医学部に行きたいけど、予備校って高そう…
勉強って結局、自分がやるかやらないかでしょ?
何とか宅浪で合格できないかな?
宅浪で医学部を目指すのはとても厳しい道です。その道を選ぶのであれば、この記事で紹介する勉強法やライフハックを参考にしてくださいね。
・宅浪で医学部を目指すのはかなり難しい
・それでも宅浪をする人に向けて勉強法・ライフハックを解説
・予備校に通う以外の方法でプロの助けを借りるのが現実的
東北大学教育学部を在学中、「学習管理塾168塾」および「東北大専門塾Elevate」 を創業し、現在は株式会社shared 代表。これまでに200名以上を指導し、旧帝大・医学部合格者を多数輩出。
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AIを活用した学習管理システム を導入し、戦略的学習管理メソッド による個別最適化指導を展開。教育メディア「#スタシェア」を運営し、受験情報に関する情報を発信している。
宅浪(自宅浪人)の定義って?
宅浪とは、自宅で受験勉強をして大学合格を目指すことです。予備校や塾に通うことなく、参考書などを用いて自分のペースで学習し、目標の合格を目指します。
家庭教師やオンラインの塾など、家から出なくても学習指導を受けられるサービスもありますが、今回の記事では取り上げません。オンライン・オフラインを問わず、対面での指導がない状態での受験勉強について考えていきます。
宅浪(自宅浪人)で医学部を目指す2つのメリット
宅浪で医学部を目指すメリットは、ずばり以下の2点です。
- お金があまりかからない
- 時間帯を自由に使える
お金があまりかからない
宅浪をする場合は高額な予備校に通う必要がありません。予備校の授業料や、予備校までの往復交通費をまるごと削減できるため、お金があまりかからないのが大きなメリットです。
必要なお金は参考書代と模試代ぐらいです。参考書のどこまでをいつまでにやるか計画を立て、その通りに進めていきます。適切な時期に模試を受け、判定が上がっていくことを確認できれば合格が近づいてきます。
時間帯を自由に使える
宅浪には時間割がありません。つまり完全に自分の好きなペースで勉強が進められるというメリットがあります。
ただし「好きな勉強を好きなときにやる」ではさすがに医学部に合格できないため、勉強計画や時間割は自分で立てねばなりません。
生活費や将来の学費を稼ぐためにアルバイトをする必要があるならば、予備校の時間割とアルバイトが重なってしまうことがよくあるため、宅浪がおすすめとなります。
宅浪で医学部を目指す4つのデメリット
宅浪のメリットである金銭的・時間的な自由と引き換えに、次のようなデメリットもやはり存在します。
- 気持ちが萎えやすい
- 自分の弱点が分かりにくい
- 面接・小論文への対策が難しい
- 計画や現状が正しいのか自信を持てない
⒈気持ちが萎えやすい
宅浪の一番の問題点は「気持ちが萎えやすい」「モチベーションの維持が難しい」ということにあります。これは宅浪で合格した学生からもよく聞かれる言葉です。
よく「受験は団体戦」と言われるように、普通の人間はたった一人で1年間もの間、情熱を失わずに努力を続けるのは難しいのです。
オンライン・オフラインを問わず予備校に通えば、講師・チューター・担任・浪人仲間との会話が自然に発生します。そこで新しいアドバイスをもらえたり、同じ悩みを共有したりして、明日も頑張ろうという活力になることも多いです。
宅浪で合格を目指す人は、人間というのはこれほどまでに、一人で長い間気持ちを維持するのが難しい生きものなのだと知っておいてください。
⒉自分の弱点が分かりにくい
宅浪だと自分の弱点や改善点を把握することが難しいのもデメリットです。
もちろん模試の分野別得点率を見れば、どの単元が弱いかは分かります。しかしその単元をどうすれば克服できるのか。これが分からないのです。
たとえば数学で「数列」の得点がいつも低いとします。その場合、問題集の「数列」の単元をやればよいのでしょうか?それで解決できる場合もありますが、何か根本的に数列の理解の仕方がおかしいのかもしれません。
英語の長文の得点が低い場合も同様です。単語力がないのか、文法知識がないのか。仮に単語力がないのだとすれば、どうやれば覚えられるのか。そういったノウハウを一つひとつ調べて試さないといけないのは非常に大変なことです。
⒊面接・小論文への対策が難しい
宅浪を始める前に意外と忘れがちなのが、面接や小論文への対策が必要になるという点です。
面接や小論文は、一般的な学科以上に「自分のアウトプットに対するフィードバック」が重要となるため、本を買って読むだけだと上達が難しいでしょう。
ここでも予備校などを使わないのであれば、卒業した高校の先生にお願いするなどの策を考える必要があります。
⒋計画や現状が正しいのか自信を持てない
自分で勉強を進めるため、今やっていることが本当に正しいことなのか自信を持ちづらいでしょう。暗闇の中を手探りで歩くようなものです。
定期的に模試を受けて偏差値が順調に上がっていけばよいのですが、「何回か模試を受けたのに偏差値がどうも上がらない」と気づくのは夏頃です。
夏になって成績が振るわなかった場合、計画を見直すべきなのか、勉強のやり方が悪いのか、自分で判断して正しい手を打たねばなりません。これは普通の受験生にとってはなかなかハードルの高いことでしょう。
宅浪で医学部を目指すのにおすすめの勉強法・ライフハック9選!
