英語リスニングの勉強法|聞き取れない原因の見分け方と共通テスト・二次試験の対策

単語も文法も分かるのに、リスニングになると聞き取れない…。シャドーイングがいいと聞くけど、何から始めればいいんだろう
リスニングの勉強法を調べると、シャドーイングやディクテーションなど練習の名前はたくさん出てきます。ただ、自分がなぜ聞き取れないのかが分からないままだと、どれを・どの順に続ければいいのか決められません。
ここでは、大学入試センターが公表している共通テストの配点とスクリプトから、リスニングで何が問われているかを確かめたうえで、聞き取れない原因の見分け方と、原因ごとの練習の手順を示します。二次試験でリスニングを課す大学も、2027年度の要項で確かめた範囲で挙げます。
- 共通テストのリスニングは100点・解答30分。第1問・第2問(40点)は2回、第3〜6問(60点)は1回しか流れない
- 練習の前に、スクリプトを読めば分かるのか、音だと分からないのかで聞き取れない原因を切り分ける。音の問題ならオーバーラッピングとディクテーション、速さの問題ならシャドーイング、内容を覚えていられないならリプロダクション
- 二次試験のリスニングは大学によって違う。2027年度の要項では、東京大学・東京外国語大学・大阪大学外国語学部は課し、一橋大学は行わない。共通テストでのリスニングの比重も大学で違うので、志望校の要項で確かめる

独学で東北大学医学部に現役合格。塾講師として指導を行う中“塾外の時間”の使い方こそが成績向上の鍵だと気づき、1週間=168時間に着目したオンライン学習管理塾「168塾」を創設。全国の受験生を支援している。
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現在は東北大学大学院加齢医学研究所にて、脳科学と教育を融合させた研究を行うと同時に、東北大学病院 認知症外来で診療に携わる現役医師でもある。学術と現場の両視点から、「自走力を育む学習法」の確立を目指し、受験にとどまらない“生きるための学び”を提唱。
共通テストのリスニング:60点分は1回しか流れない

共通テストのリスニングって、何問あって、何回流れるの?
令和8年度(2026年1月実施)の本試験を、大学入試センターが公表した正解・配点表とスクリプトで確かめると、構成は次のとおりでした。全部で37問・100点で、解答時間は30分です(ICプレーヤーの作動確認と音量調節の時間を含めて、試験時間は60分)。
| 大問 | 流れる回数・設問数 | 配点 |
|---|---|---|
| 第1問A(短い英文→合う文) | 2回・4問(問1〜4) | 16点 |
| 第1問B(短い英文→合う絵) | 2回・4問(問5〜8) | 12点 |
| 第2問(短い対話) | 2回・3問(問9〜11) | 12点 |
| 第3問(対話) | 1回・6問(問12〜17) | 18点 |
| 第4問A(説明→図表) | 1回・8問(問18〜25) | 8点 |
| 第4問B(4人の話→条件に合うもの) | 1回・1問(問26) | 4点 |
| 第5問(講義→ワークシート) | 1回・7問(問27〜33) | 16点 |
| 第6問A(二人の対話) | 1回・2問(問34〜35) | 6点 |
| 第6問B(複数人の会話) | 1回・2問(問36〜37) | 8点 |


令和7年度(2025年1月実施)の本試験も、2回流れるのは第1問・第2問で、問題数は同じ37問でした。大学入試センターの令和9年度(2027年1月実施)の問題作成方針でも、1回読みと2回読みの両方を含む構成で行うこと、多様な話者による現代の標準的な英語を使うことが示されています。
1回しか流れない問題に、英文の大部分が集まっている
令和8年度のスクリプトの英文を大問ごとに数えると(問題番号と話者名を除いた概数)、2回流れる第1問・第2問は合わせて約210語で全体の約13%、1回だけ流れる第3〜6問は約1400語で約87%でした。いちばん長いのは第5問で、約370語あります。
配点の60%と英文の大部分は、1回聞いて答える問題です。2回聞ける問題だけで練習していると、1回で聞き取る練習が不足しやすくなります。
2027年1月の本試験では、リスニングは1日目(1月16日)の最後の科目で、17時20分〜18時20分に行われます。国語とリーディングを受けたあとの時間帯です。
平均点は年度によって動きます。大学入試センターの共通テスト 受験者数・平均点の推移(本試験)では、リスニングの平均点は令和3〜8年度で最も高い令和6年度が67.24点、最も低い令和8年度が54.65点でした。1年分の過去問の点数だけで力を判断せず、複数の年度を解いて、どの大問で落としているかを見ます。
聞き取れない原因を切り分ける



何度聞いても聞き取れない…。もっとたくさん聞けばいいの?
聞き取れない理由は1つではなく、理由によって効く練習が違います。共通テストの過去問は、大学入試センターのサイトで音声(mp3)とスクリプト(PDF)が公開されているので、1つの大問を使って次の順に確かめると、自分がどこでつまずいているかが分かります。


