やばい、受験が近づいてくる…
入りやすくて就職がいい大学はないの?
そんなあなたのために、関西2府4県の「偏差値が低い割に就職が良さそうな大学」を調べました。まだ今からでも間に合う、就職できそうな大学はあります!ただし学部の特徴をよく知ってから進学してくださいね!
・実就職率と偏差値には大した相関はない
・実就職率が高くて偏差値が低い大学をピックアップ
・ただし学部の特性を把握して進学しよう

東北大学教育学部を在学中、「学習管理塾|168塾」および「東北大専門塾Elevate」 を創業し、現在は株式会社shared 代表。これまでに200名以上を指導し、旧帝大・医学部合格者を多数輩出。
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大学を出た後の就職の良さを示す指標のひとつ「実就職率」

この記事で利用する「実就職率」という指標について解説します。よく耳にする「就職率」との違いに注意してください。
実就職率とは
大学選びをする際に「この大学を出たら就職はどうなるんだろう」と不安になることは自然なことです。特に受験まであまり時間が残っておらず、今から偏差値を大きく上げるのは難しい場合などは、現実的に「就職に強い大学」を知っておくのはとても大切なことでしょう。
その判断材料のひとつになるのが「実就職率」という指標です。
実就職率とは、大学通信ONLINEで採用されている就職の指標で、
実就職率(%)=就職者数 ÷(卒業生数 - 大学院進学者数)×100
で定められるものです。
これは、進学者を除いた卒業生全体に対して、どれだけの人が就職したかを示す割合です。
一方、文部科学省が推奨している「就職率」は、「就職希望者数に対する就職者の割合」です。
就職率(%)=就職者数 ÷ 就職希望者数 × 100
実際、各大学の広報資料などで見かける「就職率98%」などといった数字は、文科省方式の計算であることがほとんどです。
「就職率」では、大学院進学者だけでなく、公務員試験の受験準備に入る人、自営業に就く人などは就職希望者に含まれません。また、フリーター志望や就職浪人など「就職を希望しない」と判断された学生も除外されます。

つまり、就職する気がある人だけで計算するため、数字は実態よりも高く出やすいのです。しかも「就職希望者かどうか」は学生の自己申告に依存するため、大学側の解釈次第で統計にバラつきが生じる可能性もあります。
このような理由から、文科省方式の就職率では、進路状況が正確に見えにくくなりやすいという課題があるのです。
そのため「大学卒業後、すぐ就職しているかどうか」という視点で見るには、文科省の就職率よりも実就職率のほうが、客観的で現実に近い数値だと言えます。



特に進路に迷っている今の時期には、大学選びの参考として実就職率に目を向ける価値は十分にあるでしょう。
実就職率が低いからといってダメなわけではないが
実就職率は大学選びの参考にはなりますが、「実就職率が低い大学=良くない大学」と決めつけてはいけません。なぜなら、就職以外にもさまざまな進路があり得るからです。
たとえば、起業を目指す人は、新卒で企業に就職する道をあえて選ばないケースがあります。
また、公務員試験にチャレンジ中で就職活動を一時的に行っていない人もいれば、芸術・スポーツ・音楽といった専門分野でフリーランスの道を進む人もいます。家業を継ぐために就職活動をしていない人も含まれるでしょう。
つまり、実就職率が低めであっても、それがその大学や学部の「質の良し悪し」を示しているとは限らないのです。あくまで「新卒で企業に就職した人の割合」を見ている指標であることを理解し、数字だけにとらわれず、その背景にある進路の多様性にも目を向けるようにしてください。
起業などを考えないなら参考にしてよい指標
とはいえ、起業や家業の継承、公務員試験にチャレンジなどといった進路は(分野にもよりますが)比較的珍しいケースです。このようなケースに当てはまらない場合、多くの人は卒業後に企業や官公庁への就職を目指すのが普通でしょう。
もし、あなたが「特別な進路を考えているわけではない」「とりあえず就職できる大学を探したい」と思っているのであれば、実就職率はとても有効な判断材料になります。
関西地方の実就職率のいい大学、偏差値は?


