宅浪は現実的?メリット・デメリットと必要な手続き・費用、向いているかの判断基準

予備校に通わずに、宅浪で合格できるのかな。実際どのくらい厳しいんだろう…
浪人を決めたとき、予備校に通うか自宅で勉強するかは大きな分かれ道です。予備校の学費を考えると宅浪も気になる一方で、共通テストの出願や模試の申込みまで一人で抱えることになり、1年間続けられるのか不安に感じる人もいるはずです。
ここでは、既卒で共通テストに出願する人の数、宅浪で自分でやる手続きとその期限、予備校に通う場合と比べてかからない費用・宅浪でもかかる費用を、大学入試センターや文部科学省の資料で確かめて並べます。最後に、自分が宅浪に向いているかを判断するための確認項目をまとめました。
- 既卒で共通テストに出願した人は、2026年1月の試験で71,310人(志願者の14.4%)。ただし予備校生と宅浪を分けた公的な統計はなく、宅浪の人数や合格率は公表されていない
- 宅浪では、共通テストのWeb出願(2027年度入試は2026年9月15日〜10月2日)、出身高校への調査書の依頼、模試の申込みを自分で期限までに済ませる。高校が出願状況を把握する仕組みは、卒業見込みの現役生向けだけ
- かからないのは予備校の学費(駿台の高卒クラスは2026年度で入学金と授業料が103万〜155万円)。共通テストや大学の検定料はどちらでもかかる。分かれ目は、計画と進み具合の確認を一人で続けられるか

独学で東北大学医学部に現役合格。塾講師として指導を行う中“塾外の時間”の使い方こそが成績向上の鍵だと気づき、1週間=168時間に着目したオンライン学習管理塾「168塾」を創設。全国の受験生を支援している。
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現在は東北大学大学院加齢医学研究所にて、脳科学と教育を融合させた研究を行うと同時に、東北大学病院 認知症外来で診療に携わる現役医師でもある。学術と現場の両視点から、「自走力を育む学習法」の確立を目指し、受験にとどまらない“生きるための学び”を提唱。
宅浪とは:予備校に通わずに浪人すること
宅浪とは、予備校や塾に通わず、自宅や図書館などで自分で学習しながら大学受験に再挑戦することを指す通称です。予備校の学費がかからない一方で、予備校が担っている学習計画・進み具合の確認・質問への対応・入試情報の案内を、自分で用意することになります。
既卒で共通テストに出願する人は毎年約6万5千〜8万1千人

出願資格が高等学校等卒業者の人数で、予備校生・宅浪・大学生・社会人などを分けない合計。
大学入試センターの集計では、出願資格が高等学校等卒業者(既卒)の志願者は、令和3年度(2021年1月の試験)の81,007人から令和7年度の64,974人まで毎年減り、令和8年度(2026年1月の試験)は71,310人(志願者全体の14.4%)に増えました。
この人数は、予備校に通う人と宅浪の人を分けていません。大学に在籍しながら受け直す人や社会人も含まれます。宅浪の人数や、宅浪と予備校で合格率がどう違うかを示す公的な統計は見当たりません。宅浪が有利か不利かを数字で比べた記事を見かけても、出典と調べ方を確かめてください。
高校卒業時に進学も就職もしなかった人は約6%
文部科学省の学校基本調査では、2025年3月に高校などを卒業した955,335人のうち、進学も就職もしなかった人(学校基本調査の区分名は左記以外の者。進学準備中・就職準備中・家事の手伝いなどと、死亡・不詳の者の合計)は58,595人(6.1%)でした。
この区分には進学準備中の人が含まれ(公表資料の注)、調査の手引では無認可の予備校・私塾に進んだ人もこの区分に数えます。一方、正式な認可を受けた各種学校の予備校に入った人は、専修学校(一般課程)等入学者という別の区分です。就職準備中の人なども含むため、浪人や宅浪の人数そのものではありません。
| 卒業した年 | 進学も就職もしなかった人(左記以外の者) |
|---|---|
| 2021年3月 | 59,652人(5.7%) |
| 2022年3月 | 57,548人(5.7%) |
| 2023年3月 | 57,502人(5.8%) |
| 2024年3月 | 55,392人(5.9%) |
| 2025年3月 | 58,595人(6.1%) |
宅浪で自分でやる手続き:共通テストの出願から大学への出願まで

