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東北大数学ってどうなの?傾向を現役理系東北大生が徹底解説!

東北大数学ってどうなの? 傾向を現役理系東北大生が徹底解説!

数学が得意だから高得点を取りたい!

数学は苦手だから他の教科で挽回できるくらいの得点を何とか取りたい!

東北大学を志望する受験生、東北大学に興味のある高校生の皆さんに向けて現役東北大生からのささやかなアドバイスとして記事を書きました。

ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

本記事の結論

良問がそろっているが高い計算力、記述力が重要 

「確率」、「微積分」、「ベクトル」、「複素数平面」が頻出

過去問の類題が出題されることもある

本記事を監修する専門家②
桑久保皓大
Kuwa

東北大学在学中に起業。現在はオンライン個別指導塾168塾の運営を行う。

詳しくはこちら

1年間の予備校浪人生活を経た後、東北大学に入学。ベンチャー企業2社で実務経験を積んだ後、浪人時に感じた大手予備校への違和感を基に、「168塾」の立ち上げ・運営。

目次

東北大数学 過去5年の出題内容

東北大学キャンパス

理系数学出題内容

まずは理系数学の2023年度から過去5年間の出題内容を見ていきましょう。

年度単元・出題内容
20231 数A(確率) 赤玉白玉を取り出すゲーム
2 数3(数列の極限) 三角方程式の解の個数と極限,はさみうちの原理
3 数B(数列) 2項間漸化式と和の計算
4 数3(複素数) 1の5乗根
5 数B(空間ベクトル) 四面体の頂点から対面に下ろした垂線の足
6 数3(積分) 線分の通過領域の面積
20221 数A(場合の数) 3つの奇数の和の組
2 数2(微分) 4次関数の最小値
3 数3(数列の極限) 無限級数とはさみうちの原理
4 数3(関数の極限) 角の二等分線,2円が外接する条件および極限
5 数B(空間ベクトル) 2直線の共通垂線
6 数3(積分) 直円柱と半球の共通部分の体積
20211 数2(方程式) 曲線がx軸の正の部分と共有点をもたない条件
2 数A(整数) 三角形の面積比が整数となる条件
3 数A(場合の数) 正八角形の頂点を結んでできる三角形・四角形
4 数2(面積) 3次関数のグラフと直線の共有点についての軌跡・面積
5 数3(複素数平面) 複素数平面上における二等辺三角形の最大面積
6 数3(積分) 自然対数の底eの評価
20201 数1(三角比) 三角形内の点と3頂点を結ぶ線分の長さの平方和
2 数2(図形と方程式) 1つの円と2本の直線との共有点の個数
3 数A(整数) 与式を満たす整数の組(a,b,n)
4 数A(確率) 玉を取り出し硬貨を投げる試行での確率
5 数3(複素数平面) 複素数平面上の軌跡
6 数3(定積分) 与えられた積分が有理数であること
20191 数3(微分) 与えられた関数の直交する2つの接線の交点
2 数2(対数) 対数不等式を満たす整数解
3 数3(数列) 初項のとり方による漸化式の極限
4 数2(整式) 与えられた整式をで割った余り
5 数3(積分) 定積分で表された関数
6 数B(数列) 取り出した赤玉の個数についての確率と漸化式
理系数学出題内容

文系数学出題内容

次に文系数学の2023年度から過去5年間の出題内容を見ていきましょう。

年度単元・出題内容
20231 数A(確率) 赤玉白玉を取り出すゲーム
2 数1(三角比) 外接円・内接円の半径
3 数1(2次関数) 2次関数の最大・最小(場合分け)
4 数2(微分積分) 線分の通過領域の面積
20221 数A(場合の数) 3つの奇数の和の組
2 数2(積分) 絶対値がついた関数の定積分の最小値
3 数2(図形と方程式) 領域における最大・最小
4 数B(空間ベクトル) 四面体の体積
20211 数2(方程式) 曲線がx軸の正の部分と共有点をもたない条件
2 数A(場合の数) 正八角形の頂点を結んでできる三角形・四角形
3 数1(三角比) 余弦定理と2円の共通部分の面積
4 数2(面積) 共通接線,放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積
20201 数2(積分) 放物線とx軸で囲まれた図形の面積の最大最小
2 数A(整数) 与式 を満たす整数の組(a,b,n)
3 数2(図形と方程式) 1つの円と2本の直線との共有点の個数
4 数A,数B(確率,平面ベクトル) 平面ベクトルと確率の融合
20191 数2(方程式) 直線と放物線の交点
2 数2(対数) 対数不等式を満たす整数解
3 数B(数列) 数学的帰納法,3項間漸化式
4 数A(確率) n枚の硬貨の中に金貨がj枚残る確率
文系数学出題内容

