進学塾と学習塾ってどう違うんだろう?
うちの子にはどっちが向いているのかな?
そんな風に塾選びで迷われている方はぜひお読みください。
本記事では、進学塾と学習塾のそれぞれの特徴や違い、お子さんのタイプごとの向き不向きを解説します。
・進学塾は学校進度を気にせず、入試問題の攻略に重点を置く。
・学習塾は学校進度にあわせて、定期テストの点数を重視する。
・両方の特徴を合わせもつ総合型の塾もある。
東北大学教育学部在学中に起業。現在はオンライン個別指導塾168塾の運営を行う。
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1年間の予備校浪人生活を経た後、東北大学教育学部に入学。ベンチャー企業2社で実務経験を積んだ後、浪人時に感じた大手予備校への違和感を基に、「168塾」の立ち上げ・運営。
進学塾と学習塾とは?塾の種類について解説
一口に「塾」と言っても様々な特徴をもった塾があります。この記事では主に進度や学習レベルに注目した区分をご紹介します。
進学塾とは
進学塾とは、塾生の通う学校とは無関係に、塾独自のカリキュラムで学習を進めていく塾です。
特に難関校の入試対策に特化するため、入試の日付・レベルから逆算した指導をしています。そのため一般的に単元消化のペースは速く、扱う問題のレベルも高いものとなります。
定期テスト対策はあまり重視されていません。「日頃の塾の問題が解けるようになっていれば、おのずと学校のテスト問題ぐらい解けるでしょう」というスタンスの塾が多いです。
学習塾とは
学習塾とは、近隣の学校進度に合わせたスピードで進む塾です。
大きく分けると予習型と復習型に分類されます。
- 予習型
-
学校より少しだけ先の単元を扱う塾。
塾で習った内容がもう一度学校で出てくるので学校が復習という位置づけになり、効率的に学習が進みやすいです。 - 復習型
-
学校より少しだけ遅れて単元を扱う塾。
学校で分からなかったことも塾で後から取り戻せるという特徴があります。ただし「学校のやり方」を覚えてしまったあとに「塾のやり方」を覚え直すのは難しいという問題点はあります。
総合型の塾とは
進学塾と学習塾はクッキリ分かれるものではなく、1つの塾内に2つのコースを合わせもつ塾もあります。
また、低学年では学校進度にある程度合わせつつも、受験学年になるにつれて学校進度から離れて受験レベルを意識した指導にシフトチェンジしていくような塾も。
このような塾を本記事では「総合型の塾」と呼ぶことにします。
進学塾のメリット
学校の単元順序を気にしない効率的なカリキュラムが組まれている
進学塾は学校の進度を考慮しませんので、学校とは異なる順序で単元を消化していくことが可能です。
例えば中学英語においては、中1の後半でcanや過去形を学び、中2になってからwillを学ぶのが教科書の順序です。しかし塾によってはcanのすぐ後にwillを学ぶというように、効率的な順序の研究がなされています。
そのため、進学塾での指導を吸収できれば普通よりも速く学習を進められます。
難関校に向けたカリキュラムがしっかりしている
難関校のレベルや出題傾向にあわせて、どの時期にどんなレベルの問題を解けるようにするかという計画をしっかり立てているのが進学塾です。
3年分のカリキュラムを生徒や保護者が1人で作成するのは至難の業です。進学塾に通うだけでペースを作って引っ張っていってもらえるというのは大きなメリットと言えます。
学力の高い同級生から刺激を受けられる
進学塾に通う生徒は一般的に学力が高く、また勉強へのモチベーションも高いことが多いです。
さらに大手塾の場合、複数の都道府県にまたがるような広域エリアに教室を展開しているため、塾内模試などで他県の優秀な生徒の存在を身近に感じられます。
中学生ぐらいの年齢では「クラスで○○番」とか「校内で○○番」という小さなコミュニティでの序列が気になってしまうのが普通です。ここで「県内」とか「日本」というスケールを感じられるのは将来にとって大きなプラスです。
受験情報が豊富
進学塾は受験に関する様々な情報を豊富に持っています。
例えば○○高校を目指すために必要な内申点や偏差値はどの程度か、といったこと。
