東北大を目指して浪人するのはアリ？一浪東北大生が徹底解説！

近年の大学受験では現役志向が高く、浪人せずに合格した大学に進学する人が増えています。そんな時代だからこそ、東北大を目指して浪人しようか迷っている方に向けて一浪東北大生が経験をもとに徹底解説します。

東北大の浪人率は約3割

あなたも浪人？

多くの大学では入学時の学生の年齢から、現役率などを算出し、公表している場合があります。代々木ゼミナールの資料によると、東北大学の例年の現役率は60%後半程であり、東北大の新入生のうち浪人経験者はおよそ3割となっています。

理系学部ほど浪人率が高まる傾向にあり、特に医学部や歯学部などでは浪人率は非常に高く、歯学部では現役率が20%を下回る年もあるほどです。

また、他の旧帝大であっても同様の傾向がみられ、旧帝大志望者が浪人することは珍しくないと思われます。

例えば、筆者は1浪して東北大の理学部に入学しましたが、周りの友人には浪人経験者が多くおり、「あなたも？」なんてこともしばしば。そのため、入学直後はお互い探り合いながらですがすぐに浪人、現役といったことは気にしなくなります。

浪人経験者同士でどこの予備校に行っていたかなどの浪人トークから交友関係が広がるなど入学してから浪人を負い目に感じることはほとんど無くなります。

AO2期は受験できないがAO3期は受験可能！

次に東北大の入試制度について述べていきます。東北大の一般入試は前後期試験とAO入試からなります。

前後期試験、AO入試3期は大学入学資格を有していれば誰でも受験することができますが、AO入試2期は出願資格に卒業年度の要件があり、高校3年生しか受験できなくなっています。

現役の受験生は東北大ではAO2期と3期を併願することも可能ですが浪人生は3期のみとなりますのでご注意ください。

浪人が東北大の受験上不利になることは無い！

浪人を考える人、浪人している人にとっては浪人が受験上不利になることはないのだろうかと心配する人もいるかもしれません。

ですが、東北大の浪人率を見ていただいてもわかるように、浪人が受験上不利になっているとは考えにくいです。また、浪人生も受験可能なAO3期においても浪人生が合格しています。

「浪人はつらいよ」

予備校浪人はお金がかかる

もちろん主に自宅で勉強する宅浪を選択する人もいますが、浪人する多くの人は予備校で1年を過ごすことになります。筆者も浪人時代には予備校に通っていました。予備校は基本的には週5日または6日朝から夕方まで授業があり、高校時代の塾とは違い、1日中予備校で過ごします。

そのため、高校時代と比べて授業料や教材費などが高額になりがちです。また、予備校では多くの場合通常授業、夏期・冬期講習に分かれており、授業料には講習期間中の受講料は含まれないことが多いです。

あくまで一例とはなりますが、予備校浪人に掛かるお金をまとめてみます。

例えば、1年間予備校で浪人すると入学金、授業料で100万円程、講習の受講料が各15万円程となりますので基本となる費用として合計で130万円程がかかります。

また、予備校は多くの場合都市部にありますので実家から通学の場合には定期代が、予備校の寮に入る場合には生活費や寮費が追加でかかることになります。

さらに受験にもお金がかかりますので受験料や入試会場までの交通費や宿泊費がかさみます。また、国立大志望の場合には私大の押さえの入学金も必要になります。医学科志望の場合には押さえの入学金も非常に高額です。

結局、1年間でトータル200万円ほど掛かることになります。(遠方からの通学、入寮、医学部受験の場合はそれ以上)

もしも浪人を選択し、予備校に通う場合には少なからずご家族などの援助が必要になります。ご家族ともよく相談しましょう。

以下の表に予備校浪人の場合の費用をまとめました。

費用	金額
予備校の入学金	10万円ほど
予備校の授業料	80万円ほど
講習の受講料	30万円ほど
定期代	距離による
(寮費)	150~200万円ほど
受験料	20万円ほど
受験の交通費、宿泊費	10万円ほど
私大の入学金	20~30万円ほど(医学科は100万円以上)
合計	約180万円+定期代(または寮費)

浪人、それは社会的身分のない存在

高校卒業直後に浪人する人が多いですが、浪人生は予備校に通っていても(学校法人格の予備校もありますが)どこか正式な学校の生徒や学生として社会的には認められていません。また、何か職業として認められるわけではないのです。

つまり、高校生までは「〇〇高校の生徒」といった身分がありましたが、浪人生にはそうしたアイデンティティがないのです。

「何者でもない自分」というのは経験したことの無いもので、じわじわとメンタルを削ります。筆者は美容院に行った際に学割料金が適用されないことを知ったときこれを感じました。

浪人と働きアリの法則

浪人は伸びる、現状維持、下がるの3つに分かれる

みなさんは「働きアリの法則」はご存じですか？これは文字通り、働きアリに関する有名な法則で、浪人のうちどれくらいの人の成績が伸びるか否かという割合にも成り立つと言われています。

私も1年間浪人して周りを見た感覚ではこれは成り立っているように感じます。

そもそも「働きアリの法則」とは、以下のようなものです。

「一生懸命に働くのは全体の2割であり、一般的な労力で働くのは全体の6割で、残りの2割は働かずにサボっている」

働きアリの法則　伊藤佳彦

つまり、浪人の中では、2割の人が一生懸命に勉強し、6割の人がほどほどに頑張り、2割の人が勉強をしなくなるということです。そのため、結果的に成績が伸びる人、現状維持の人、下がる人が同じような割合で生じることになります。

「浪人は伸びない」と言われることがありますが、全員が伸びない(または下がる)わけではないのです。1年間頑張り続けることができた人はしっかり成績を伸ばすことができています。

例えば筆者は1浪時、現役時と比較して共通テストを900点満点のうち120点以上伸ばしましたし、予備校時代の同級生たちも多くが志望校に合格していきました。

しかしながら、浪人をして1年間(現役時を合わせれば2年以上)頑張り続けるのは至難の業であり、相当な覚悟と信念をもって取り組まなければなりません。実際、予備校では4月当初は教室に生徒がたくさんいたにも関わらず、通常授業が終了する11月ごろには半分以下になっていることもざらです。

そうした厳しい環境下で自らを律していかなければならないのです。

大事なのは自分で選択すること

現在の大学受験では「大学全入時代」とも呼ばれ、選ばなければ誰でも大学に入れる時代になってきています。そんな中で浪人を選択するのは勇気がいることですし、親世代と比べて浪人することが一般的ではなくなっています。

ここまで浪人をすることのつらいポイント、一方で成績が伸びる可能性があることを述べてきましたが、浪人するかどうかを決めるのは自分でなければなりません。

自分で選択した結果であるならば、こうした時代に浪人することを選んだあなた、現役時に合格した大学に進学するあなた両方が尊重されるべきだと思います。

どちらの選択をするにしろ、次のステップに進む皆さんを応援しております！

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