東大文系の逆転合格を目指す勉強計画|合格最低点と配点から2次の必要点を逆算【2027年度】

東大を目指したいけれど、今の成績では届かない気がする…

模試の判定が届いていないと、何から手をつければよいか分からなくなります。けれど東大文系の入試は、共通テストを110点に換算し、第2次学力試験の440点と足した550点で合否が決まる仕組みです。どの試験で、何点くらいの差を埋めればよいのかは、公表されている数字からかなり具体的に計算できます。

ここでは、東京大学が公表している文科各類の合格者の最低点・平均点(2023〜2026年度)と第1段階選抜の結果、2027年度入試の配点を使い、自分の共通テストの点から2次で必要な点を逆算する方法と、それを週ごとの計画に落とす手順を説明します。

本記事の結論
  • 文科各類の合格者の最低点は、2023〜2026年度で550点満点の316.3〜343.9点(58〜63%)。同じ科類でも年度で最大24点ほど動くので、過去の1つの数字を安全圏の基準にしない
  • 共通テストは110点に圧縮されるが、志願者が募集人員の約2.5倍に達すると第1段階選抜がある。2025年度の第1段階の最低点は1,000点満点で717〜774点だった
  • 逆転できるかは一律には決まらない。合格者最低点−自分の共通テスト換算点=2次で必要な点を出し、4科目440点のどこで点を積むかを模試と過去問の答案から決める
本記事を監修する専門家
難波

独学で東北大学医学部に現役合格。塾講師として指導を行う中“塾外の時間”の使い方こそが成績向上の鍵だと気づき、1週間=168時間に着目したオンライン学習管理塾「168塾」を創設。全国の受験生を支援している。

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現在は東北大学大学院加齢医学研究所にて、脳科学と教育を融合させた研究を行うと同時に、東北大学病院 認知症外来で診療に携わる現役医師でもある。学術と現場の両視点から、「自走力を育む学習法」の確立を目指し、受験にとどまらない“生きるための学び”を提唱。

目次

2027年度入試の東大文系:配点・科目・日程

2027年度(令和9年度)の文科各類の配点は次のとおりです。550点のうち440点、8割を第2次学力試験が占めます。

試験・教科文科各類の配点
大学入学共通テスト1,000点を110点に換算
第2次:国語120点(150分)
第2次:数学80点(100分)
第2次:地理歴史120点(2科目で150分)
第2次:外国語120点(120分)
合計550点(共通テスト110点+第2次440点)
出典:東京大学「令和9(2027)年度東京大学入学者選抜要項」

共通テストで受ける科目と出題範囲

教科科目と配点(1,000点)
国語国語 200点
地理歴史・公民『地理総合,地理探究』『歴史総合,日本史探究』『歴史総合,世界史探究』『公共,倫理』『公共,政治・経済』から2科目 200点(公民どうしの2科目は不可)
数学『数学Ⅰ,数学A』と『数学Ⅱ,数学B,数学C』 200点
理科『物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎』(4つの出題範囲から2つ)、または『物理』『化学』『生物』『地学』から2科目(200点を100点に換算) 100点。両方を受けるときは基礎の科目を第1解答科目にする(逆だと第2次学力試験を受けられない)
外国語英語など1科目 200点(英語はリーディング140点・リスニング60点に換算)
情報情報Ⅰ 100点

出典:東京大学「令和9(2027)年度東京大学入学者選抜要項」。出願前には、2026年11月中旬に公表予定の入学者募集要項で条件を確かめてください。

2027年度は文科各類の募集人員が減る

科類募集人員(2026年度→2027年度)
文科一類401人→387人
文科二類353人→341人
文科三類469人→453人
出典:東京大学「令和8(2026)年度東京大学入学者募集要項」参考3、「令和9(2027)年度東京大学入学者選抜要項」

