高校へ行かずに大学受験ってできるの…?
高校行く以外にどんな方法があるんだろう…?
「高校へ行かずに大学進学を考えている」高校へ行かない理由は様々です。大学へ行きたい気持ちがあるのなら、努力次第で方法はあります。この記事では大学へ行くメリットもあげながら高校へ行かずに大学へ行く方法を紹介します。
・高校へ行かずに大学へ行く方法はある
・高認は大学に受からないと中卒と同じになってしまう
・大学へ進学した方が就職には有利
東北大学教育学部在学中に起業。現在はオンライン個別指導塾168塾の運営を行う。
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1年間の予備校浪人生活を経た後、東北大学教育学部に入学。ベンチャー企業2社で実務経験を積んだ後、浪人時に感じた大手予備校への違和感を基に、「168塾」の立ち上げ・運営。
高校に行かずに大学受験する方法はある!
高校を卒業せずに大学入試は受験できないと思っている方、まだあきらめないでください!
高校へ行けていなくても卒業していなくても、大学入試を受ける方法はあります。
高校進学率は97%。ただ途中で高認や転校を考える人もいます
高校進学率は97%(文部科学省資料)ととても高い比率で推移しています。
中学の進路説明会で「ほとんどのお子さまが高校進学を希望しています」や「中卒だと就職先はほとんどありませんよ」と耳にしている保護者さまもいらっしゃると思います。
なんらかの事情によって高校に通えなくなっても大学受験の条件を満たすことは可能です。
大学受験の条件を満たす方法
大学を受験するには、受験する年度に18歳になっていることが絶対条件です。
そして以下の条件のいずれかを満たしていなければなりません。
- 高校卒業(見込み)
- 高等卒業程度認定試験の合格
次に、様々な理由で休学や退学をしたけれど大学には行きたいと思っている方のために大学受験の条件を満たす方法を紹介します。
①高校卒業程度認定試験を受ける方法
高校卒業程度認定試験とは略して「高認(こうにん)」と呼ばれる資格で、2004年までは大学入学資格検定(大検)という資格でした。
大検と聞くとなじみのある保護者さまもいらっしゃると思います。
高認資格を取ることで高校を卒業しなくても大学を受験できます。
②定時制高校へ転校する方法
定時制高校とは1日の授業時間が4時間程度と短い高校で、毎日通う必要があります。
夕方から始まる学校が多く、仕事をしながらでも通学できます。修業年限は3年以上ですが、4年で卒業する方がほとんどです。
転入する場合はそれまで取得した単位であれば引き継ぐことも可能な学校が多いようです。
- 仕事と掛け持ちをして、自分のペースで学びたい方
- 学校の人間関係が苦痛ではなかった方
③通信制高校へ転校する方法
通信制高校とは郵送やオンラインなどを活用し単位を取得する高校で、毎日通う必要はありません。
全日制の高校や定時制の高校のように毎日通う必要はありませんが、登校日数は学校によって様々です。
学習相談などの登校日や、スクーリングコースや通学コースと様々なコースを設けている学校もあります。レポートやテスト、スクーリングで高校卒業単位を取得できます。
通常ならば3年で卒業ができ、転入する場合はそれまで取得した単位を引き継ぐことが可能な学校が多いようです。
- 体調や病気などの事情により通学が困難な方
- 人間関係に自信がない方
④全日制高校へ転校する方法
全日制の高校から全日制の高校への転校は少し難しいのですが、希望の高校に欠員があった場合のみ転校ができます。
公立、私立共に転入の条件としては「本人と保護者の住所が入学日までに志望校である都道府県内にある」ことと「転入試験に合格する」ことが必要です。
公立の場合は欠員がなく募集していない年度もありますが、私立の場合は少人数ですが募集していることがあります。
転入する場合はそれまで取得した単位を引き継ぐことが可能な学校が多いようです。
- 高校生活をやり直したい方
- 引越しで転校しなければならないが、通信制や定時制に通うのは抵抗がある方
高卒資格と高認資格の違い!
