最近、子どもが学校に行きたがらない…
不登校になりやすい家庭ってあるのかな…?
このように心配する保護者の方も多いのではないでしょうか。
不登校は家庭の環境や親子関係、さらには子どもの性格や学校での状況など、さまざまな要因が絡み合って起こります。原因が一つではないばかりか、そもそもの原因が不明の場合も少なくありません。
しかし、ちょっとした心がけや手立てによって、防止したり改善したりすることも可能です。
本記事では、不登校になりやすい家庭の特徴や原因を掘り下げ、具体的な対策やサポート方法について分かりやすく解説します。
今できることを考え、不登校のリスクを減らすためのヒントとなれば幸いです。
- 家庭環境や性格によって不登校になりやすい場合もある
- 子どもの気持ちを尊重し、安心できる環境を作ることが重要
- 適切な支援を得ることで不登校のリスクを減らすことができる
東北大学教育学部を在学中、「学習管理塾168塾」および「東北大専門塾Elevate」 を創業し、現在は株式会社shared 代表。これまでに200名以上を指導し、旧帝大・医学部合格者を多数輩出。
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AIを活用した学習管理システム を導入し、戦略的学習管理メソッド による個別最適化指導を展開。教育メディア「#スタシェア」を運営し、受験情報に関する情報を発信している。
そもそも不登校とは?
文部科学省の調査では「不登校児童生徒」とは以下のとおりとされています。
何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの。
単なる「休みがち」ではなく、心理的なストレスや家庭・学校環境の問題が絡んでいるケースが多いのが特徴です。
文部科学省の定義では、30日以上の欠席を伴う場合が不登校とされていますが、実際にはそれ以前からのサインを見逃さないことが大切と言えるでしょう。
子どもが「いつもと違う」言動や行動をしていたら、注意して様子を見ることが大切です。
不登校になりやすい家庭の特徴
一概には言えませんが、不登校になりやすい家庭にはいくつかの特徴があると言われています。
これらの特徴について以下で詳しく解説していきます。
1. 過保護・過干渉な家庭
親が子どものすべての行動をコントロールし、失敗を避けさせようとする家庭では、子どもが自立する機会や改善を模索する機会を失います。
この結果、学校での人間関係や失敗、挫折に対する耐性が低下し、心理的なショックや恐怖感から登校渋りや不登校につながる可能性が高くなるようです。
2. 放任過ぎる家庭
一方で、子どもに必要なサポートを与えず、ほとんど関与しない家庭も不登校のリスクを高めると言えます。
子どもは発達段階にあるため、自己管理をすることが難しい時期が多いです。わかっていてもできない、やらないというのは単に怠けているわけではありません。
適切なサポートや声かけを家庭で行わないと、学校生活や社会生活を送る上で最低限必要とされる規律を身につけることができないため、不登校につながるリスクが高まります。
3. 親の価値観を押し付けすぎる家庭
「勉強がすべて」「こうしなければならない」といった親の価値観を過度に押し付けられると、子どもは自分自身の考えを持つことが難しくなります。
子どもは自分なりに物事を考えており、様々な挑戦を通して成功や失敗を経験します。
このような試行錯誤ができず親からの指示ばかりになってしまうと、それがストレスとなり、学校に行きたくなくなることも出てくるでしょう。
子どもが主体的に物事を考えられるよう支援することが大切ですね。
4. 子どもへの関心・愛情が薄い家庭
親からの関心や愛情を感じられない子どもは、自分の価値や存在意義を見出せなくなりがちです。
家庭で充分な愛情を受けられないことで、豊かな感受性や他者への信頼感が育たず、外の世界に対する安心感を持つことが難しくなってしまいます。
その結果、学校へ行く意味や楽しさを感じられなくなり、人間関係にも影響を及ぼして不登校に発展することがあります。
5. 両親の仲が悪い家庭
家庭内で両親の不仲が続くと、子どもは精神的な安定を失いやすくなります。
家庭や両親という「安心できる場所」があるからこそ、子どもは学校など外の世界に安心して挑戦できるのです。
家庭が「安心できない場所」となってしまうと、学校は「もっと安心できない場所」になるリスクが子どもの中で高まってしまい、不登校につながってしまうことがあります。
6. 生活リズムが不規則な家庭
夜型の生活や食事時間などが不規則な家庭では、子どもの体調や集中力に影響が出ます。
規則的な生活リズムの中で過ごすことにより、子どもたちは健康的な生活の仕方や他者との関わり方を学んでいきます。
