勉強に集中できないときの対処法|スマホ・睡眠・計画の原因を公的データで確かめる

勉強に集中できないときは。原因別に今日からできる工夫。

机に向かっても、5分でスマホを見てしまう。集中しなきゃと思うほど、逆に集中できなくなる…

机に向かってもスマホに手が伸びる、眠くて同じ行を何度も読む、何から始めればいいか分からず時間だけが過ぎる。集中できない場面は同じに見えても、原因はスマホ・睡眠・計画・不安のどれか、あるいはその重なりかもしれません。原因が違えば効く手も違います。

ここでは、こども家庭庁の令和7年度の調査(高校生の平日のスマホでのネット利用は平均約4時間3分)や、厚生労働省の睡眠ガイドが示す中高生の睡眠時間の目安(8〜10時間)を基準に、自分の原因をどう確かめ、どこから直すかを原因別に示します。

本記事の結論
  • 集中できない原因は、スマホ・睡眠・計画・不安のどれかを先に確かめる。スマホは端末の利用時間の記録、睡眠は1週間の就寝・起床の記録で、数字で確かめられる
  • 高校生の平日のスマホでのネット利用は平均約4時間3分(使っている機器すべての合計では約6時間44分、令和7年度)。高校生の平日の睡眠は平均7時間19分(令和3年)で、中高生の目安8〜10時間に届いていない。勉強中はスマホを別の部屋に置き、睡眠は削らない
  • 工夫を続けても強いだるさ・眠気・意欲の低下が続くなら、勉強法だけで解決しようとせず、担任・スクールカウンセラー・医療機関に相談する
本記事を監修する専門家
難波

独学で東北大学医学部に現役合格。塾講師として指導を行う中“塾外の時間”の使い方こそが成績向上の鍵だと気づき、1週間=168時間に着目したオンライン学習管理塾「168塾」を創設。全国の受験生を支援している。

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現在は東北大学大学院加齢医学研究所にて、脳科学と教育を融合させた研究を行うと同時に、東北大学病院 認知症外来で診療に携わる現役医師でもある。学術と現場の両視点から、「自走力を育む学習法」の確立を目指し、受験にとどまらない“生きるための学び”を提唱。

目次

まず原因を確かめる:スマホ・睡眠・計画・不安のどれか

どうして自分は、こんなに集中が続かないんだろう?

集中できない理由を、やる気や性格のせいにする前に、次の4つのどれに当てはまるかを確かめます。タブごとに、よくあるサインと、自分で確かめる方法、比べる目安をまとめました。

集中できない原因を4つに分けた図。スマホ・環境は利用時間とアプリ別の内訳を見て、勉強中はスマホを別の部屋に置き通知を切る。睡眠・体調は1週間の就寝・起床時刻を書き出し(目安8〜10時間)、睡眠を削らない。計画は今日やることを教材・範囲・量まで決めた単位に分ける。不安は気になることを書き出し、計画で片づくことは計画を見直す。原因は1つとは限らない
集中できない4つの原因と、確かめ方・最初の手
項目内容
よくあるサイン通知が鳴ると手が止まる。気づくと動画やSNSを見ている
確かめ方iPhoneのスクリーンタイム、Androidの Digital Wellbeing で、平日1日の利用時間とアプリ別の内訳を見る
比べる目安スマホでのネット利用は平日平均で高校生242.8分、中学生180.3分(令和7年度)

当てはまる原因が1つとは限りません。夜遅くまでスマホを使って睡眠が削られる、のように原因はつながっていることもあるため、数字で確かめられるスマホと睡眠から見ていくと整理しやすくなります。

①スマホ:高校生の平日のスマホでのネット利用は平均約4時間3分

令和7年度の青少年のインターネット利用環境実態調査による平日1日のインターネット利用時間の平均。スマートフォンでの利用は小学生109.1分、中学生180.3分、高校生242.8分。使っている機器すべての合計は小学生233.6分、中学生324.3分、高校生404.0分。高校生の目的別平均(その目的で使う人の平均)は趣味・娯楽214.8分、勉強・学習・知育82.5分、保護者・友人等とのコミュニケーション70.2分。
出典:こども家庭庁「令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」(2025年11〜12月調査)。
平日1日の平均。スマートフォンは、スマホでネットを使う人の平均。機器すべての合計は、スマホ・パソコン・タブレット・ゲーム機・テレビなどでの利用を合わせた時間。目的別は、その目的で使うと答えた人の平均のため、足しても合計と一致しない。

こども家庭庁の令和7年度の調査では、スマホでネットを使う高校生の平日1日の利用時間は、スマホだけで平均242.8分(約4時間3分)でした。中学生は180.3分です。パソコン・タブレット・ゲーム機・テレビなど使っている機器すべての合計では、高校生は平均404.0分(約6時間44分)で、63.3%が5時間以上でした。高校生の目的別の平均は、趣味・娯楽が214.8分、勉強・学習・知育が82.5分でした。

スクリーンタイムなどで出した自分のスマホの利用時間を、スマホだけの平均と比べると、スマホが勉強時間を圧迫しているかの見当がつきます。なお、厚生労働省の睡眠ガイドは、小・中・高校生のスクリーンタイム(テレビ・ゲーム・スマホなど)を1日2時間以下にすることが推奨されていると紹介しています。

ただし、この調査の利用時間はネットを使っている時間だけを数えたもので、機器すべての合計には学校の端末での学習も含みます。スクリーンタイムとは数え方が違うので、そのまま比べることはできません。

スマホを離すと集中しやすくなるのか

スマホを机の上に置いた学生より、別の部屋に置いた学生のほうが、記憶や思考の課題の成績が良かったという実験があります(Wardら、2017年)。一方で、同じ結果が出なかった追試もあり、複数の研究をまとめた分析では、影響は小さく、研究によって差が大きいとされています。効果の大きさは人によって違うと考え、自分の利用時間の記録で確かめながら試すのが確実です。

