赤点とは?何点から?取るとどうなるか・留年の決まり方と取った後の対処法

赤点とは?何点から?。取った後の対処と学習の立て直し。

赤点って何点からなんだろう。もし定期テストで取ってしまったら、どうなるの…?

定期テストの答案が返ってきて、赤点かもしれない、このまま留年になるのでは、と不安になることがあります。ネットで調べると30点未満、40点未満といった数字が出てきますが、それが自分の学校に当てはまるのか、1回の赤点で何が決まるのかは分かりません。

ここでは、高校の単位と進級を決める法令・学習指導要領のしくみと、規程の本文を公開している2つの公立高校の実例から、赤点が単位・進級・卒業にどうつながるのかを示します。進級できなかった高校生の数も文部科学省の調査で確かめ、取ってしまったときに生徒手帳のどこを見て、先生に何を聞けばよいかもまとめました。

本記事の結論
  • 赤点は通称で、全国共通の点数の基準はない。規程を公開している2校では、単位を落とす基準はテスト1回の点数ではなく学年末の評定が1かどうかだった
  • 評定1の科目は単位が認められない。何科目まで落としても進級できるか、追試を受けられるかは学校の規程で決まり、2校でも大きく違った
  • 令和6年度に進級・卒業が認められなかった高校生は8,741人で、在籍者の0.3%。1回の赤点で慌てるより、評定1が重ならないように学年末までの計画を立て直す
本記事を監修する専門家
難波

独学で東北大学医学部に現役合格。塾講師として指導を行う中“塾外の時間”の使い方こそが成績向上の鍵だと気づき、1週間=168時間に着目したオンライン学習管理塾「168塾」を創設。全国の受験生を支援している。

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現在は東北大学大学院加齢医学研究所にて、脳科学と教育を融合させた研究を行うと同時に、東北大学病院 認知症外来で診療に携わる現役医師でもある。学術と現場の両視点から、「自走力を育む学習法」の確立を目指し、受験にとどまらない“生きるための学び”を提唱。

目次

赤点とは:単位が認められない成績を指す通称

赤点は、テストや成績がその科目の合格ラインに届かず、単位が認められないおそれがある状態を指す通称です。法令や学習指導要領に赤点という言葉はなく、全国共通の点数の基準もありません。

高等学校学習指導要領は、生徒が科目を履修し、その成果が科目の目標からみて満足できると認められれば、学校はその単位の修得を認定しなければならない、と定めています。何をもって満足できるとするかの決め方は、各学校が規程で定めます。

規程を公開している2校では、基準は学年末の評定1

ここでは、学校のサイトで規程の本文を公開している公立高校の中から、決め方の違いが分かる2校を例にします。熊本県の県立高校(以下A校。令和7年度入学生用の学習評価規定)と、東京都の都立高校(以下B校。2022年に作成された教務部の学習のきまり)です。B校の資料は、教育課程履修規程・学習評価規程・進級および原級留置規程が、入学後に配られる生徒手帳に載っているとしています。

項目A校B校
単位を落とす基準学年末の評定が1学年末の評定が1
評定の出し方観点別評価を点数にした合計が29点以下で評定1資料に記載なし
出席の条件授業時数の3分の2以上の出席で履修を認める年間授業時数の3分の1以上欠席すると未履修
進級の条件進級に必要な修得単位数は定めない未修得が1年末に2科目以上、2年末に累計3科目以上などで原級留置
卒業に必要な単位79単位以上3年末までに80単位以上
A校の学習評価規定(令和7年度入学生用)、B校の教務部の資料による

どちらの学校も、テストで何点を取ったら赤点という書き方はしていません。定期テストの素点が30点未満・40点未満なら赤点、という定めは、この2校の規程にはありません。A校の規定にある29点以下は、次に説明するとおりテストの点ではなく、観点別評価を点数にした合計です。自分の学校の基準は、生徒手帳の規程で確かめる必要があります。

評定はテストの点数だけで決まるわけではない

A校の規定では、観点別学習状況の評価(A・B・Cの3段階)を教科ごとの基準で点数にし、その合計点を次の表で5段階の評定に置きかえます。評定1は、単位の修得を認めない場合とされています。

合計点評定
100〜80点5
79〜65点4
64〜40点3
39〜30点2
29〜0点1(単位は認めない)
A校の学習評価規定(令和7年度入学生用)による。合計点は定期考査の素点ではなく、観点別評価を点数にしたもの

