文系理系どちらに進むべき?
将来のキャリアや収入も気になる…
文系理系と聞くと「文系は国語や社会が得意な人、理系は数学や理科が得意な人」と考えますよね。しかし文系と理系の区別はどちらのほうが得意であるか、というだけではありません。今回は、文系理系の違いについて学ぶ分野、考え方などの観点から詳しく解説します。
東北大学教育学部在学中に起業。現在はオンライン個別指導塾168塾の運営を行う。
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1年間の予備校浪人生活を経た後、東北大学教育学部に入学。ベンチャー企業2社で実務経験を積んだ後、浪人時に感じた大手予備校への違和感を基に、「168塾」の立ち上げ・運営。
・文系理系の違いは学ぶ分野、考え方、受験科目にある
・文系理どちらにもメリットがある
・将来のことを考えながら文理選択をしよう
文系と理系の違い
文系と理系にはどのような違いがあるのでしょう。
以下の3つの観点から文系と理系の違いについて解説します。
①学ぶ分野
②考え方
③受験科目
①学ぶ分野
文系で学ぶ分野は主に経済学、文学・人文学、教育学、法学、外国語学があります。
理系の分野には医学、薬学、農学、工学、理工学などが挙げられます。
文系で学ぶ分野は「人」を研究対象としていて、人の行動や考え方、社会や文化、芸術など人間の活動について多く学びます。
理系は「物」を研究対象とする学問で、自然や人間の体について学ぶのが一般的です。
②考え方
文系の人は「感情的・直観的」、理系の人は「論理的」とよく言います。
直観的というのは、過去の経験などから感覚的に判断するような考え方です。物事を感情的に捉え、物語に出てくる人物の感情を読み取ることに長けています。
論理的とは筋の通った考え方で、感情ではなく数値やデータ、そこにある事実を重要視します。数式やデータをもとに物事を捉えるのが好きな人は理系の考え方が強いと言えるでしょう。
③受験科目
文系と理系では大学受験のときに使う科目が違います。
文系は主に国語や社会などの暗記科目、理系は論理的思考が問われる数学、化学、物理等が中心です。もちろん志望する大学が国公立か私立か、さらに文系学部、理系学部によっても受験する科目は異なります。
文系理系どの科目でもある程度点数を取れるよう準備ができていると、将来の選択肢の幅も広がります。
部類 | 受験教科 |
---|---|
国公立文系 | 「国語」「外国語」「数学」「地理歴史・公民」「理科」から2~3教科選択。 基本的に地歴公民・理科が選択科目になることが多い。 |
国公立理系 | 「国語」「外国語」「数学」「地理歴史・公民」「理科」から2~3教科選択。 基本的に地歴公民・理科が選択科目になる傾向がある。 |
私立文系 | 私立文系の入試では「英語」「国語」は必須科目。 あとの1教科は選択式「地理。歴史」「公民」か「数学」から選ぶのが一般的。 |
私立理系 | 私立理系は「英語」「数学」「理科」の3科目が基本。 |
文系or理系どのように決まる?
文系理系は以下のような観点から決まると言われています。
・文系脳と理系脳
・後天的な要素で決まる
文系脳と理系脳がある
先述にもありますが、理系と文系ではものの考え方が違います。
人間には理系脳と文系脳があると言われ、文系脳は感情的でものごとを複雑に表現することを好み、理系脳はものごとがシンプルで規則正しいことを好みます。
後天的な要素で決まる
文系脳と理系脳どちらになるのかは後天的要素により決まると言われます。
後天的要素とは、生まれてからの経験や環境により形成されるものです。
国語の漢字や熟語を覚えるのに長けている、社会の暗記が得意、小さい頃から読書が好きという人は文系脳、計算が得意、数で考えることが好きな人は理系脳の要素が強いです。
文系・理系それぞれのメリット
文系・理系それぞれの進路に進むメリットにはどんなものがあるでしょう?