あるいは○○大学への指定校推薦のある高校はどこか、といったことです。
入試には情報戦という側面もありますので、このような情報を多数提供してくれる進学塾の存在は心強いでしょう。
進学塾のデメリット
授業進度が速い
進学塾の授業進度の速さは、ついていけないお子さんにとってはデメリットとなります。
中学や高校までの学習は「積み上げ型」といって、今の単元を理解するには前の単元を理解しておかねばならない仕組みです。例えば英語の過去形を理解するにはまず現在形を、という具合です。
したがって授業進度についていけないお子さんは、時間が経つほど理解できないことが増えていってしまいます。
これを補うには、個別指導タイプの塾を併用する、または進学塾から学習塾へ転塾するなどという方法が考えられます。
指導が厳しい
進学塾は一般的に指導のトーンが厳しいことが多いです。
厳しい口調で塾生を叱咤して危機感を抱かせるとか、たくさんの宿題を出すなどです。
宿題がとても多いので、学校の授業中にも塾の宿題をしなければ提出が間に合わないなどという事例もあります。
そういった厳しい指導は合う子と合わない子がいますので、あまりにも精神的・肉体的にしんどいようであればやはり転塾を検討する必要もあるでしょう。
定期テストの準備は自力でしないといけない
進学塾は学校の定期テストにはあまり注意を払ってくれません。そのため、定期テスト前にテスト対策授業がなかったり、あっても簡素だったりすることが多いです。
そのため、よい内申点を取るためには自分でテスト対策の計画を立てて勉強しなければならないこともあるでしょう。
ただし進学塾の学習ペースは学校より速いわけですから、進学塾での学習内容をきちんと理解していれば、あとはその復習をするだけで学校のテスト対策を兼ねられるという側面はあります。
難関校を目指すのであれば「テスト前は学校のワークでテスト勉強」という常識にとらわれず、「今までの勉強を復習すればテスト勉強になる」という観点を手に入れる必要はあるかもしれません。
学習塾のメリット
学校進度に合わせてくれる
学習塾の一番のメリットは、学校進度に合わせた授業をしてくれるという点です。
これは決して出来の悪い子に合わせるという意味ではありません。
そうではなく、塾で習ったことをすぐ学校で試せるとか、学校で未消化だった部分をすぐ解消できるという点が、復習・定着の観点から有効なのです。
進学塾の場合は、塾で勉強したことを学校で試すまでに期間が空いてしまうので、内容を忘れてしまうことがあります。学習塾の場合はその心配が少ないですね。
定期試験対策に力を入れてくれる
内申点が必要な公立高校入試や、大学入試であっても推薦入試(学校推薦型・総合選抜型)を考える場合は、定期テストで毎回いい点を取る必要があります。
一人で勉強していると、テスト前は提出課題に追われてテスト勉強まで手が回らないなどといったこともあります。
しかし学習塾のテスト対策に参加すれば、短時間で課題が片付き、さらにテストに出そうな問題の演習も済むでしょう。
自分に合ったレベルの指導を受けやすい
学習塾には個別指導タイプの塾も多いです。
個別指導であれば今まで取りこぼしてきた単元の指導を受けることも可能です。問題レベルも自分の理解スピードに合わせて選んでもらえますので、モチベーションが続きやすいでしょう。
学習塾のデメリット
難しい問題を解く機会が少ない
個別指導の場合のメリット「自分に合ったレベルの指導を受けやすい」という点は、裏返すとそのままデメリットにもなります。
集団授業の塾であっても、学校の進度に合わせて授業をすると、どうしても問題レベルは学校の定期テストレベルになりがちです。
どちらの場合も難関校に出題されるような難しい問題を解く機会が少なくなり、進学塾に通う子と差が生じやすいです。
模試などで自分の位置づけを把握しづらい
塾によっては模試をあまり実施していない場合もあります。
その場合、学校内での定期テストはまあまあ取れていても、果たして入試ではどうなのかが実感として分かりづらくなります。
もし通っている学習塾で模試が行われていないようなら、近隣の別の塾で模試だけ受けさせてもらうなどの対応をした方がよいでしょう。
進学塾に向いている子はどんな子?