この合計点の材料は、定期考査だけではありません。同じ規定は、評価の場面として単元テスト・小テスト、レポート、発表、ノートの記述、授業中の発言なども挙げています。高校の学習評価は、知識・技能、思考・判断・表現、主体的に学習に取り組む態度の3つの観点で行い、その結果をまとめたものが評定です。

この規定から読み取れること
  • テスト1回の点数:定期考査で低い点を取っても、それだけで評定1が決まるわけではない
  • テスト以外の材料:小テスト・レポート・ノートの記述・発表なども評価の場面に入る
  • 定期考査を休んだとき:正当な理由なく欠席したり受けるのを避けたりすると、その回の考査のその科目は0点(不正行為をしたときも、その科目の得点は0点)。忌引・出席停止や、診断書のある病気のときは、平均点をもとにした見込点がつく

赤点を取るとどうなる:単位・進級・卒業の決まり方

高校では、成績が次の順に結びつきます。法令が決めているのは大枠で、細かい条件は学校の規程です。

段階何で決まるか
履修授業への出席。例:A校は授業時数の3分の2以上の出席で履修を認める
単位の修得学年末の評定。2校とも評定2以上で修得、評定1で未修得
進級学校の進級規程。B校は未修得の科目数などで原級留置(留年)を決める
卒業学校が定める卒業単位数。法令の下限は74単位で、2校は79単位・80単位

学校教育法施行規則は、各学年の課程の修了を、生徒の平素の成績を評価して定めるとしています(第104条で準用する第57条)。卒業には74単位以上の修得が必要です(第96条)。学習指導要領は、各学年の課程の修了の認定を弾力的に行うよう配慮すると定めています。

2校の規程では、単位は学年末の評定で決まり、1回の定期テストの点数だけで単位や進級が決まるわけではありません。ただし学習指導要領は単位の認定を学期ごとに行うことも認めているので、自分の学校がいつ単位を認めるかも規程で確かめてください。また2校とも、評定1の科目が重なったり欠席が多かったりすると、進級や卒業の条件にかかります。

学年制と単位制で、留年の意味が違う

学年制と単位制で単位を落としたときの違いの図。学年制は学年末に進級の判定があり、進級規程の条件にかかると原級留置になる。単位制は学年ごとの進級判定がなく、卒業までに必要な単位をそろえ、そろわなければ卒業できない。進級の条件を置かず、届かなければ4年次生として学ぶ学校もある。
学年制と単位制の違い
種類単位を落としたとき
学年制学年末に進級の判定がある。B校は1年末に未修得2科目以上などで原級留置
単位制学年の区分を設けないため学年ごとの進級判定はない。卒業までに必要な単位をそろえる
単位制は学校教育法施行規則第103条(学年による教育課程の区分を設けないことができる)による

学年ごとの進級の条件を置かない学校もあります。A校の規定は、年次の進行に必要な修得単位数を特に定めておらず、卒業の基準(79単位以上など)に届かなければ4年次生として残りの科目を学ぶ、としています。

進級・卒業が認められなかった高校生は在籍者の0.3%

令和6年度に国公私立の高校で進級または卒業が認められなかった人(原級留置者)の人数。1年生2,643人(0.3%)、2年生1,776人(0.2%)、3年生452人(0.1%)、4年生(定時制・通信制)35人(0.9%)、単位制3,835人(0.5%)、合計8,741人(在籍者の0.3%)。
出典:文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(課程・学科・学年別原級留置者数、国公私立)。
原級留置者は令和7年3月末時点で進級または卒業が認められなかった人。割合は各区分の在籍者に対する比率。

令和6年度に、国公私立の高校で進級または卒業が認められなかった人は8,741人、在籍者の0.3%でした。全日制の普通科に限ると3,108人で0.1%です。学年別では1年生が2,643人と最も多く、2年生1,776人、3年生452人と学年が上がるほど少なくなります。

ただし、この数字には欠席が多くて進級できなかった人も含まれ、成績によるものかどうかは分かりません。同じ調査では、不登校の高校生のうち原級留置になった人が2,963人いました。赤点を取った人のうち何%が留年したか、という数字ではない点に注意してください。

評定平均と内申点にも響く

学年末の評定が1になると、大学入試の調査書に書く評定平均(全体の学習成績の状況)を押し下げます。評定平均は、すべての教科・科目の評定の合計を評定の数で割り、小数点以下第2位を四捨五入して出します。

評定の数すべて4のとき1つだけ1のとき
10個4.03.7
30個4.03.9
文部科学省「令和9年度大学入学者選抜実施要項」の調査書の記入方法(全体の学習成績の状況)に沿って計算した例