ここまでに、宅浪のメリットとデメリットについて述べてきました。メリット以上にデメリットのほうが大きく感じられるかもしれません。そのため普通は予備校などでプロの力を借りるのです。
この厳しさを知った上で、なお宅浪で医学部を目指す場合におすすめの勉強法・ライフハックをまとめました。
- スケジュール管理を徹底する
- 受験勉強に適した環境を作る
- 模試を受ける
- 科目ごとに重要なポイントをまとめたノートを作る
- 睡眠の質・量を確保する
- 運動不足に陥らないようにする
- 食生活に気をつける
- 友人と話す
- 自分にご褒美を与える
⒈スケジュール管理を徹底する
宅浪で時間を自由に使えると、たいていの場合、以下のように無計画な勉強をしてしまうものです
- 好きな科目につい時間を多く使ってしまう…
- 難問を長時間考えてしまい、ほかの科目の時間が減る…
- そもそも今日なにをやるのか決めずに勉強を始めてしまう…
これらの事態を防ぐため、事前にきちんと計画をたてましょう。
勉強計画の立て方
勉強の計画は、以下のようにすれば立てられます。
- 参考書を選ぶ
- 何月何日までに終わらせたいかを決める
- ページ数を確認する
- 1日あたり消化すべきページ数と時間を見積もる
これを科目数分だけ行い、1日の勉強時間が妥当な範囲に収まっていれば、その計画は実行可能といえます。
たとえば以下のようなイメージです。
- 数学の参考書「○○」を選んだ
- 4月1日に始めて、6月30日までに1周終わらせたい(つまり3ヶ月)
- 参考書が300ページだったとする
- 300ページを3ヶ月→1ヶ月で100ページ→1日3~4ページ→1日2時間ぐらい
この最後に得られた「1日2時間ぐらい」を全科目蓄積した結果、「1日20時間」などとなってしまった場合は、その計画には無理があります。
余白もスケジュールに組み込む
計画を立てる際にはついつい理想的な状況をイメージしがちです。しかし実際には、妙にやる気が出ない日があったり、机に向かっているのに休憩していたり、色々なことで勉強時間は意外と取れません。
そこでおすすめなのが、余白の時間や日も組み込んだスケジュールにすることです。たとえば日曜日の勉強予定は4時間程度として、残りの時間は息抜きにあてたり、土曜までに消化できなかったことをやる時間にあてたりしましょう。
余白なしでギチギチの計画を立ててしまうと、高確率で実施できずに計画が先送りになり、そのうちイヤになってしまうので気をつけてください。
⒉受験勉強に適した環境を作る
静かな場所で勉強する
受験勉強は静かな環境で行うことが何よりも重要です。そのため、雑音や騒音が少ない場所を選びましょう。公共の図書館が自習OKなのであれば一番おすすめです。そういった場所が近くにない場合は、耳栓をして勉強するのもおすすめです。
また、勉強机の上はできる限り整頓しましょう。人間は目から入る刺激にとても弱いので、勉強机の上に色々なものが載っていると気が散ってしまいます。
以上のように、目や耳に入る刺激を抑えて勉強に集中できる環境を作りましょう。
快適な温度・湿度に調整する
温度・湿度も勉強に大きな影響を与えることは言うまでもないことです。暑すぎると集中できませんし、寒すぎると手がうまく動かずに勉強がはかどりません。また湿度は特に低すぎる場合、静電気などの不快な現象のもととなります。
夏場は冷房をかけすぎないように、冬場は湿度が低くなりすぎないように特に気をつけながら、快適な温度・湿度を保つように工夫してください。
なお、夏場に1日中在宅で勉強する場合は、エアコンを24時間つけっぱなしにしても意外と電気代は高くなりません。下手にこまめにオンオフする方が高くつきます。
⒊模試を受ける
合格ラインとの差を把握する
宅浪で重要なのは、自分の現状をはっきり把握することです。そのため、模試を受けるのは最重要課題といえます。
志望大学の医学部だけでなく、少し偏差値の低めの大学の医学部の判定も見ましょう。もし全ての医学部でE判定が出る場合は、他の学部の判定も出すなどして、DやC判定が少なくとも1つ出るようにした方が、現在の自分のレベルがはっきり分かります。
自分が目標とする判定がたとえばC判定だとすると、「C判定まであと○○点」という表示をよく見て、どの科目で何点ずつ取れば○○点を補えるのか振り返るのがおすすめです。
模試結果から課題を洗い出す
よく言われることではありますが、模試は受けた後が本番です。結果のグラフを見ながら、自分の弱点や課題を洗い出しましょう。
具体的には、間違えた問題や得点の低い科目に着目し、どのような勉強法を取り入れるべきか、勉強時間を増やすべきかなどを考えるのです。