予備校に行かないと、出願の締め切りは誰が教えてくれるんだろう…
大学入試センターの仕組みでは、卒業見込みの人が共通テストに出願するときは、在学する高校に出願状況(出願したか・検定料を払ったかなど)を伝えることに同意できます。既卒にはこの仕組みがなく、予備校にも通わない宅浪では、締め切りを知らせてくれる決まった窓口がありません。
2027年度入試(令和9年度)の日程で、宅浪の人が自分でやる手続きを順に並べると次のとおりです。次の年度の日程は、大学入試センターの受験案内と各大学の募集要項で確かめてください。
前年度の募集要項で、共通テストで必要な教科・科目と個別試験の科目を確かめ、1年の計画の土台にします。過去の共通テストの成績を使える大学もあり(2027年度入試では令和6〜8年度の成績を使える場合がある)、使う場合は大学入試センターに過年度成績請求票を申請し、その年の受験票も必要です。
2027年度入試の出願期間は2026年9月15日10時〜10月2日(出願内容の登録は17時まで、検定料の支払いは23時59分まで)でした。共通テスト出願サイトでマイページを作り、顔写真を登録して出願します。既卒は出願資格の高等学校等を卒業した者で出願し、卒業を証明する書類の提出は要りません。期間後の出願は一切受け付けられません。
大学の一般選抜では、出身高校が作る調査書の提出が求められます。卒業した人も母校に発行を頼みます。必要な書類と部数は志望校の募集要項で、発行にかかる日数は出身高校に確かめておきます。
なお、卒業から5年以上たっている場合は、指導要録の保存期間(指導に関する記録は卒業後5年)が過ぎているため、高校は原則として成績などを調査書に記載しなくてよいとされています。代わりに卒業証明書などを求める大学もあるので、志望校の募集要項で確かめてください。
2027年度入試の共通テストは2027年1月16日・17日です。受験票は出願サイトのマイページから自分で取得し、紙に印刷して試験当日に持参します(スマホの画面表示では入場できません)。受験票は、翌年度以降に今年の成績を使って出願する場合にも必要になるので保管しておきます。
2027年度入試では、国公立の前期・中期・後期の出願は1月25日〜2月3日です。共通テストを使う大学に出願するときは、出願サイトの申込番号を志望大学の出願サイトに入力するなど、成績を大学に渡す手続きも要ります。私立大学は大学ごとに出願期間が違います。
宅浪の費用:かからないのは予備校の学費、受験の費用はどちらでもかかる
宅浪で減るのは予備校の学費です。高卒クラスの学費を公式サイトに金額で載せている大手予備校の例として、駿台予備学校の2026年度の金額を見ると、入学金と授業料だけで103万〜155万円です(入学金の条件は下の表のとおり)。一方、共通テストや大学の検定料は、予備校に通っても宅浪でも同じようにかかります。
| 費用 | 金額 |
|---|---|
| 入学金 | 10万円(入学説明会に参加すると5万円) |
| 授業料 | 98万〜145万円(校舎・コースで違う) |
| 合計 | 103万〜155万円(入学金10万円なら108万〜155万円、5万円なら103万〜150万円) |
模試は、たとえば河合塾の全統模試には高3生・高卒生を対象にした回があり、会場受験か自宅受験を選べる回もあります。宅浪では、模試の申込み期限も自分で管理することになります。
宅浪のメリット・デメリット
- 予備校の学費がかからない:上の駿台の例では、入学金と授業料で103万〜155万円の負担がない
- 通学の時間がない:移動にかかる時間を勉強に回せる
- 科目と教材を自分で選べる:前年の入試で点が足りなかった科目に時間を寄せやすい
- 計画をすべて自分で立てて直す:何をいつまでに終えるかの判断を誤っても、指摘してくれる人がいない
- 質問できる相手がいない:分からない問題を自分で解決する手段を用意しておく必要がある
- 出願と模試の期限も自分で管理する:共通テストのWeb出願は期間後に一切受け付けられない
- 生活のリズムが崩れやすい:決まった時間に行く場所がないため、起きる時間・勉強を始める時間を自分で決めて守る
デメリットを補うためにできること
| つまずきやすい点 | 事前にできること |
|---|---|
| 計画が遅れても気づかない | 週に1回、予定と実際に進んだ量を比べる日を決めておく |
| 質問できない | 参考書の解説で分からないときに聞ける先を、春のうちに決めておく |
| 出願・模試の期限を忘れる | 受験案内や模試の案内が出たら、出願・申込みの期限をすぐカレンダーへ入れる |
| 生活リズムが崩れる | 図書館や自習室など、決まった時間に行く場所を家の外に持つ |
| 自分の位置が分からない | 模試を受ける回を先に決め、結果で計画を見直す |
宅浪に向いているかを判断する:始める前に確かめること
宅浪が合うかどうかは、性格よりも、次のことを始める前に用意できているかで判断できます。答えられない項目が多いなら、計画や質問の手段を外に頼る方法も合わせて考えてください。
| 確かめること | どう確かめるか |
|---|---|
| 足りなかった科目と点数 | 今年の共通テストの自己採点や成績、志望校の合格者の得点と比べて、科目ごとの差を書き出す |
| 1年で使える勉強時間 | 1日の勉強時間×日数で、共通テストまでの総時間を出す |
| 教材の順番 | 足りない科目ごとに、何をいつまでに終えるか月単位で並べる |
| 質問できる先 | 学校の先生に卒業後も聞けるか、質問できるサービスを使うかを決める |
| 手続きの期限 | 共通テストの出願期間、調査書の依頼時期、模試の申込み期限を一覧にする |
宅浪の計画と進捗確認を任せるなら168塾


宅浪で一人で抱えやすいのは、何をいつまでにやるかを決める学習計画と、計画どおりに進んでいるかの進捗確認です。予備校の学費をかけずに自宅で学習を進めながら、この部分だけを外部に任せる方法もあります。
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宅浪で結果を分けるのは、
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1年間実行し続けられるかです。
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今のあなたは、次の問いに即答できますか?
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- 共通テストの出願から大学への出願まで、手続きの期限を自分で管理できますか?
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宅浪についてよくある質問
この記事の出典
共通テストの年度は試験の実施年度(令和8年度=2026年1月の試験)です。手続きの日付は2027年度(令和9年度)入試のものです。
- 大学入試センター「令和8年度大学入学共通テスト」志願者数等(令和7年12月9日公表)
- 大学入試センター「共通テスト 志願者数・受験者数等の推移」(令和3〜7年度の内訳は各年度の志願者数等の資料)
- 大学入試センター「令和9年度 受験案内」(出願期間・出願資格・検定料・志望大学への出願・過年度成績の利用)
- 文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」(第5 調査書)
- 文部科学省「令和7年度学校基本調査の公表について」
- e-Gov法令検索「国立大学等の授業料その他の費用に関する省令」
- 岡山大学「2027年度入学者選抜要項」(国公立の一般選抜の出願期間1月25日〜2月3日の例)
- 駿台予備学校「高卒クラス」
- 河合塾「全統模試 高3生・高卒生対象模試」