高1の学年末のように評定の数が少ない時点では、1つの評定1で平均が大きく下がって見えます。調査書の評定平均は全学年の評定で出すので、どの学年の評定1も同じ1つとして計算に入ります。評定平均が校内選考で見られる指定校推薦を考えている人は、学年末の評定を1にしないことが特に大切です。

指定校推薦の校内選考で評定平均がどう見られるかは、指定校推薦とは?仕組み・メリットデメリット・校内選考で見られるポイントを解説で詳しく説明しています。

中学校には単位のしくみがないため、高校のように赤点で単位を落とすことはありません。ただし定期テストの結果は評定に関わり、評定は高校入試の内申点のもとになります。内申点の計算は、内申点の計算方法を10都道府県で比較で都道府県ごとに説明しています。

赤点を取ってしまったら:生徒手帳と先生に確かめること

赤点を取っちゃった…。まず何をすればいいの?

単位が学年末の評定で決まる学校なら、学年末までに取り返す機会があります。次の順に動いてください。

STEP
生徒手帳の規程で、自分の学校の基準を確かめる

学習評価規程・進級規程(進級および原級留置規程などの名前)・履修規程を開きます。見る場所は下の表のとおりです。

STEP
教科の先生に、学年末までに何で取り返せるかを聞く

残りの定期テスト、小テスト、レポートや提出物など、評定の材料として残っているものと、今の評価の状況を聞きます。

STEP
追試・補習・課題は必ず受ける

受けられる場合は日程を確かめて必ず受けます。A校の規定では、追考査を受けられるのは卒業年次(3年次)の生徒だけで、3年次の科目4科目まで、本人の願い出で1回です。1・2年次の科目は対象外で、合格すると評定は2になります。条件は学校で大きく違います。

STEP
つまずいた原因を分けて、次のテストまでの計画を立て直す

範囲を最後まで終えられなかったのか、授業の内容が分かっていなかったのかで、やることが変わります。下の表を参考にしてください。

確かめること規程のどこを見るか
単位を落とす基準評定1になる条件、評定の出し方
単位を認める時期学年末か、学期ごとか
追試を受けられるか追認・追考査の条項(対象の学年、科目数の上限、回数)
何科目まで進級できるか進級・原級留置の条件(未修得の科目数、修得単位数)
欠席の影響履修の認定の条件(出席時数の割合)
つまずいた原因次にやること
範囲を終えられなかった範囲が発表された日から、試験日までの日数で割って1日の量を決める
授業の内容が分からなかったテスト範囲より前の単元に戻り、教科書の例題が解けるかを確かめる
分かったつもりでも解けなかった問題集で、答えを見ずに解く時間を毎日とる
提出物・小テストが出せていない締め切りを一覧にし、評定の材料を落とさない

テストまでの日数から毎日の量を決める手順は、【大学受験】勉強計画の立て方ガイド〜目標達成のための5ステップ〜で詳しく説明しています。

保護者ができること

保護者が意識したいこと
  • 結果だけを責めない:赤点という結果よりも、学年末までにどう取り返すかに意識を向ける
  • 一緒に規程を確かめる:生徒手帳の進級規程や追試の条件を、本人と一緒に読む
  • 学校・塾と連携する:担任の先生や塾と情報を共有し、家庭だけで抱え込まない

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赤点についてよくある質問

赤点は何回まで大丈夫ですか?

規程を公開している2校とも、赤点の回数という基準はなく、単位は学年末の評定で決まります。進級は、B校が未修得の科目数で決め(1年生の終わりに2科目以上、2年生の終わりに累計3科目以上で原級留置など)、A校は進級に必要な修得単位数を定めていません。自分の学校の進級規程で確かめてください。

追試で合格すれば、評定は元に戻りますか?

学校によります。A校の規定では、追考査を経て単位が認められると、評定は2に変わります。元の点数に戻るわけではありません。追試の扱いは学校の規程で確かめてください。

単位制の高校なら留年はありませんか?

単位制は学年の区分を設けないため、学年ごとの進級判定はありません。ただし卒業に必要な単位がそろわなければ卒業できません。令和6年度の文部科学省の調査では、単位制の課程で進級または卒業が認められなかった人は3,835人(在籍者の0.5%、うち通信制2,626人)でした。

中学校にも赤点はありますか?

中学校には単位のしくみがないため、高校のように赤点で単位を落とすことはありません。定期テストの結果は評定に関わり、高校入試の内申点のもとになります。

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