文科各類はいずれも12〜16人の減少です。倍率や合格者最低点がどう変わるかは、大学は示していません。

2027年度入試の日程

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2026年11月中旬:入学者募集要項の公表

出願の手続きや提出書類は、この募集要項で確定します。

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2027年1月16日・17日:共通テスト

東京大学は過年度の共通テストの成績を使わないため、浪人生も2027年の共通テストを受ける必要があります。

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1月25日〜2月3日:出願

前期日程は6つの科類のうち1つにだけ出願できます。

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2月10日:第1段階選抜の合格者発表

志願者が募集人員の約2.5倍に達した科類では、共通テストの得点で2次に進む人が決まります。

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2月25日・26日:第2次学力試験

25日に国語・数学、26日に地理歴史・外国語。試験場は駒場Ⅰキャンパスです。

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3月10日:合格者発表

正午ごろ、東京大学のウェブサイトに受験番号が掲載されます。

共通テストと国公立・私立の出願・試験の流れは、大学受験の日程|共通テスト・国公立・私立・推薦の流れ【2027年度】で詳しく説明しています。

合格者の最低点と平均点:2023〜2026年度

東京大学一般選抜(前期日程)の文科一類・二類・三類の合格者の最低点と平均点(550点満点)を2023〜2026年度で比べた図。文科一類は2023年度 最低点343.9点・平均点371.4点、2024年度 最低点331.0点・平均点357.9点、2025年度 最低点336.3点・平均点359.7点、2026年度 最低点325.0点・平均点352.8点。文科二類は2023年度 最低点342.4点・平均点368.9点、2024年度 最低点332.2点・平均点357.0点、2025年度 最低点332.2点・平均点355.8点、2026年度 最低点330.5点・平均点353.9点。文科三類は2023年度 最低点340.3点・平均点363.9点、2024年度 最低点331.1点・平均点353.2点、2025年度 最低点321.9点・平均点344.1点、2026年度 最低点316.3点・平均点339.2点。
出典:東京大学「令和8(2026)年度東京大学入学者募集要項」別紙4(2023〜2025年度)、「東京大学 大学案内2027」入試データ(2026年度、小数第1位までの公表値)。2023〜2025年度は小数第2位を四捨五入して表示。
一般選抜(前期日程)、共通テスト換算110点+第2次440点の550点満点。横軸は300〜380点を拡大。2024年度までは共通テスト900点満点、2025年度からは1,000点満点を110点に換算。

文科各類の合格者の最低点は、4年間とも316.3〜343.9点の範囲で、550点満点のおよそ6割でした。最低点と平均点の差は22〜28点です。

一方で、同じ科類でも最低点は年度によって動きます。文科一類は343.9点(2023年度)から325.0点(2026年度)、文科三類は340.3点から316.3点まで、4年間で19〜24点の幅がありました。過去の最低点を1つ選んで、これを取れば受かると考えるのではなく、数年分の幅で目標を置きます。

2026年度の入学者募集要項では、別紙に過去3年分の合格者最高点・最低点・平均点が載っています。2027年度の要項(11月中旬公表予定)にも同じ別紙があれば、2026年度の値を小数第4位まで確かめられます。

第1段階選抜:共通テストは110点でも後回しにできない

共通テストは110点しかないなら、2次の勉強だけしていればいいのでは?

合否の計算では、共通テストの1,000点は110点に換算されます。ただし、その前に第1段階選抜があります。志願者が募集人員に対して一定の倍率に達した科類では、共通テストの得点(1,000点満点)で2次を受けられる人を決めます。2027年度の倍率は文科各類とも約2.5倍です。

項目内容
2025年度の志願者1,139人(募集人員の2.8倍)
2025年度の第1段階の最低点717点(1,000点満点)
2026年度の志願者1,229人(募集人員401人)
2026年度の第1段階合格者1,004人

出典:東京大学「令和8(2026)年度東京大学入学者募集要項」別紙3・別紙4(2025年度)、「東京大学 大学案内2027」入試データ(2026年度)。2026年度の第1段階の最低点は、東京大学の公開資料では確認できません。2024年度までは共通テストが900点満点で、2024年度の文科一類・二類と2023年度の文科三類は第1段階選抜を行っていないため、2025年度と同じ表には並べていません。

2025年度は、文科三類で774点(7割7分強)に届かなかった志願者は2次を受けられませんでした。共通テストは、合否の点数としては小さくても、2次に進むための条件になります。第1段階の最低点は、その年の志願者数と共通テストの難しさで変わるため、毎年の結果を見て見込みを立ててください。

自分の点数から逆算する:2次で何点必要か

合否は550点の合計で決まるので、共通テストの見込み点から、2次で取るべき点を計算できます。

STEP
共通テストの得点を110点に換算する

共通テストの得点を東京大学の配点(英語はリーディング100点×1.4+リスニング100点×0.6など)に直した1,000点満点の合計×0.11が換算点です。800点なら88.0点、900点なら99.0点になります。リスニングを免除された場合などの扱いは選抜要項で確かめてください。

STEP
目標にする合計点を決める

志望科類の合格者最低点を数年分見て、幅の上のほうに目標を置きます。

STEP
2次で必要な点を出す

目標の合計点−共通テストの換算点=2次(440点満点)で必要な点です。

STEP
4科目に割り振る

国語120・数学80・地理歴史120・外国語120のうち、模試や過去問の答案で点が安定している科目と、伸ばせる科目を分けて、科目ごとの目標を決めます。

共通テスト(東大の配点に直した後)換算点2次で必要な点
750点82.5点253.8点(440点の57.7%)
800点88.0点248.3点(440点の56.4%)
850点93.5点242.8点(440点の55.2%)
900点99.0点237.3点(440点の53.9%)
計算例:2025年度の文科一類の合格者最低点336.29点に届くための2次の点。年度ごとの最低点の幅は考えていない

この計算から分かるのは、共通テストの100点の差は、合計では11点の差にしかならないことです。750点と900点では共通テストで150点違っても、2次で必要な点の差は16.5点です。共通テストで第1段階を越える点が見込めるなら、勉強時間の配分を2次の440点に寄せる判断がしやすくなります。