「高卒」と「高認」はとても言葉が似ていますが、どんな違いがあるのでしょうか?
大学を受験する資格としては変わらないのですが、高認と高卒では違いがあります。
高卒…高等学校を卒業したという資格
高認…高校卒業程度と同じ学力を持つ資格
高卒と高認を知ることでこれからの進路を決めるためにも知っておいていただくと選択肢が広がると思います。
高卒資格とは
全日制、定時制、通信制などの高校の卒業要件を満たしていることが必要です。
最低3年間在籍することや必要単位数や必要出席日数などの要件を満たすことで、進級や卒業ができます。
大学へ進学しない方や、大学を中退した方の最終学歴は高校卒業となります。
高認資格とは
高認に合格することによって、高校卒業者と同等以上の学力があると認定される資格です。
様々な理由で高校へ行かなかったり、卒業していない方でも高認資格を取れば大学や専門学校の試験を受験できます。
「大検」をご存じの保護者さまもいらっしゃるかと思いますが、平成17年からは資格の内容が多少変更され「高認」と名前を変えた文部科学省が実施している国家資格です。
高卒認定試験とは?高卒認定は中卒扱いになる?
高認には、以下のような特徴があります。
- 16歳以上であれば、誰でも受験可能
- 試験は年に2回、1科目から受験できる
- 高校在学中でも受験できる
- 大学へ合格、卒業しないと最終学歴は中卒になる
⒈16歳以上であれば誰でも受験可能
16歳以上ならばだれでも受験可能で、合格者の定員数はもうけていません。
試験で学力が一定の基準に達していると認められると合格となります。
高等学校に在籍していても受験が可能です。
最終学歴が中卒、不登校の高校生、通信制や定時制の生徒、高校を中退など様々なタイプの方が受験できます。
高校1年生の時でも高認資格は取れるということになりますが、大学は入試を受ける年度に18歳にならないと受験できないので注意が必要です。
2.試験は年に2回、1科目から受験できる
毎年2回、8月頃と11月頃に実施されています。
都道府県毎に1会場(47会場)と全国の矯正施設などで受験が可能です。
16科目の中から必要科目を選び、1科目から受験できます。
高認資格を取得するためには8〜9科目すべてに合格しなければなりません。
何度かにわけて受験することも可能なので、ご自分のペースで資格を取得できます。
3.高校在学中でも受験できる
休学、不登校、病欠などの理由で欠席している高校在学中の生徒でも受験できます。
校長判断になってしまいますが、病気などで出席日数が足りなかった場合など高認試験で合格した科目を単位として認めてもらえる事例もあります。
学校の先生と相談して効率的に受験することも可能ですね。
4.大学へ合格or卒業しないと最終学歴は中卒になる
頑張って高校へ通うよりも高認さえ取っておけばよいのでは…?
高認が高卒者と同等以上の学力ならば、高認さえ取っておけばいいのでは…?
と思った方、少し待ってください。
高認は大学に合格し卒業しないと最終学歴は中卒になってしまいます。
高認は高校へ行かず大学受験を考える人にとって救済措置ではありますが、大学を卒業しないと意味のないものになってしまいますので注意してくださいね。
高卒認定(中卒)は就職に不利?大学に行くのをおすすめする理由
なぜ高校とか大学へ行った方がいいの?
無理に高認を取らないで中卒のままでもいいのでは?