勉強中のスマホの置き場所を決める

STEP
平日1日の利用時間とアプリ別の内訳を見る

スクリーンタイムなどの機能で、どのアプリに何分使っているかを見ます。勉強のつもりで開いたアプリから動画やSNSへ移っていないかも確かめます。

STEP
勉強する時間帯は、スマホを別の部屋に置く

手の届く場所にあると触ってしまうなら、勉強する部屋の外に置きます。調べものに使う場合は、使う時間を決めてから取りに行きます。

STEP
通知を切る

SNSやゲームの通知は、勉強の時間帯だけでも切ります。端末の集中モードや通知の設定でまとめて止められます。

②睡眠:中高生の目安8〜10時間に対し、高校生の平日平均は7時間19分

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2024年2月)は、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保することをすすめています。一方、総務省の令和3年社会生活基本調査では、高校生の平日の睡眠時間は平均7時間19分で、目安の下限より40分ほど短くなっています。

睡眠ガイドは、睡眠が足りないと学業成績が下がることが報告されているとし、良い睡眠を十分にとると集中力が増し、学習効率が上がると説明しています。勉強時間を増やすために睡眠を削ると、集中できない原因を自分で作ることになります。

夕方以降のカフェインに気をつける

  • 夕方以降は控える:カフェインの夕方以降の摂取は、夜の睡眠に影響しやすいとされる
  • 13歳以上の上限の目安:睡眠ガイドは、カナダ保健省が13歳以上に1日あたり体重1kgにつき2.5mg以上のカフェインをとらないよう推奨していることを紹介している。体重50kgなら1日125mgが上限の目安になる
  • エナジードリンク:コーヒーの5倍近いカフェインを含む製品もあり、飲むのは朝に限るなどの注意が必要とされる

高校生の勉強時間の平均と、受験までの総勉強時間の計算は、勉強時間は1日何時間?高校生の実データと受験までの総時間の計算で詳しく説明しています。

③計画:手が止まるのは、今日やることが大きすぎるとき

目標が「数学を勉強する」のように大きいと、机に向かってから何をするか考える時間が長くなり、その間にスマホへ手が伸びます。今日やることを、教材・範囲・量まで決めた単位に分けておくと、座ってすぐ始められます。

大きすぎる目標すぐ始められる単位
数学を勉強する問題集の例題12〜15を解き、間違えた問題に印を付ける
英単語を覚える単語帳の301〜350番を2周し、覚えていない語に印を付ける
古文をやる教科書の本文1ページ分の助動詞に線を引き、意味を書く

時間で区切るなら、25分取り組んで5分休む、を繰り返すポモドーロ・テクニックという方法があります。とりあえず25分と決めると始めやすくなります。25分が長いと感じる人は15分から始めるなど、区切りの長さは自分に合わせて変えてかまいません。

1日単位の計画の立て方は、【大学受験】勉強計画の立て方ガイド〜目標達成のための5ステップ〜で詳しく説明しています。

そもそも勉強を始める気が起きないときは、勉強したくなる方法|やる気を引き出す5つのコツと続ける仕組みも参考になります。

④不安:気になっていることを書き出してから始める

「終わらなかったらどうしよう」という不安が頭を占めていると、目の前の問題に集中しにくくなります。勉強を始める前に、気になっていることを紙に書き出して頭の外に出す方法があります。

大事な試験の直前に、試験への不安を短時間書き出した学生のほうが成績が良く、とくに試験への不安が強い学生で効果が見られたという実験があります(Ramirez & Beilock、2011年)。試験直前の場面での実験なので、ふだんの勉強で同じ効果があるとまでは言えません。書き出した中に、計画を直せば片づくこと(範囲が終わらない、など)があれば計画を見直し、自分だけでは解決できないことは次の相談先へ持っていきます。

それでも集中できないときの相談先

強いだるさ、眠れない、何もする気が起きない状態が続くときは、勉強法の工夫だけで解決しようとせず、相談してください。

  • 担任・スクールカウンセラー:学校での様子と合わせて相談できる。カウンセラーの来校日は学校に確かめる
  • 医療機関:睡眠時間を確保しても日中の眠気が続く、体調が悪い状態が続くとき
  • 24時間子供SOSダイヤル:文部科学省が案内する子どもの悩みの電話相談。0120-0-78310(通話無料)。文部科学省の案内ページ

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大切なのは、
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今のあなたは、次の問いに即答できますか?

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集中できないときのよくある質問

高校生はスマホやネットを1日どれくらい使っていますか?

こども家庭庁の令和7年度の調査では、スマホでネットを使う高校生の平日1日の利用時間は、スマホだけで平均242.8分(約4時間3分)でした。パソコン・タブレット・ゲーム機なども合わせた合計では平均404.0分(約6時間44分)で、学校の端末での学習も含みます。自分のスマホの利用時間は、スクリーンタイムなどの機能で確かめられます。

音楽を聴きながら勉強するのは集中力に良くないですか?

歌詞のある音楽は、読解や暗記など言葉を使う勉強では気が散ると感じる人もいます。影響には個人差があるため、集中しにくいと感じたら、音楽なしや歌詞のない音楽を試してみましょう。

集中できないのはADHDの可能性がありますか?

集中力の続きにくさだけで判断できるものではありません。日常生活に支障が出るほど強い症状が続く場合は、自己判断せず、医療機関に相談することをおすすめします。

短時間しか集中できなくても大丈夫ですか?

最初から長時間集中できなくても問題ありません。15分や25分で区切って休憩を挟み、続けられたら少しずつ区切りを長くしていく方法があります。

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