進度が速くても理解できる子
進学塾のメリットを活かすには、当たり前ではありますが、そのスピードについて行けることが大前提となります。
逆に進学塾のスピードについて行ける子は、学校の進度だと遅すぎて退屈するかもしれません。そのぐらいの理解力がある子は進学塾に向いていると言えるでしょう。
地域最難関校を目指す子
高校受験で県内最難関と称されるような高校を受験するとか、大学受験なら東大を本気で考えているなどという場合は進学塾がいいでしょう。
少し厳しい言い方になりますが、最難関校に進学するなら学校進度ぐらいのことは自分で対処できなければなりません。最初から受験を目標にして進学塾のカリキュラムをこなすのがおすすめです。
知識や理解の不足を自分で補える子
進学塾の授業は難易度が高いため、時間内に全てを理解しきれないことも多くあります。
そんなとき分からなかったところをそのままにせず、次の授業までに自力で練習するなどして追いつける子にも進学塾はおすすめです。
自分ではどうしてもやる気が出なかったりやり方が分からない子は、進学塾のサポートをしてくれる別の塾(個別指導やコーチングの塾など)を利用するのも手です。
学習塾に向いている子はどんな子?
学校の授業で分からないことが多い子
学習塾の一番の特徴は、学校進度に合わせて単元を進めてくれるところ。
したがって、学校で授業を受けるだけだと理解しづらい場合には学習塾がおすすめです。
学校の授業が分からないのはお子さんの能力が低いのではなく、先生との相性が悪いだけのことも多いのです。自分に合った方法で教えてくれる塾に出会えば一気に理解が進むことはよくあります。
生活の大部分を占める学校生活を、ずっと「授業が分からない」と沈んだ気持ちで過ごすのか、「これ塾で習ったから分かるぞ」と前向きに過ごすのか。これは大きな違いです。
内申点重視の学校を目指す子
高校入試においては内申点重視の高校がたくさんあります。
そういった高校を受験する場合は、毎回の定期テストで確実にいい点を取っておきたいところ。
そのためには、学校の授業を確実に理解させてくれて、かつ定期テスト対策も充実した学習塾に通うことがおすすめです。
自分の分からないところをじっくり教えてほしい子
分からないことが一つでもあると先に進めないタイプのお子さんには、個別指導の学習塾がおすすめです。
分からなければ何でも質問して、納得してから次に進めますよ。
ただし要注意点も。指導時間は限られていますので、分からないところを聞くだけでは、あまりにも低いレベルの内容しか指導してもらえないこともあり得ます。
そのような場合には通塾回数を増やすなどを検討する必要があります。
異なるタイプの塾の併用
進学塾と学習塾という、両極端にある2つのタイプの塾をご紹介してきました。
しかし実際には受験勉強と学校の勉強は地続きのはずですから、どちらか一方に偏る必要はないわけです。
- まずは学校の授業を理解したいけど、その後は難関校の問題にチャレンジしたい
- 難関校にチャレンジするつもりだけど、ちょくちょく理解しにくいところがある
こんなときには、違うタイプの塾を少し併用することも考えてみるといいでしょう。
勉強の分からないところをサポートしてもらうなら個別指導の塾、学習計画を立てて引っ張ってもらいたいならコーチングの塾なども要検討です。
目的や性格に合わせて塾を選んで、最高の結果を手に入れよう!
進学塾と学習塾、その間を取ったような総合型の塾について、それらの特徴・メリット・デメリット・向き不向きを解説してきました。
どのタイプの塾がいいのかは、目標や相性などによりますので一概には言えません。ですから通塾を検討する際には、実際に塾に足を運んで説明を聞き、雰囲気も含めて体験するのが一番です。
ぜひベストマッチの塾を探して、最高の結果を手に入れてくださいね。
オンラインでコーチングを受けるなら168塾がおすすめ!
進学塾や学習塾に通うのをメインとして、学習計画やモチベーション維持をサポートしてほしい方には、オンラインコーチング塾の168塾をおすすめします。
168塾をおすすめする4つの理由
- 独自の学習管理システムがあり、モチベーションが維持しやすい。
- 旧帝大・医学部合格者のみの選び抜かれた精鋭講師陣が完全個別コーチング。
- 学習管理システム・質問チャット・個別授業など学習状況に応じてプランをカスタマイズできる。
- オンラインで全国対応だから自宅で完全完結。