スクリプトを見ずに、本番と同じ回数だけ聞いて解答します。
聞き取れなかった部分を、聞こえたとおりに書き出します。分からないところは空けておきます。
読んでも分からない文と、読めば分かるのに聞き取れなかった文に分けます。
それでも追いつかないのか、聞き取れたのに設問に答えられなかったのかを確かめます。
| 確かめた結果 | 考えられる原因と、試す練習 |
|---|---|
| 読んでも意味が分からない | 単語・文法・構文の知識が足りない。リスニングの練習より先に、単語と文法・英文解釈を固める |
| 読めば分かるのに、音では分からなかった | 単語の発音を正しく覚えていない、音のつながりや弱く読まれる音に慣れていない。オーバーラッピングとディクテーション |
| 1文ずつなら分かるが、続くと追いつかない | 聞いた順に意味を取る速さに課題がある可能性。シャドーイング |
| 聞き取れたのに、設問を見ると内容を忘れている | 内容を覚えておく・要点をつかむところでつまずいている可能性(音声が長すぎる・難しすぎることもある)。リプロダクションと先読み・メモ。教材の長さ・難しさも調整する |
原因別のトレーニングの手順
練習には、まず共通テストの過去問の音声とスクリプトを使います。大問ごとに長さが違うので、短い第1問・第2問の英文から始めて、第3問以降の長い英文へ広げていくと、今の自分に合った長さで練習できます。
分からない単語や構文をなくしてから始めます。意味が分からないまま声に出すと、音と意味を結びつけにくくなります。
音声に重ねて、同じ速さ・同じ区切りで読みます。ずれた箇所に印をつけます。
音がつながる・弱く読まれる箇所を、自分の読み方ではなく聞こえたとおりにまねます。
共通テスト本番での聞き方:2回読みと1回読みで変える
過去問を解くときも、本番と同じ回数で聞きます。第3問以降は音声を止めたり聞き直したりせずに解き、聞き方の練習も兼ねます。
- 先読み:第4問以降は、音声の前に問題文・図表・ワークシートを読む時間が指示されます。選択肢は読み上げられず問題冊子に印刷されているので、何を聞き取ればいいかを先に決めておきます。
- 2回読み(第1問・第2問):1回目で答えを決め、2回目は確かめに使います。1回目で迷った問題だけに集中して聞くこともできます。
- 1回読み(第3〜6問):聞き逃した問題にこだわらず、次の問題の先読みに移ります。
- 第5問(講義):講義を聞いてワークシートを埋める形式です。先にワークシートの空欄を見て、数字・理由・比べる観点など、何を聞き取るかを確かめておきます。
二次試験でリスニングを課す大学(2027年度入試)
二次試験(個別試験)でリスニングを行うかどうかは大学ごとに違い、難関大でも課さない大学があります。ここでは、2027年度の要項でリスニングの扱いを確かめた4大学を挙げます。共通テストのリスニングを何点に換算するかも大学で違うので、あわせて示します。
| 大学 | 2027年度の二次試験 |
|---|---|
| 東京大学 | 全科類で、英語の試験の一部として聞き取り試験(30分程度)を行う |
| 東京外国語大学 | 言語文化・国際社会・国際日本学部の前期日程。英語(120分)にリスニングを含み、英語スピーキング試験もある(外国語は合わせて300点) |
| 大阪大学 外国語学部 | 前期日程の英語で、試験の一部にリスニングを行う |
| 一橋大学 | 二次試験の英語では、聞き取り・書き取り試験を行わない |
出典:東京大学 令和9(2027)年度入学者選抜要項、東京外国語大学 2027年度入学者選抜要項、大阪大学 令和9年度入学者選抜要項、一橋大学 令和9(2027)年度一般選抜募集要項。
同じ共通テストの点数でも、東京大学と大阪大学外国語学部ではリスニングの比重がリーディングより小さく、東京外国語大学(前期日程)ではリーディングと同じ重さで使われます。一橋大学も、第1段階選抜では両方の素点をそのまま合計します。志望校の要項はPDFで公開されていることが多いので、リスニング・聞き取りという語で検索すると該当箇所が見つかります。今回の4大学では、共通テストの換算は配点表の注に書かれていました。
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英語リスニングの勉強法についてよくある質問
この記事の出典
英文の語数は、令和8年度本試験のスクリプトから問題番号と話者名を除いて数えた概数です。大学の条件は2027年度(令和9年度)入試の要項によります。
- 大学入試センター「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト 出題教科・科目の出題方法等」
- 大学入試センター「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針」(令和7年6月6日公表資料)
- 大学入試センター「令和9年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項」
- 大学入試センター「令和8年度 本試験の正解」(英語リスニングの正解・配点、スクリプト、音声)
- 大学入試センター「令和7年度 本試験の正解」(英語リスニングのスクリプト)
- 大学入試センター「共通テスト 受験者数・平均点の推移(本試験)」
- 東京大学「令和9(2027)年度東京大学入学者選抜要項」
- 東京外国語大学「2027年(令和9年)度入学者選抜要項」
- 大阪大学「令和9年度大阪大学入学者選抜要項」
- 一橋大学「令和9(2027)年度一橋大学一般選抜募集要項」
- アルク「新 キムタツの東大英語リスニング Basic」
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