「確率」、「微積分」、「ベクトル」、「複素数平面」が頻出

上記の表を見てもわかるように、理系数学では「確率」、「微積分」、「ベクトル」、「複素数平面」が頻出であり、十分に演習を積んでおく必要があります。また、頻出の単元があるとはいえ、満遍なく出題されており、演習の際にはすべての単元において得点することができるように演習を積んでおく必要があります。また、苦手な単元や問題がある場合には克服しなければなりません。

一方、文系数学では「確率」や「微積分」が頻出です。また、「確率」や「整数」が出題された場合、理系数学と共通問題となることが多く、他の問題と比べて難易度が上がりやすくなります。時間配分を考慮して取り組む必要があるでしょう。

特に現役生は数学3をはじめ、問題演習が十分ではない方も多いと思います。直前期であっても基本的な問題に立ち返るなどして苦手や不安なところをつぶしておきましょう。

東北大数学の難易度・求められる力

勉強している女の子

昨年(2023年度)は易化傾向、合格者平均点上昇

昨年(2023年度)は易化傾向にあり、全体的に解きやすい出題となりましたが、全体の合格者平均点も上昇したため、標準的な問題を確実に解いていくことが合格への道となったことと思われます。しかしながら今年度以降の入試においてもこの傾向が続くとは限らないため、他年度の過去問も確認し、難易度をつかんでおく必要があります。

求められるのは高い計算力と記述力

易化傾向であったとはいえ、2023年度の数学においても高得点を目指すためには高い計算力、記述力が必要であり、受験生のこれまでの学習が試されているようです。これは例年と同様の傾向です。

昨年を含め、例年、各単元がバランスよく出題されており、一見取り組みやすそうな問題でも高い計算力を必要とされることが多くあります。また、スマートな解法を思いつくことよりも泥臭く問題に立ち向かう精神力が必要です。

実際、確率の問題ではひたすら場合の数をカウントしていくほかに解法がない問題も出題されています。比較的易化傾向が 続いていますが、難易度の差が問題により激しいこともあります。当日はどの問題が解けそうか、どの問題に時間を多くかけようかという見極めも必要になるでしょう。

合格者平均点に目を向けると、東北大の二次試験の合格者平均点は例年6割前後と他の旧帝大と比べて高い傾向にあります。他の旧帝大では、大阪大学が55%程度、九州大学が共通テスト込みで6割程度となっています。九州大学合格者の共通テストの点数は8割前後であると推測されますので、二次試験の平均点はさらに低いと考えられます。

ここから、東北大の二次試験は他の旧帝大と比べて高得点勝負であると推測されます。数学以外にも受験科目はありますので単純には言えませんが、数学において6割前後の得点が必要でしょう。

合格には結局何完必要なの?

教室と三角定規と電卓イラスト

ここまで東北大数学について述べてきましたが、結局のところ合格のためには何完が必要なのでしょうか?

ここでは数学が得意な人または医学部医学科を目指す人と苦手な人の場合に分けて考えていきます。

結論から言いますと、数学が得意な人は4完を取り、部分点も取ることが目標です。数学が苦手な人は2完を確保し、部分点を積み上げることが目標です。ここで具体的にシミュレーションしていきたいと思います。

数学の配点は学部によって異なりますが理学部と工学部では、二次試験の合計点800点のうち300点です。この場合で考えていきます。

理想は4完または3完

4完の場合

数学の点数6割までに必要な点数・得点率
200点+50点=250点230点 46%

数学で4完であった場合、数学の点数としては200点、残りの2問で部分点として半分ずつ取ったとすると250点となり、得点率としては83%となります。800点満点中6割の得点が必要だと仮定すると、残りは230点となり、理科と英語の500点満点のうち46%の得点で二次試験の得点が6割に達します。共通テストの点数にもよりますが、合格は近いといえるでしょう。

3完の場合

数学の点数6割までに必要な点数・得点率
150点+75点=225点255点 51%

この場合も残り3問で半分ずつ得点したとすると点数は225点で得点率は75%です。このとき、残りの英語と理科では255点、得点率では51%で6割に達します。数学で3完を確保していると英語と理科において得点率50%程度でも合格できる可能性があります。

苦手な人は2完+部分点を積み上げる

2完の場合

数学の点数6割までに必要な点数・得点率
100点+66点=166点315点 63%

このとき、残りの4問で3分の1ずつ得点したとすると、このときの数学の点数は166点で得点率は55%、残りの英語と理科では得点率63%で6割に達します。このように2完であっても英語と理科で合わせて6割以上得点することができれば合格できる可能性があります。

シミュレーション結果を考察

数学が得意な人は4完を目指し、苦手な人も2完を確保することが必要でしょう。また、完答数が少なくなるほど部分点をいかに積み上げるかということも重要です。完答できそうになくとも手を動かし、あきらめないことが部分点につながります。

ここまで合格者平均点の目安である6割をもとにシミュレーションをしてきましたが、合格者平均点が合格最低点(東北大学では公表されていません)よりも低いことを考慮すると、4完が理想ではありますが、多くの合格者は3完だったのではないかと推測されます。そのため、2完や1完であっても、部分点を積み上げ、他の科目で挽回することができれば合格することは十分可能と思われます。

ただし、昨年は数学が易化傾向であり、合格者平均点が上昇したことを踏まえると、3完はほぼ必須だったものと思われます。実際理学部1年生である筆者も2023年度に数学は3完で、理科と英語で挽回し、合格者平均点以上の得点で合格しました。

過去問ってどれくらいやるべきなの?