生活リズムの不規則さから体調や勉強に不調をきたすと、外の世界が子どもにとって安心できないものとなってしまい、不登校の引き金となる場合もあるでしょう。
子どもの性格と不登校の関係
こちらも一概には言えませんが、たとえば内向的で感受性が強い子どもや、自己肯定感が低い子どもは不登校になりやすい傾向があります。
また逆に、自己主張が強すぎる子どもも周囲との摩擦が増え、人間関係の拗れから不登校になってしまうという場合もあります。
- 社交性が低い
- 感受性が高すぎる
- 不安やストレスに強く反応する
- 自己評価が低い
- 攻撃性や反抗的な行動傾向
- 過度の依存傾向
- 注意欠陥・多動性障害(ADHD)の傾向
これらはあくまでも傾向としての性格や特徴のため、必ずしも不登校になるというものではないことに留意してください。
親の性格と不登校の関係
前述の不登校になりやすい家庭の項目と関連しますが、完璧主義な親や過度に心配性な親は、無意識の内に子どもにプレッシャーを与えていることがあります。
また、親自身が自己肯定感の低さを抱えている場合、それが子どもにも伝わり、人格形成や物事の味方に影響を与え、学校生活に対する不安を与えることがあります。
- 過干渉・過保護
- 放任し過ぎる
- 心配性過ぎる
- 管理しようとし過ぎる
- 感情的に非難する
- 何でも褒めて伸ばそうとする
- ルールや条件を使いすぎる
こちらも子どもの性格や特徴と同じように、あくまでも傾向としての一例です。これらの特徴を持つ親の子どもが、必ず不登校になる訳ではありませんので注意してください。
不登校を防ぐために保護者ができるサポートの具体例
ここでは、不登校の防止策として、保護者ができるサポート例を解説します。
ただし、不登校は様々な要因が絡み合って起きるため、ここで挙げているサポートを実行したからといって、確実に不登校にならない訳ではないことに注意してください。
1. 子どもの気持ちを尊重する
子どもは未熟ながらも親とは別人格の一人の人間です。「それは違う」と思うことはあるかもしれませんが、子どもの気持ちを尊重することは親として重要なサポートになります。
たとえば、子どもが話したいと思ったときに、親が全身で話を聞く姿勢を見せるのが効果的です。言葉だけでなく、表情や態度でも「あなたの話を大切にしています」というメッセージを伝えると良いでしょう。
他にも、子どもが学校以外の道を模索している場合があれば、その気持ちを否定せずに一緒に解決策を考えていこうとする姿勢が大切です。
2. 過度な期待を控える
子どもに「こうでなければならない」「こうなってほしい」というプレッシャーを与えず、そのままの姿や頑張りを認めてあげましょう。
親として期待する気持ちはわかりますが、子どものペースに合わせた目標を設定し、強すぎるプレッシャーを与えないことが重要です。
また、テストの点数や成績など数値化できる部分だけではなく、努力したことや挑戦したことを評価するなど、過程にも目を向けると子どもの自己肯定感が高まります。
3. 適度な自由を与える
怪我や失敗のリスクを避けようとする親心も大変わかりますが、自主性を育むために、子ども自身が選択して挑戦する場面を増やすことも重要です。
どうしても心配になってしまう場合は、家の手伝いなど簡単な課題や、子どもが興味のある分野で自分の力を試せる場を作ると良いでしょう。そこでの成功体験が自信に繋がっていきます。
また、子どもが熱中している時間や空間を尊重し、過干渉を避けることで、子どもの創意工夫や自己管理力を育むことができます。
4. 外部サポートを利用する
不登校や休みがちになってしまうと、親の心身にかかる負担は想像以上に大きいものです。
家庭だけで抱え込んでしまった結果、子どもだけでなく親まで体調不良になってしまうことも少なくありません。
そうならないためにも、学校のスクールカウンセラーや地域のサポートセンターなど、外部の専門家に相談することも有効です。
具体的な解決策が見出だせなくとも、話をするだけで気分が楽になることがあります。
また、同じような経験を持つ保護者や当事者からのアドバイスは、現実的で参考になることが多いと言えるでしょう。
不登校になりやすい家庭でも適切な対策やサポートで改善することが可能!
いかがだったでしょうか。
不登校と一口に言っても、その要因や改善策は文字通り千差万別となっており、出口の見えない問題であることも確かです。
しかし、親子のコミュニケーションや関わり方、外部との繋がり方を意識しておくだけで、確実に予防や改善に繋げることもできます。
一番大切なのは、焦らずに子どもと向き合い、適切なサポートを続けることです。
不登校の予防や解決には、家庭だけでなく、学校や地域と協力することも重要となります。本記事を参考に、ぜひお子さまが笑顔で過ごせる環境作りに取り組んでみてください。
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