ここからは、実際に関西地方にある大学を対象に、「実就職率」と「偏差値」の関係を見ていきます。就職に強い大学と聞くと、どうしても偏差値の高い大学ばかりを思い浮かべてしまうかもしれませんが、実際はそうでもありません。ではデータを見ていきましょう。
一覧表
大学通信ONLINEが公表している実就職率データ(2024年版)と、河合塾が公表している学部ごとの偏差値(2025/1/22更新版)を合わせました。
偏差値には入試方式などで幅がありますが、河合塾が公表している数値のうち一番低い値を採用しています。
関西2府4県(大阪・京都・兵庫・奈良・和歌山・滋賀)の大学のみを取り出すと、有効なデータが59件得られ、そのうち実就職率が高いトップ20学部は以下のようになりました。黄色で示した3つの学部については後ほど詳しく触れます。
大学・学部 | 偏差値 | 実就職率(%) |
---|---|---|
関西国際大学・保健医療学部 | 35 | 98.9 |
大阪工業大学・工学部 | 42.5 | 98.9 |
京都医療科学大学・医療科学部 | 42.5 | 98.8 |
大和大学・政治経済学部 | 52.5 | 98.3 |
大和大学・理工学部 | 50 | 98.2 |
武庫川女子大学・食物栄養科学科 | 42.5 | 98.0 |
武庫川女子大学・経営学部 | 45 | 97.9 |
関西福祉科学大学・健康福祉学部 | 35 | 97.8 |
兵庫大学・看護学部 | 40 | 97.8 |
神戸女子大学・健康福祉学部 | 37.5 | 97.7 |
京都薬科大学・薬学部 | 52.5 | 97.7 |
甲南女子大学・看護リハビリテーション学部 | 40 | 97.6 |
兵庫医科大学・リハビリテーション学部 | 42.5 | 97.6 |
甲南大学・理工学部 | 45 | 97.6 |
神戸女子大学・看護学部 | 47.5 | 97.6 |
龍谷大学・農学部 | 40 | 97.5 |
近畿大学・工学部 | 42.5 | 97.5 |
大阪工業大学・情報科学部 | 40 | 97.3 |
大阪保健医療大学・保健医療学部 | 35 | 97.1 |
兵庫県立大学・看護学部 | 50 | 97.1 |
実就職率がトップの関西国際大学・保健医療学部は偏差値が35と低いですね。その後しばらくは偏差値40台・50台の学部が続きますが、また関西福祉科学大学・健康福祉学部は偏差値が35となっています。
このように、実就職率が極めて高い大学・学部の中にはいくつか、偏差値が低めの学部が混じっているようです。
散布図データ
次に、実就職率と偏差値の関係を散布図で示します。先ほどの表に掲載していない学部も含め、59件のデータ全てを図上に掲載しています。


実就職率と偏差値の相関はない
散布図から一目瞭然ですが、実就職率と偏差値にはほとんど相関関係がありません。
「偏差値が高ければ就職も有利なんじゃないか」となんとなく思っていた人もいるかもしれませんが、実際のデータを見ると、それが誤解だったことに気づくはずです。
むしろ、偏差値がさほど高くない大学の中にも、実就職率が非常に高い大学がいくつも存在します。つまり、卒業後すぐに就職するという進路を考えるなら、偏差値が高くない大学の中にも狙い目が潜んでいるかもしれないということですね。
お待ちかね「偏差値が低い割に実就職率がいい大学」


それでは、偏差値が低い割に実就職率がいい大学についていよいよ見ていきましょう。
散布図で気になる3大学をご紹介
偏差値が低くて実就職率が高い大学・学部は、先ほどの散布図では左上の方に位置します。
左上から3つの大学・学部を取り出すと、以下の通りです。
- 関西国際大学・保健医療学部
- 関西福祉科学大学・健康福祉学部
- 神戸女子大学・健康福祉学部


