勉強に疲れた時の立て直し方|疲れて勉強できない日の判断と睡眠の目安

疲れて、勉強を頑張れない日に。無理なく立て直すための勉強法。

頑張らなきゃいけないのはわかっているのに、体が動かない…。やる気が出ないのは怠けているからだと思って、自分を責めてしまう…

机に向かっても文字が頭に入らない、気づくと夜中までスマホを見ていて朝がつらい。そんな日が続くと、遅れを取り戻そうとして睡眠を削り、翌日さらに疲れる、という形になりがちです。

疲れ切った日に必要なのは、気合いを入れ直すことより、今日どこまでやるかを決め直し、今夜の睡眠と明日の朝を整えることです。厚生労働省の睡眠ガイドが示す中学・高校生の睡眠時間の目安と、高校生が実際に平日どれだけ眠れているかの統計を手がかりに、疲れの度合いに合わせた今日の勉強の選び方、今夜から明日の朝までの立て直し方、休んでも戻らないときの相談先を順に見ていきます。

本記事の結論
  • 中学・高校生の睡眠の目安は8〜10時間(厚生労働省)。一方、高校生の平日の平均睡眠は7時間19分(令和3年)で目安に届いていない。疲れ切ったときは、まず睡眠が足りているかを確かめる
  • 疲れ切った日は、疲れの度合いで休む・軽い復習だけ・量を減らして続けるの3つから選び、できなかった分を翌日に全部載せない。立て直しは今夜の就寝時刻と明日の起床時刻から
  • 気分の落ち込みや眠れない状態などが2週間以上続くときは、勉強法で解決しようとせず、学校の先生やスクールカウンセラー、公的な相談窓口、医療機関に相談する
本記事を監修する専門家
難波

独学で東北大学医学部に現役合格。塾講師として指導を行う中“塾外の時間”の使い方こそが成績向上の鍵だと気づき、1週間=168時間に着目したオンライン学習管理塾「168塾」を創設。全国の受験生を支援している。

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現在は東北大学大学院加齢医学研究所にて、脳科学と教育を融合させた研究を行うと同時に、東北大学病院 認知症外来で診療に携わる現役医師でもある。学術と現場の両視点から、「自走力を育む学習法」の確立を目指し、受験にとどまらない“生きるための学び”を提唱。

目次

疲れ切ったら最初に確かめること:睡眠が足りているか

遅れているのに寝ていいのかな。睡眠を削ってでも勉強した方がいい気がする…

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、中学・高校生は8〜10時間(小学生は9〜12時間)を参考に睡眠時間を確保することをすすめています。成長期の高校生までは、大人よりも長い睡眠が必要とされています。

では実際にどれだけ眠れているのか。総務省の令和3年社会生活基本調査(2021年10月の連続2日間の記録)では、高校生の平日の睡眠は平均7時間19分で、目安の8時間に届いていません。中学生の平日は8時間03分でした。

令和3年社会生活基本調査による中学生・高校生(在学者)の曜日別の睡眠の平均時間と、厚生労働省の睡眠ガイド2023が示す中学・高校生の推奨の目安8〜10時間の比較。中学生は平日8時間03分、土曜日9時間00分、日曜日9時間30分。高校生は平日7時間19分で8時間に届かず、土曜日8時間38分、日曜日9時間07分。
出典:総務省統計局「令和3年社会生活基本調査」生活時間編 第2-1表(中学・高校の在学者、男女計の総平均時間)、厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」こども版。

高校生は平日に比べて日曜日の睡眠が1時間48分長くなっています。厚生労働省のこども向けの睡眠ガイドは、週末に長く寝る習慣は平日の睡眠不足のサインだとしています。日中の居眠り、勉強や運動に集中できない、すぐイライラする、といった状態も睡眠不足が原因かもしれない、と同じガイドに書かれています。

同じガイドのよくある質問では、勉強時間を取ろうとして睡眠を確保できない高校生について、よく眠ることで集中力が増して学習の効率が上がり、睡眠は学んだ内容を定着させる役割も持つと説明しています。疲れ切ったときに睡眠を削るのは、立て直しとは逆の方向です。

自分の睡眠が足りているかのチェック

ガイドに挙がっている睡眠不足のサインを、自分の1週間に当てはめてみます。リーフレットは、当てはまる項目が多い人に生活習慣や睡眠環境の見直しをすすめています。多く当てはまるなら、勉強のやり方より先に睡眠時間を見直すところから始めます。

  • 平日の睡眠:実際に眠っている時間が8時間に届かない日が多い
  • 休日の寝だめ:休日は平日よりかなり長く寝ている
  • 日中の様子:授業中に居眠りする、勉強や部活に集中できない、すぐイライラする
  • 寝る前の過ごし方:寝る前や布団の中でスマホ・ゲームを使っている
  • 飲み物:コーヒーやエナジードリンクなど、カフェインをよくとる