ノートを持って笑顔で微笑む女子学生

15年分を分野ごとに解くのがおすすめ!

先ほどのセクションでは2次試験当日に必要な得点について述べました。ここからは、対策について述べていきます。東北大数学対策のポイントは大きく2つあります。1つ目は過去問の類題が出題されることがあること、2つ目は難問よりも標準的な問題を確実に正解することです。

ポイント1 過去問の類題からの出題

東北大の出題の特徴として、過去問の類題が出題されるという点があります。例は以下のとおりです。

  例)2017年理3と15年理3 方程式の解の条件

    2023年理1と05年理3 赤玉と白玉を取り出すゲーム  その他多数

特に整数や確率の問題において似たような場面設定の問題が出ることがあります。15か年の問題集などを用いて一通り問題を見ておくことで類題が出題された際に解きやすくなるはずです。しかしながら15年分すべての問題を解くことは時間的に難しいため、過去問の類題が出やすい確率や整数の分野の問題を集中して解くなど、分野ごとに解くことをおすすめします。

ポイント2 難問よりも標準的な問題を確実に正解する

東北大数学は天才的なひらめきが必要とされることは少なく、標準的な問題の解法を応用することが多いです。一方で東北大数学においても難問と呼ばれる問題が出題されることがありますが、この場合単に問題が難しいだけでなく、パワフルな計算力が必要とされることが多く、完答することはかなり難しいです。そのため、難問よりも標準的な問題を確実に解くことが最優先です。

過去問を解く際にも難問として分類されている問題よりも標準的な問題を選んで練習することをおすすめします。

現役東北大生が受験生だったときの数学の勉強法

個別指導をしている様子

ここまで東北大数学について現役東北大生の立場から述べてきましたが、これまで挙げてきた力をつけるために現役東北大生がどのように勉強してきたのかをご紹介します。

1. 基礎力をつける

まず、東北大数学を解いていくためには正確かつ素早い計算力、標準的な問題を確実に正解する力を身に付けることが重要です。そのためには日頃の演習の際には計算を決しておろそかにすることなく、最後まで答えを合わせることを心がけましょう。また、学校で指定された問題集や入試問題集、自分で選んだものなどの問題集でも構いませんが標準的な問題集1冊を完璧にしましょう

2. 東北大数学の問題に慣れる

東北大数学を解くには、高い計算力、記述力が要求されます。特に記述においては解答の作り方そのものを練習し、身に付ける必要があります。そのためには過去問を利用して解答を自分なりに作成し、解答例と見比べたり、学校や塾の先生などに添削してもらったりするしかありません。過去問を活用して東北大数学の問題に慣れましょう。

3. 具体的な参考書ルート

ここまで東北大数学を解くための数学の勉強方針について述べてきましたが、現役東北大生が受験生だった時の具体的な参考書ルートを紹介します。

まずは計算力を身に付けるために文英堂の『合格る計算』を使っていました。この参考書は小学校の頃の計算ドリルのような問題集で、素早く計算するコツが多く掲載されています。数学1A2Bと数学3が出版されており、理系、文系を問わずすべての受験生におすすめです。

参考書
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次に、標準的な問題を練習するための参考書としてはZ会の『入試の核心 標準編』をおすすめします。この参考書は入試数学で頻出のテーマが厳選されており、問題数が他の問題集と比べて少ないため、直前期の振り返りとして活用していました。『入試の核心』は標準編には理系数学、文系数学が出版されており、加えて難関大学編も出版されているため、こちらもすべての受験生におすすめです。

そして最後に過去問を用いて演習です。理系の受験生には教学社の『東北大の理系数学15カ年』がおすすめです。分野ごとに過去問が集められており、辞書のように使って類題を探すこともできます。すべての問題を解くことは時間的に難しいため、標準的な問題を選んで解くと良いでしょう。

文系の受験生も「確率」や「整数」の分野は理系数学と共通問題であることが多いため、『東北大の理系数学15カ年』を用いて演習することをおすすめします。

東北大数学を攻略して東北大を目指そう!

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高い計算力と記述力が要求されますが、標準的な問題の解法を組み合わせて解く問題が多いのが東北大数学の特徴です。数学を攻略すれば合格はグッと近づきます。

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こちらに東北大の受験情報についての記事をまとめました。こちらもぜひご覧ください

東北大全10学部の偏差値情報や、詳細な情報はこちらのまとめ記事をチェック!

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