以下では、これらの学部について特徴を紹介します。
関西国際大学・保健医療学部の特徴
関西国際大学・保健医療学部では、看護師はもちろん、助産師や保健師といった専門職もめざせる教育体制が整っています。看護学科は一学科制で、「看護学専攻」と「看護グローバル専攻」の2つの選択肢があり、それぞれの目的に応じた学びが可能です。
看護学専攻では、地域の大規模病院と連携した実習や、実践力の高い教員陣による丁寧な指導を受けながら、看護の基礎から応用までをしっかり学びます。一方、看護グローバル専攻では、海外研修を通して異文化理解を深めるとともに、語学力と対応力を磨き、国際的な医療現場での活躍を視野に入れることができます。
また、両専攻ともに「多様な人とのかかわり」を大切にしており、医療現場での協働力やマネジメント力の育成にも注力。チーム医療が当たり前になりつつある現代社会に適応できる人材育成が大きな特長です。
関西福祉科学大学・健康福祉学部の特徴
関西福祉科学大学・健康福祉学部は、「こころ」と「からだ」の健康を支えるプロフェッショナルを育てる学部です。2つの学科で構成されており、どちらも高い専門性を誇ります。
健康科学科では、養護教諭(いわゆる保健室の先生)や企業で働く人々の健康をサポートする専門家の育成に力を入れています。1年次から教員の手厚い支援を受けられる体制が整っており、養護教諭と第一種衛生管理者のダブル資格取得も可能。心身両面のケアができる人材を目指す人にはぴったりの学びです。
福祉栄養学科では、子どもから高齢者まで、あらゆるライフステージに対応できる管理栄養士の育成を行っています。特に注目したいのは、ワイン醸造プラントを活用した教育プログラム。これは管理栄養士養成施設としては全国でも非常に珍しく、酵母や発酵の仕組みを実践的に学べる環境が用意されています。
どちらの学科も、「健康」「食」「福祉」というこれからの時代に欠かせないテーマに関心がある人には、大きな魅力のある学び場です。
神戸女子大学・健康福祉学部の特徴
神戸女子大学・健康福祉学部は、国家資格を多数めざせる実践的な学びが特徴で、「社会福祉学科」と「健康スポーツ栄養学科」の2学科があります。
社会福祉学科では、社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士といった資格の取得を目指すことができ、それぞれに応じた実習も充実しています。特に、兵庫県で唯一、介護福祉士を養成できる大学である点は注目に値します。高い国家試験合格率を維持しており、福祉の現場で即戦力となる人材育成が進められています。
健康スポーツ栄養学科では、「栄養と運動」の両面から人の健康を支える力を養います。たとえば、栄養指導に加えてスポーツ科学や運動生理学、心理学なども学び、アスリートや高齢者へのサポートにも対応できる力を身につけます。中高の保健体育教員免許も取得可能で、教育・スポーツ・医療の3つの領域にまたがる活躍が期待されます。
さらに、プロスポーツチームや甲子園常連校との連携インターンシップなど、現場での実践力を育てる機会も豊富。「スポーツ×健康×栄養」に関心のある人には最適な学科です。
偏差値や実就職率の小さな差より「何を学びたいか」を重視しよう


ここまで、関西の大学で実就職率と偏差値の関係をデータに基づいて見てきました。実就職率は、就職に向けた大学のサポート体制や実績を推測するうえで参考になり、「偏差値が高くなくても就職に強い大学はある」という事実は、今まさに進路に悩んでいるあなたにとって、安心材料のひとつになったかもしれません。
ただし、この記事で紹介した大学や学部が、すべての人にとってベストな進学先とは限りません。偏差値や実就職率といった数字は、年によって、あるいは集計方法によって少しずつ変動するものですし、何よりも大切なのは、あなたが大学で何を学びたいのかという思いです。
看護、福祉、栄養、教育、スポーツ…今回紹介した学部には、それぞれ専門的な学びがあります。それぞれの専門分野に興味がなければ、せっかく大学に入っても退学してしまう危険性もあります。卒業後のことも考えると、やはり「この分野を学びたい」「この仕事を通して人の役に立ちたい」という気持ちが、その後の人生に力を与えてくれるはずです。
受験が近づき、焦る気持ちもあるかもしれません。でも、今からでも十分間に合います。実就職率や偏差値といった数字にとらわれすぎず、自分に合った大学、自分の興味にぴったりの学びを見つけてください。進路は「誰かにとっての正解」ではなく、「あなたにとって納得できる選択」であれば、それが正解です。
あなたの進む道が、実りあるものになりますように。応援しています!
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