公募推薦とは?指定校推薦との違いと出願条件を3大学の要項で比較【2027年度】

公募推薦と指定校推薦って、何が違うんだろう。うちの高校からでも出願できるのかな…
公募推薦は、大学が高校を指定しない推薦入試です。ただ、調べ始めると、併願できる、浪人でも出せる、評定は4.0以上といった説明が、大学によって当てはまったり当てはまらなかったりして、自分の場合がどれなのか分かりにくくなります。
ここでは、文部科学省の令和9年度(2027年度)大学入学者選抜実施要項で決まっている共通のルールと、国立1校・私立2校の2027年度の募集要項を並べて、出願条件・選抜方法・日程がどこまで違うのかを示します。志望校の要項のどこを見れば自分が出せるか分かるかも、最後に表にまとめました。
- 公募推薦は、高校の指定はないが校長の推薦が必要な学校推薦型選抜。2027年度入試から、公募の推薦では面接が原則必須になる(既存の選抜区分は2029年度入試までの導入猶予あり)。書類だけでなく学力の評価を1つ以上使うことも決まっている
- 公募でも専願(合格したら入学を確約)の大学がある。比べた3校では、併願できたのは近畿大学だけで、筑波大学・日本大学商学部は専願だった
- 浪人の可否や評定の基準は大学ごとにばらばら。3校では現役のみ(日大商・筑波の多くの学類)、1浪まで(近畿大)に分かれ、評定は3.8以上(日大商)、4.3以上のA段階などの要件の一つ(筑波)、数値の基準なし(近畿大)だった

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公募推薦とは:高校の指定はないが、校長の推薦が要る入試
公募推薦は、学校推薦型選抜のうち、大学が示す出願条件を満たし、出身高校の校長の推薦を受けた生徒なら、どの高校からでも出願できる方式です。大学が特定の高校に推薦枠を割り当てる指定校推薦とは、ここが違います。
文部科学省の実施要項では、学校推薦型選抜は、出身高校の校長の推薦に基づき、調査書を主な資料として評価する入試と位置づけられ、本人の意志だけでは出願できない入試とされています。そのため大学は、推薦の要件をできるだけ具体的に決めて募集要項に書くことになっています。また、学校推薦型選抜の募集人員は、学部などの入学定員の5割までです。

| 項目 | 指定校推薦 | 公募推薦 |
|---|---|---|
| 出願できる高校 | 大学が指定した高校だけ | 条件を満たせばどの高校からでも |
| 校長の推薦 | 必要 | 必要 |
| 1校から出せる人数 | 高校ごとの枠の人数 | 大学が上限を決めることがある(筑波大学は多くの学類で2名まで) |
| 専願か併願か | 合格したら入学を確約する形が基本 | 大学・学部ごとに違う |
| 面接(2027年度入試から) | 非公募で入学を確約する推薦は、大学の判断で行わないこともある | 原則必須(既存の区分は2029年度入試までに導入) |
公募でも1校から出せる人数に上限がある大学では、高校の中で誰を推薦するかを決めることになります。公募だから校内の調整がまったく無い、とは限りません。
大学入学者の約3人に1人が学校推薦型選抜で入学している

公募制と指定校制の内訳は公表されていない。外国人留学生を対象とする選抜を含む。令和7年度から選抜区分を再整理したため、前年度とは比較できない。
令和7年度に大学へ入学した人のうち、学校推薦型選抜で入学したのは221,415人、全体の34.1%でした。設置者別では私立が38.8%と高く、国立は12.7%、公立は26.9%です。国立大学では推薦で入る人の割合が小さく、私立大学ほど推薦の比重が大きいことが分かります。
ただし、この数字は公募制と指定校制などを合わせたものです。公募推薦だけの割合は、文部科学省の公表資料からは分かりません。
出願条件は大学でここまで違う:3大学の2027年度要項で比較