考え方は人それぞれですが、大学へ進学することで未来の可能性が広がることは事実です。
大学への進学率は53.7%高校生の約半数が大学へ進学しています
大学入学者等の推移(文部科学省資料)によると、4年制の大学へ進学するのは53.7%でこれに短大、高専、専門学校への進学率を合わせると82.8%となります。
この数字からもおわかりいただけるかと思いますが、驚くことに高校生の8割が就職ではなく進学しているのです。
大学へ行くのをおすすめする理由を4つあげていますので、今後の進路のご参考にしていただけると幸いです。
- 就職率が高まるから
- 職業の選択肢が狭まるから
- 大学で専門的な分野が学べるから
- 中卒と大卒では年収の違いがあるから
1.就職率が高まるから
「家庭の事情で急に引越しをしなければならなくなった」、「人間関係がうまくいかない」、「体を崩して首席回数が足りない」などの理由で高校へ行っていない人がいるかと思います。
高校へ行かない理由は人それぞれですが、高校へ行かずに職を探すよりも高校や大学で専門的な勉強をした方が就職率は高くなります。
高校中退していたり、これから中退を考えている方も高認試験に合格すれば大学受験への道が開けてくるのです。
2.職業の選択肢が狭まる
保護者さまの年代ですと、中卒の方が周りにいらっしゃって生計を立てている方も少なくありません。
今の中学生や高校生の世代で中卒となるとまず正社員での採用率がとても低くなります。
職業の選択肢もぐっと低くなり、医師免許や建築士や教員免許などの国家試験は大学を出ていないと取得できない場合があります。
高卒や大卒に比べて基本給が少ないケースが多く、昇級にも関係してきてしまうのです。
3.大学で専門的な分野が学べるから
中学や高校で勉強することは実際の生活では使わないことがほとんどです。
例えば、微分や積分、高校までの数学は基礎的な考え方や、計算の仕方を学びます。大学では数学を応用して実際の職業やものづくりに活用できるように学びます。
大学では、自身の興味のある分野の専門性を高めていくことができます。専門性が高まることで職業人材としての価値が高まるといったメリットもあります。
4.中卒と大卒では年収の違いがある
平均月収でみてもこれだけの違いがあります。
男 | 女 | |
大卒・大学院卒 | 406,500円 | 276400円 |
高専・短大卒 | 310,500円 | 239800円 |
高卒 | 300300円 | 198200円 |
中卒 | 280200円 | 174400円 |
男性の賃金でみてみるとボーナスなしで考えたとしても大卒と中卒の年収の差は約150万円、大卒と高卒との差は約127万円となります。
例えば頑張って大学へ出て得意な分野で仕事をしてお給料をもらう方と、中卒で必死に決めた仕事でお給料をもらう方では年間約150万の差が生まれるということです。
高認から大学受験の方法。不利になることはある?
何らかの理由で高校へ行けていない方や、高校を中退している方でも高認に合格すれば大学受験の資格が得られます。
高認の難易度はそこまで高くなく、しっかりと対策すれば合格できると言われています。
高認の試験内容は中学1年から高校1年までの範囲で合格点は各教科100点満点中40~50点です。
高認を取ったあと独学で大学受験する場合と塾や予備校などのサポートを受ける場合についてご説明します。
1.独学で受験する方法
高認に合格したあと独学で大学受験する場合、高校1年までの範囲は高認を取るときに勉強していることになるので高校2年以降の受験で必要な科目の勉強が必要です。
受験したい大学によって勉強する教科が違うので、よく調べてから適切な教材を用意し勉強して下さい。
教材の選び方などがわからない場合は通信教育やタブレットを使った学習なども向いています。
勉強がわからなくなってしまったときに、聞ける場所があればよいのですがない場合はモチベーションの維持が困難になってくる可能性があります。
2.塾や予備校、家庭教師などのサポートを受ける方法
塾や予備校で適切なサポートを受ける方法もあります。
授業料はかかってしまいますが、受験までの道筋をしっかり立ててもらえるので安心できます。
大人数の塾や予備校ですと、授業内容などが決まっているのでわからなくなってしまったり、ついて行けないなどの問題が発生してしまうことがあります。
家庭教師や個人塾などはお子さまのレベルに合わせ個々にみてもらえるので高認から大学受験を考えている方にはおすすめです。
自分に合った大学受験の方法を選択しよう!
ここまで高校に行かずに大学受験をする方法をご紹介してきました。
とはいえ、どの方法がベストなのかは人によって様々です。ご自身がどの選択肢を取るのが良いのかをまず考えてみてくださいね。
・高認を取れば大学受験できるが対策は必要
・高認は大学卒業しなければ中卒となるので注意
・将来、学歴によって年収が大きく変わってくる可能性がある