 共通テスト英語の使い方 |
|---|---|
| 東京大学 | リーディング140点・リスニング60点に換算(7:3)。そのうえで1000点を110点に換算するため、550点中ではリーディング約15.4点・リスニング約6.6点分 |
| 京都大学 | リーディング150点・リスニング50点に換算(3:1) |
| 換算しない場合 | リーディング100点・リスニング100点(1:1)のまま |
大学入試センターの配点はリーディングとリスニングが同じ100点ですが、大学がこの比を変えて使うことがあります。リスニングの比重が小さい大学でも、東京大学のように二次試験で聞き取り試験を行う大学もあるので、共通テストと二次の両方を見て判断します。
自分の志望校で英語の割合を計算する手順
共通テストと個別試験(二次試験)のそれぞれの満点と、英語の配点を書き出します。受ける年度の要項が出る前は、前年度の要項で見当をつけます。
東京大学のように共通テストの1000点を110点に換算するなど、共通テストの点数をそのまま使わない大学があります。英語の点数に同じ比率(110÷1000など)を掛けます。
1:1のままか、7:3や3:1に換算するかで、リスニングにかける時間の目安が変わります。
共通テストの英語(換算後)と個別試験の英語を足し、合計点で割ると英語の割合が出ます。併願校も同じように計算し、英語の割合が高い大学が多いほど、英語の時間を厚くします。
英検などのスコアの使われ方:明治大学の3つの型
英語資格・検定試験(英検・TEAP・IELTSなど)のスコアの使い方は、大学・方式ごとに違います。明治大学の2027年度入試ガイドには、1つの大学の中に次の3つの型がそろっているため、例として取り上げます。
| 型 | 明治大学の方式と中身 |
|---|---|
| 出願資格 | 商学部の英語4技能試験利用方式:英検なら2級・準1級・1級の受験結果に限り、合否ではなく4技能のCSE総合スコアが1980以上(2級合格相当)などの基準を満たすと出願できる。当日の英語の試験も受け、英語300点・国語150点・選択科目100点の550点満点 |
| 加点 | 経営学部の共通テスト併用型 英語4技能試験活用方式:基準を満たすと出願でき、当日の外国語は免除。さらに高い基準を満たすと20点または30点を加算 |
| 英語の得点に換算 | 全学部統一入試の英語4技能3科目・4科目方式(農・経営・国際日本・総合数理学部):当日の外国語は免除。英検は2級合格かつCSE1980で満点の0.8倍、2級合格かつCSE2088で0.9倍、準1級合格で満点として換算 |
英検CSEスコアとCEFRの対応では、4技能の合計が1700以上でA2、1950以上でB1、2300以上でB2が目安です(日本英語検定協会)。ただし、CEFRを出せる範囲は受験級ごとに決まっていて(A2は準2級・準2級プラス・2級、B1は2級・準1級、B2は準1級・1級)、実際の段階は成績表の「4技能総合CEFR」で確かめます。明治大学の商学部が出願資格にしている1980は、B1の範囲に入る水準です。
- 有効期限:明治大学の2027年度入試では、2025年1月1日以降に受けたスコアが対象。高3で受験する人なら、高1の3学期以降に受けたものが使える計算になる
- 組み合わせ不可:異なる回の技能別スコアを組み合わせることはできず、1種類・1回分のスコアを出す
- 試験の種類:使える試験と、その中で認める受験形式(英検の従来型・S-CBTなど)は大学・方式ごとに決まっている
明治大学では、これらの方式を同じ学部の別の方式と併願できます(商学部の英語4技能試験利用方式は学部別方式と併願可)。同じ明治大学でも、全学部統一入試の英語4技能の方式ではスコアが英語の得点になり、商学部の英語4技能試験利用方式では出願の条件にとどまって英語の試験も受けます。スコアが何に使われるかは大学・方式ごとに違うので、要項で確かめます。英検などは、志望校・併願校にスコアを使う方式があるときに、受ける時期を決めて準備すると無駄がありません。
学年別の進め方:何をいつまでに終えるか



高1・高2のうちに、どこまでできていればいいの?
学年ごとの到達目安は、学習指導要領が示す語数と、英検CSEスコアで分かるCEFRの段階を物差しにすると、自分で確かめられます。文部科学省の令和7年度の調査では、公立高校など(特別支援学校高等部を含む)の3年生のうちCEFR A2相当以上の英語力がある生徒は52.4%、B1相当以上は23.9%でした(資格試験の取得に加え、教員がその力があると判断した生徒を含む)。
国の目標は、高校卒業段階でそれぞれ6割以上・3割以上です。下の表の高1=A2・高2=B1は、共通テストや明治大学の英語資格の基準(CSE1980=B1)を踏まえてこの記事で置いた目安で、国や学習指導要領が定めた学年別の基準ではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 到達目安 | 学習指導要領で高1までに学ぶ語(小中の語に英語コミュニケーションⅠの400〜600語を加え、約2,600〜3,100語)と、高校文法をひととおり。CEFRならA2(英検CSE1700以上が目安。準2級・準2級プラス・2級の成績表で確かめる)を目指す |
| 主にやること | 単語帳1冊と文法の問題集1冊を決めて繰り返す。教科書の英文を音読し、構文を取れるようにする |
| 教材の型 | 大学受験用の単語帳/文法の網羅型問題集/学校の教科書 |
| 確かめ方 | 定期テストの範囲を落とさない。英検を受けてCSEスコアで段階を知る |
高3になってから単語・文法に手をつけると、過去問演習に回せる時間が減ります。高2の終わりまでに、高1・高2の欄の目安を一度確かめておくと、高3の計画が立てやすくなります。
英語の6つの力を学年に合わせて進めるなら168塾


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英語で結果を分けるのは、
勉強量の多さよりも、
志望校の配点に合わせて優先順位を決められているかです。
大切なのは、
今の英語の勉強が 自分の学年と志望校の配点に合っているか を
一度立ち止まって確認することです。
今のあなたは、次の問いに即答できますか?
- 志望校で英語が合計点の何%を占めるか、配点表から計算しましたか?
- 志望校が共通テストのリーディングとリスニングをどの比率で使うか知っていますか?
- 英検などのスコアを使う方式があるか、有効期限と合わせて確かめましたか?
1つでも迷ったなら、
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大学受験の英語についてよくある質問
この記事の出典
大学の配点は2027年度(令和9年度)入試のもの。明治大学は入試ガイドの内容で、一般選抜要項(11月上旬公開予定)で変わる場合がある。平均点は各年度の本試験の値。