チェック項目は、厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」こども版のリーフレットに挙がっている内容をもとにしています。

起きる時刻から寝る時刻を逆算する

ガイドは、早起きの習慣を保ったうえで、推奨の睡眠時間から逆算して夜寝る時刻を決めることをすすめています。平日に起きる時刻ごとに計算すると次のとおりです。

起きる時刻8時間眠るなら寝る時刻9時間眠るなら寝る時刻
6時に起きる22時21時
6時30分に起きる22時30分21時30分
7時に起きる23時22時
布団に入ってから眠るまでの時間があるので、実際にはこれより少し早めに布団に入る

夜の勉強がこの時刻を超えてしまうなら、削るのは睡眠ではなく、その日の勉強の量か、寝る前のスマホの時間です。

高校生の勉強時間の実データと、受験までに使える総時間の計算は、勉強時間は1日何時間?高校生の実データと受験までの総時間の計算で詳しく説明しています。

疲れ切った日の勉強は3つから選ぶ

疲れているのに、いつもどおりの計画を全部こなそうとすると、終わらなかった分が自己嫌悪として残ります。今日の状態を見て、次の3つのどれにするかを先に決めます。

疲れ切った日の勉強を今日の状態で3つから選ぶ図。強い眠気がある、読んでも頭に入らない、体調が悪いときは、勉強は休み早めに寝て、明日の朝にやることを1つだけ決めておく。だるいが机には向かえるときは、新しい単元に進まず、復習・音読・覚えた単語の確認など一度やった内容を短い時間だけ。少し疲れている程度なら計画の量を減らして続け、決めた就寝時刻は動かさない。迷ったら軽い方を選んでよい
疲れ切った日の勉強の選び方
今日の状態今日の勉強
強い眠気がある、読んでも頭に入らない、体調が悪い勉強は休み、早めに寝る。明日の朝にやることを1つだけ決めておく
だるいが机には向かえる新しい単元には進まず、復習・音読・覚えた単語の確認など、すでに一度やった内容を短い時間だけ
少し疲れている程度計画の量を減らして続ける。ただし、前の節で決めた就寝時刻は動かさない

休むと決めた日は、勉強をしなかった日ではなく、計画どおり休んだ日として扱います。迷ったときは、より軽い方を選んでかまいません。

疲れている日に向く、負荷の低い学習
  • 音読:すでに読んだことのある英文・古文を声に出して読むだけ。新しい情報を処理する負荷が低く、再開のきっかけになります
  • 暗記の復習(新しい内容は入れない):覚えた単語・用語を確認するだけにして、新しい内容を詰め込まない日を作ります
  • 時間を区切った学習:15分など短い時間を決め、時間が来たらやめてよいことにします。続けられそうなら続けます

疲れてはいないのに、なかなか勉強を始められないときの工夫は、勉強のやる気が出ない時に勉強のやる気を出す脳科学的な方法で詳しく説明しています。

今夜から明日の朝までの立て直し方

疲れから戻すときに手をつけやすいのは、勉強の中身より、今夜の寝方と明日の朝の過ごし方です。厚生労働省の睡眠ガイドがすすめている内容を、順番に並べると次のようになります。

STEP
今夜:就寝時刻を決めて、勉強はそこで切り上げる

前の節の表で決めた時刻を守ります。終わらなかった分は、次のSTEPで翌日以降に振り分けるので、今夜のうちに片づけようとしなくてかまいません。

STEP
寝る前:スマホは寝室に持ち込まない

ガイドは、デジタル機器を寝室に持ち込まず、電源を切って別の部屋に置くことをすすめています。寝そべって画面を見ると寝つきや睡眠の質が悪くなりやすいためです。夕方以降のカフェイン(コーヒー・エナジードリンクなど)も夜の睡眠に影響しやすいとされています。

STEP
明日の朝:いつもと同じ時刻に起きて、光を浴びる

疲れていても、起きる時刻は大きく遅らせないようにします。ガイドは、登校時や学校で日光を十分に浴び、週末も普段と同じ時刻に起きて日光を浴びることをすすめています。朝食もとります。

STEP
明日の計画:できなかった分を全部は載せない

やり残した分を翌日にそのまま足すと、その日も終わらず、また夜が遅くなります。翌日は通常の量に戻すだけにして、残りは週末や1週間の中の空いている時間に振り分けます。

休日の寝だめで取り戻そうとしない

ガイドの成人向けの節では、平日の睡眠不足を休日の長い睡眠で取り戻す寝だめでは、実際には眠りをためることはできないとしています。寝だめのために休日の起床時刻が大きく遅れると、体内時計が乱れて時差ぼけのような状態になる、とも説明しています。こども向けの節でも、休日に起床時刻を遅らせると朝に光を浴びられず、睡眠のリズムが後ろにずれやすくなるとしています。