評定が何点あれば出せるの?浪人でも受けられる?
出願条件の違いを具体的に見るため、国立大学(筑波大学)、併願できる私立大学(近畿大学法学部)、専願で評定の数値基準を置く私立大学(日本大学商学部)の3つを選びました。いずれも2027年度(令和9年度)入試の募集要項が公表済みで、条件の型がそれぞれ違うためです。数字は各大学の要項のとおりで、同じ大学でも学部・学類で条件が変わります。近畿大学は、学部によって試験科目や日程が違うため、法学部の推薦入試(一般公募)のスタンダード方式にそろえて比べています。
| 大学 | 出願できる人 |
|---|---|
| 筑波大学 | 多くの学類は2027年3月に卒業見込みの人(現役)。日本語・日本文化学類と知識情報・図書館学類は既卒も出願できる |
| 近畿大学法学部 | 2026年3月以降に卒業した人と2027年3月に卒業見込みの人(現役と1浪) |
| 日本大学商学部 | 2027年3月に卒業見込みの人(現役のみ) |
出典:筑波大学 令和9年度推薦入試学生募集要項、近畿大学 2027年度入学試験要項、日本大学商学部 令和9年度学校推薦型選抜(公募制)募集要項。評定平均4.3以上=A段階は、文部科学省の実施要項の調査書記入要領による。
3校を並べて分かること
- 併願できる:近畿大学は併願できたが、筑波大学と日本大学商学部は専願。公募だから併願できるとは限らない
- 浪人でも出せる:現役のみの大学・学類があり、出せる場合も卒業後1年までのように年数の決まりがある
- 評定は〇以上:3.8・4.0・4.3と数字が分かれ、数値の基準を置かない大学もある。英語の資格や活動経験を組み合わせる大学もある
- 試験は小論文と面接:近畿大学法学部のように2教科の学力試験が中心の公募推薦もある
選抜方法:面接は2027年度から原則必須(経過措置あり)、学力の評価も1つ以上
学校推薦型選抜の選び方は、文部科学省の令和9年度実施要項で次のように決められています。上の3校の選抜方法が違って見えるのは、このルールの範囲で大学ごとに組み合わせを選んでいるためです。
- 面接(2027年度入試から原則必須):志望分野への意欲や適性を見る面接を原則として必ず行う(2026年度まで面接がなかった区分は遅くとも2029年度入試までに導入)。口頭試問・プレゼンテーション・集団討論・オンラインでの実施も面接に含まれる
- 学力の評価(以前から必須):調査書・推薦書だけでなく、教科・科目のテスト、共通テスト、小論文・面接・実技、資格・検定試験の成績のうち少なくとも1つを使い、募集要項に書く
- 推薦書:高校は、志望学部の求める学生像に合わせて、本人の学習歴・活動歴と、指導で配慮が必要な点を書く
面接の必須化は令和9年度実施要項での変更点で、文部科学省の令和7年度の調査では、大学の学校推薦型選抜の選抜区分のうち面接を行っていたのは77.4%でした。面接が要らない例外は、高校と大学が連携した非公募の推薦(指定校推薦など)で、合格したら入学を確約するものだけです。
公募推薦では面接が原則必須です。なお、2026年度まで面接なしで行っていた選抜区分は、すぐに導入するのが難しければ遅くとも2029年度(令和11年度)入試までに導入すればよいとされています。志望校の2027年度要項で、面接の有無と形式を確かめてください。
日程:出願は11月1日以降、合格発表は12月1日以降
学校推薦型選抜の日程も、実施要項で枠が決まっています。出願の受付は2026年11月1日以降、合格発表は12月1日以降で、一般選抜の試験日の10日前までに発表します(共通テストを使う推薦は、一般選抜の試験日の前日までのなるべく早い日)。
比べた3校も、この枠の中で11月に出願と試験、12月に発表という日程でした。ただし筑波大学心理学類のように共通テストを課す推薦では最終発表が2月になることがあり、近畿大学は学部によって12月に試験を行います。試験と発表の時期は、学部や共通テストを使うかどうかで変わります。
要項の公開時期は大学によって違います。その年度の要項が出る前は前年度の要項で見当をつけ、評定が足りるかを先に確かめます。
校長の推薦が必要なため、高校の中での手続きがあります。1校から出せる人数に上限がある大学では、校内で調整が入ります。
比べた3校では、筑波大学と日本大学商学部がネット出願の登録を10月に始め、書類は11月上旬必着でした。推薦書・調査書は高校が作るので、早めに依頼します。
専願の大学に合格したら入学が決まります。併願できる大学では、入学手続の締め切りと他大学の日程を比べて動きます。
自分が出願できるか確かめる:要項のどこを見るか
志望校の募集要項を開いたら、次の順に確かめると、出せるかどうかと準備することがはっきりします。
| 確かめること | 要項のどこを見るか |
|---|---|
| 現役のみか、既卒も出せるか | 出願資格の卒業年月(例:2027年3月卒業見込み、2026年3月以降卒業) |
| 評定の基準を満たすか | 出願要件・推薦要件にある全体の学習成績の状況や教科別の評定。自分の数字は担任に確かめる |
| 専願か併願か | 合格したら入学を確約する、第一志望とする、といった文言の有無 |
| 高校から何人出せるか | 1校で推薦できる人数の欄。上限があれば校内での調整がある |
| 何で選ぶか | 選考方法の欄(小論文・面接・口頭試問・基礎学力テスト・共通テスト)と配点 |
| 一般選抜と両立できるか | 合格発表日と入学手続の締め切り。専願なら、合格したらその大学に入学する |
- 評定平均は高1からの全教科・科目の評定から出すため、高3になってから大きく上げるのは難しい
- 専願の公募推薦に出すと、合格したらその大学に入学することになる。他に受けたい大学がある場合は出願前に決めておく
- 不合格でも一般選抜は受けられる。ただし推薦の発表より一般選抜の出願締切が先に来る場合があるので、両方の締切を先に確かめる。推薦の準備中も一般選抜の勉強を止めない
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公募推薦についてよくある質問
この記事の出典
評定平均は、調査書の全体の学習成績の状況(すべての教科・科目の評定の平均)を指します。大学の条件は2027年度(令和9年度)入試の募集要項によります。