文系
自由に使える時間が多い
理系と比べると文系の方が自由な時間が多い傾向にあります。ただし、学部によっては自由な時間が取りづらく、忙しい学部も存在します。
自由な時間は学業以外のことに充てる学生が多いです。部活やサークル活動、アルバイト、ボランティアなどに参加し、さまざまな経験を積むのが良いでしょう。自由な時間での経験は就職の際に自分のアピールポイントにもなります。
就職や将来やりたいことのために、大学の4年間を自分で考えながら計画的に大学4年間を過ごす必要があります。
就職するときの選択肢が幅広い
文系はさまざまな業種を選択肢に取り入れることができます。営業職、金融系、マスコミ、教育系、人事など選択肢はさまざまです。文系は理系のように専門性を問うものではなく、コミュニケーション能力、人との接し方を重視する企業が多く、多様な業界に適応しやすいという利点があります。
また、即戦力というよりも採用後の育成で、将来その会社で活躍する人材を採る「ポテンシャル採用」を実施する企業にも入りやすいです。そのため文系だと、希望する職種や企業に応募できないということはほとんどないのもメリットです。
学費が安い
将来のために何かを学びたいというよりも、大卒出身ということにこだわるなら学費が安い文系に進むと良いでしょう。
理系は、専門的な技術や知識を学ぶために、設備費や研究費用、人件費がかかり、どうしても文系より学費は高くなります。文系の場合、講義が中心のカリキュラムが多く、理系のように設備費や消耗品にコストがかかることはありません。
理系
就職の際に有利
理系学部の多くは、大学で専攻していたことをそのまま就職に活かせます。面接の際には研究してきたこと、学部や研究所からの推薦で就職先が見つかることもあります。
年収が高い
理系の人の平均年収は男性が約600万円、女性が260万円です。文系出身の人の平均年収は男性が559万円、女性が203万円となっており、年収が高いです。
理系の人は大学院に進む人も多く、就職する年齢は文系の人よりも遅いこともありますが、平均年収で見ると理系出身者の方が高い所得を得ています。
研究や開発職に就く人の初任給が高いことなどが、理系出身者の年収が高い理由にもつながっているようです。
文転できる
また理系の人は文転を選ぶこともできます。「文転」とは理系の人が文系の進路に進むことです。
理系学部では専門的な知識や技術を身につけたことを就職先でも活かすことが多いですが、営業やマーケティングなど文系の人が選ぶ職業に就くこともできます。
また、理系で身につけた数字を扱う知識で文系出身の人との差別化要素にもなるという点でも理系は就職に強いと言えるでしょう。
将来の選択肢
文系の場合
理系よりも幅広い業界に就職のチャンスがあるとされる文系には主に以下のような選択肢が挙げられます。
・営業職(新規、または契約のある顧客に対し営業をかけ、売り上げを作る)
・事務職(電話対応や書類作成、個人情報や郵便物の管理など)
・販売、接客(顧客対応、レジ、発注、品出しなど)
・教育系(公務員、塾や学校の先生)
上記のような職種をすべて経験したのち、人事や広報といった形で会社をサポートする働き方もあります(総合職)。
新卒でいきなり人事や広報といった管理系の仕事に就くケースは少なく、営業や接客など現場での経験を強みにできるのが総合職です。
理系の場合
理系は大学卒業後に就職するという選択肢以外に、大学院を出たのちに就職するという人も多くいます。
大学院に通うことで知識の専門性を高め、その経験を就職に生かすことが可能です。
理系出身者の就職先には以下のような選択肢があります。
・IT業界(インターネット関連、ソフトウェア系、通信系)
・金融系(銀行や証券会社、保険会社など)
・メーカー(食品系会社、農林・水産系会社、建築・設備関連会社など)
・インフラ(電気、ガス会社)
文系出身である筆者の経験
将来したいことが決まっていたので文系へ
やりたいことが理系の知識はなくても大丈夫だったため、文系を選びました。
あと、良い文理選択の方法とはされていませんが、理系科目がすごく苦手だったというのも文系に進んだ理由です。
もし理系に進んでいたら選択肢の幅はもっと広がっていたかも
理系に行っていれば文系の道に進むよりももっと多くの選択肢や可能性を残せていたのでは、と感じます。
当時やりたいと思っていたことは、一生を通してやりたいことではないのかも、と大人になって気づきました。
私は理系科目が苦手でしたし、やりたいことが理系の知識はなくても大丈夫だったので「理系に進む」という選択肢は0に近かったですが、勉強を頑張って理系に進んでいれば、いろんなことに挑戦しやすかったり、ライフスタイルや考え方も今とは違う人間になっていたのかなと感じます。
ただ、これは理系に進む人も同様の悩みを抱えていることも多いので、結局は自分の選択と努力次第ですね!
文理選択のポイント
文理選択のポイントは以下の3つです。
1.好きなことや将来やってみたいことから考える
2.自分の得意科目や適性から考える
3.学びたいことから考える
好きなことや将来やってみたいことから考える
文系理系どちらに進むべきかわからない場合は、好きなこと、将来やってみたいことについて考えてみると、文系理系が選びやすくなります。
職業そのもので考える以外にも、理想の収入や働き方から考えてみるのも良いでしょう。
自分の得意科目や適性から考える
自分の得意科目や適性から文系理系どちらに行くべきかを考える方法もあります。
国語や社会が好きなら文系、理科や数学に自信があるなら理系というように考えます。
ただし、理系科目が得意だけど文系の進路を考えている人は、一度理系に進むことも考えてみましょう。先述にもありますが、理系は文転しやすいからです。文系に進み、理系が得意なのは強みになりますが、文転は理転よりも難易度が低いため、まずは自分の理系の強みを最大限に活かすべきです。
学びたいことから考える
学びたいことやどんな知識を身につけたいかを考えてみるのも文理選択のポイントです。
学校で学んできたことでもっと知りたい、知見を深めたいと思うことから文系理系を選ぶと、将来やりたいことも見つけやすくなります。
文理選択の前に、やりたいことを明確に考えてみよう!
文系理系どちらに進むかは自分のやりたいことから考えてみましょう。
考えてみても何がやりたいのかわからないという人は、今は勉強に励み、文系理系どちらにも進めるようにしてみるのが良いでしょう。
文系理系のどちらに優劣もありませんし、文系理系どちらでも自分が目的意識を持ってやってきたことには自信を持つべきです。
また、文系から理系に、理系から文系に、という転身も不可能ではありません。
家族や先生にも相談し、悔いのない文理選択をしましょう。
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