休日も平日と大きく変わらない時刻に起き、足りない分は平日の就寝時刻を早めて補うのが、ガイドに沿った立て直し方です。

1週間の中に予備の時間を入れた計画の作り方は、【大学受験】勉強計画の立て方ガイド〜目標達成のための5ステップ〜で詳しく説明しています。

休んでも戻らないときは、勉強法ではなく相談を

数日しっかり眠っても疲れが抜けない、気分の落ち込みが続くといったときは、勉強のやり方の問題ではないかもしれません。厚生労働省の10代・20代向けのサイト「こころもメンテしよう」は、うつ病の特徴として9つの症状を挙げ、そのうち5つ以上(1日中続く暗く悲しい気分か、好きだったことが楽しめないのどちらかを含む)が2週間以上続いた場合はうつ病の可能性がある、としています。主なサインは次のとおりです(原文は9項目)。

  • 気分:暗く悲しい気分が1日中続く、好きだったことが楽しめない
  • 眠り・食事:毎日眠れない、または寝過ぎてしまう。食欲がない、または食べ過ぎる
  • 体と頭:疲れやすく元気がない、集中できず物事を決められない
  • 考え:自分が役に立たないと感じる、将来に希望が持てない

このリストで自分を診断することはできません。同じページは、これまでできていたことができなくなっているなら一人で抱え込まず、家族やスクールカウンセラーなど信頼できる人に今の苦しさを話すこと、こころの専門家の助けを受けることをすすめています。気になるときは相談につなげてください。

睡眠ガイドのこども向けリーフレットも、睡眠の習慣を改善しても眠りの問題が続く場合は、医療機関や保健所などに相談するようにすすめています。

相談できるところ

相談先どんなところか
学校担任の先生、保健室の先生、スクールカウンセラー。まず身近な大人に話すところから
24時間子供SOSダイヤル0120-0-78310(文部科学省)。夜間・休日も含めて24時間、子供や保護者が相談できる。原則として、かけた場所の教育委員会の相談機関につながる
こころの健康相談統一ダイヤル0570-064-556。かけた地域の都道府県・政令指定都市の公的な相談機関につながる。受付時間は地域によって違う。050で始まるIP電話からはつながらない
医療機関かかりつけ医や小児科など。眠りの問題が続くときは睡眠外来も
出典:文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」、厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談の案内、厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」こども版

電話が苦手なら、厚生労働省のまもろうよ こころにSNSやチャットで相談できる窓口がまとめられています。受験より、体と心の回復を先にしてかまいません。

頑張れない日のペースを一緒に立て直すなら168塾

168塾は1週間168時間の使い方を設計し、勉強・生活・睡眠まで一体で管理するオンライン塾

疲れ切った日にどこまでやるかを決め直し、できなかった分を翌週の計画に振り分け直す作業は、疲れているときほど一人では後回しになりがちです。睡眠時間を守ったうえで回せる量に計画を組み直す相手がいると、立て直しの判断を一人で抱えずに済みます。

168塾は、志望校から逆算して毎日やるべきことを決め、合格までの学習を伴走・管理するオンライン塾です。

  • 毎日の進捗管理+週1回の面談:学習アプリで毎日の勉強を報告し、コーチがフィードバック。週1回の面談で1週間の計画を立て直します
  • 全科目の質問をチャットで24時間送れる:参考書や過去問の質問も学習アプリからいつでも送れて、回答は遅くとも翌日に返ってきます
  • どちらのコースも全科目に対応:科目ごとの契約ではなく、定期テストから受験まで学習全体をまとめて見ます
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疲れて勉強できないときのよくある質問

勉強時間が足りないとき、睡眠を削るのはだめですか?

厚生労働省の睡眠ガイド2023は、中学・高校生は8〜10時間を参考に睡眠時間を確保することをすすめ、よく眠ることで集中力が増して学習の効率が上がり、睡眠は学んだ内容の定着にも役立つと説明しています。削るなら、寝る前のスマホの時間やその日の勉強の量から見直します。

1日何もできなかった日は取り戻すべきですか?

翌日にそのまま上乗せすると、その日も終わらず夜が遅くなりやすくなります。翌日は通常の量に戻し、残りは週末や1週間の中の空いている時間に振り分けます。

休日にたくさん寝れば疲れは取れますか?

こども向けの睡眠ガイドは、週末に長く寝る習慣は平日の睡眠不足のサインだとしています。成人向けの節でも、寝だめで眠りをためることはできないと説明されています。休日も起きる時刻は平日と大きく変えず、平日の就寝時刻を早める方向で調整します。

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