ただし、最低点は上の図のとおり年度で10点以上動くので、計算した点ちょうどを目標にせず、余裕を持たせてください。

現在地は、模試の判定と答案を分けて確認する

2次で必要な点が出たら、今の自分との差を科目ごとに見ます。判定のアルファベットより、どの試験の、どの問題で失点しているかが計画の材料になります。

確認するもの見るポイント
模試の成績表科目別の得点と、共通テスト・2次それぞれの換算点。前回からの変化
実際の答案知識不足、方針、記述、時間配分のどこで失点したか
学習記録計画した内容と、実際に取り組めた内容の差
学校や生活の予定平日・休日に確保できる現実的な学習枠
前年の本番の成績(浪人生)東京大学のウェブ成績照会で、2次の科目別得点・総得点を確かめられる(2026年度入試では4月1日〜30日)

例えば数学の失点でも、基本事項を知らない場合と、方針は立ったのに答案を書き切れない場合では対策が違います。数学が苦手の一言でまとめず、次に直す問題を具体的に選びます。

科目ごとの優先順位:配点と試験時間から考える

2次の4科目は配点も試験時間も違います。1点あたりにかけられる試験時間で見ると、数学は80点に100分、外国語は120点に120分です。どこで点を積むかは人によって違いますが、次の観点で科目ごとの課題を分けると、手をつける順番を決めやすくなります。

英語・国語は、答えの根拠を言葉にする練習を

英語は120分で120点です。語彙や一文の構造を確認しつつ、設問に合う答えを時間内に作る練習を組み合わせます。和訳・要約・英作文などを同じ長文が苦手で片付けず、答案ごとに課題を分けてください。英語は試験の一部に30分程度の聞き取り試験があるので、リスニングも他の学習に押し出されないように、継続する枠を確保します。

国語は150分で120点です。現代文・古文・漢文を分け、知識の不足と読解・記述の課題を確認します。解説の表現を覚えるだけでなく、本文のどこから何を読み取り、設問に合わせて何を書くかを説明してみましょう。自己判断が難しい記述は、学校の先生などに確認を依頼します。

数学・地歴は、学習範囲と答案の作り方を確認

数学は100分で80点です。文科各類の出題範囲は数学Ⅰ・Ⅱ・Aの全範囲に、数学Bの数列・統計的な推測、数学Cのベクトルが加わります。古い参考書ルートや配点表だけで範囲を決めないようにしましょう。基本的な計算と解法の理解を固めながら、方針と途中経過を答案に残す練習をします。

地理歴史は日本史探究・世界史探究・地理探究から2科目を、合わせて150分で解きます(120点)。用語の知識に加え、背景・因果関係・比較を説明できるかを確認します。2科目の一方を後回しにせず、それぞれの進度を見えるようにしておくことが大切です。

過去問と週間計画:復習の時間まで先に決める

過去問は、年度を消化するより復習まで計画する

東京大学のウェブサイトでは、第2次学力試験の問題が直近3年分公開されています。初めは現在の課題を知るために取り組み、解けない問題があっても、未習分野か既習分野のつまずきかを分けます。演習では制限時間と使った時間を記録し、採点後はどの復習をすれば次の答案が変わるかを考えましょう。解いた翌日に確認する枠も、先に確保してください。

週間計画は、基礎・答案練習・復習を分けて作る

  • 毎日の短い枠:英単語、古文単語、前日の間違いの確認、リスニング
  • まとまった枠:数学の答案、英作文、地歴の論述など
  • 演習後の枠:採点、失点原因の整理、必要な基礎へ戻る
  • 週末の見直し:未完了の原因を確認し、翌週の量を調整

計画には予備の時間も残します。予定が崩れた分を翌日に全部足すと、復習が削られがちです。優先順位の低い新規演習を減らすなど、何を残し、何を調整するかを決めてください。

受験日までに使える総時間の出し方は、勉強時間は1日何時間?高校生の実データと受験までの総時間の計算で計算できます。

目標から月・週・日の計画に落とす一般的な手順は、【大学受験】勉強計画の立て方ガイド〜目標達成のための5ステップ〜で説明しています。

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東大文系の入試についてよくある質問

東大文系の合格最低点は何割くらいですか?

2023〜2026年度の文科各類の合格者最低点は、550点満点で316.3〜343.9点、およそ6割でした。科類と年度で変わるので、数年分の幅で見てください。

共通テストで何点取れば2次を受けられますか?

決まった点はありません。志願者が募集人員の約2.5倍に達した科類で第1段階選抜があり、その最低点は年度で変わります。2025年度は文科一類717点、文科二類725点、文科三類774点(1,000点満点)でした。

文科一類・二類・三類は併願できますか?

できません。前期日程は6つの科類のうち1つにだけ出願でき、複数の科類に出願するとどの科類も受験できなくなります。

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