一度間違えた問題を二度と間違えないよう、復習ノートを作るなどして次の模試に備えることも重要です。この復習ノートは、次の模試の前に読み直すことで、より効果を発揮します。
⒋科目ごとに重要なポイントをまとめたノートを作る
単語や公式はリングカードなどで効率的に覚える
ある程度学力のある状態で宅浪をするなら、新しく覚え直す単語や公式の数はそれほど多くないはずです。その場合、追加で覚えていくものはリングカードにメモするのがおすすめです。
メモした時点でかなり頭に残りますし、数日に1回ぐらいの割合でカードをめくっていくと、短期記憶を徐々に長期記憶に移行させられます。
新たに覚え直すものが非常に多い場合は、リングカードに書く手間ももったいないでしょうから、単語帳のまま覚えていく方がよいでしょう。ただし、そんなに学力が低いのに宅浪で医学部を目指すのは危険です。
解けなかった問題の正解を徹底的に理解する
模試だけでなく日頃やっている問題集も含めて、間違えた問題は次の機会には必ず解けるようにするのが理想です。
そのためには解説をよく読み、自分の手を動かし、自分でも解けそうだという確認をしていきましょう。ノートに要点をまとめていくのがおすすめです。
ただし宅浪の場合、説明をよんでも分からない場合もあるでしょう。そのような場合には一旦ほかの問題に取り組んでいく方が効率的な場合が多いです。
⒌睡眠の質・量を確保する
深夜ではなく朝方に勉強する
深夜の方が集中できるという人もいると思いますが、試験が午前中からある以上、朝型のリズムにしておいた方が無難です。
また、人間の体内時計は1日24時間より長いリズムになっているため、深夜まで起きる習慣がつくと徐々に昼夜逆転してしまい、模試などのときに本領を発揮できないこともありえます。
朝起きてすぐ勉強できるよう、夜寝る前に翌朝の準備をするなどの工夫をして、朝から勉強を始めましょう。
決まった時刻に寝起きする
受験生なんだから6時間ぐらいで頑張りたいという気持ちもあるかもしれませんが、ペンシルバニア大学における有名な実験で、「6時間睡眠を2週間続けると、2晩連続で徹夜したのと同じくらいパフォーマンスが下がる」ということが分かっています。
そのため、睡眠時間は7~8時間は確保するように計画を立てましょう。就寝時刻と起床時刻をきっちり決めて、勉強が途中だったとしても就寝時刻になったら寝るようにするのです。
無理して睡眠を削っても、起きている時間のパフォーマンスが下がってしまっては結局意味がありません。
- 100のパフォーマンスで10時間勉強したら、100×10=1000の成果
- 80のパフォーマンスで12時間勉強したら、80×12=960の成果
このようなイメージです。能力が低下した状態で長時間頑張っても、結局あまり成果が出ないと考えて、寝るときはちゃんと寝ましょう。
⒍運動不足に陥らないようにする
宅浪すると受験勉強に没頭しすぎて、体を動かす時間が減少することが多いです。しかし言うまでもなく、長時間ずっと机に向かうのは健康に良くありません。
そこで運動不足に陥らないように、定期的に軽い運動を取り入れましょう。たとえば20分ほどのウォーキングやストレッチ、軽い筋トレなどがおすすめです。身体を動かすことで、血行が良くなり、脳の働きも活性化されます。
これらの小さな運動を1日のルーティンの中に入れるのが理想です。たとえば
- 朝起きたら昨夜の学習ノートの内容を目に焼き付け、20分ほどウォーキングに出る
- 昼食前には軽いストレッチをして体を温める
- 夕食前には、今日の学習ノートを読み直してまた20分ほどウォーキングに出る
などという風に、気分転換を兼ねて運動するのがよいでしょう。
⒎食生活に気をつける
医学や栄養学について深い知識がない状態で、にわか仕込みの偏った食事をするのはかえって健康に悪影響です。たとえば「○○が脳にいいらしいから○○ばかり食べよう」というようなことはしない方が無難といえます。
一般的によく言われるような「バランスの取れた食生活」を送るのが一番です。特に朝の排便は健康のバロメーター。毎日ちゃんと快便生活を送れるよう、繊維質や水分に気を配ってください。
⒏友人と話す
デメリットの最初に挙げたように、宅浪はモチベーション維持が難しいというのが特徴です。モチベーションを保つには、SNSなどで友人と会話するのがよいでしょう。
特に高校を卒業したばかりで宅浪する場合は、同級生の多くは大学に進学しており、気を遣ってあまり連絡をくれない場合もあります。そのため、自分の方から少し連絡を取って、たわいのない会話を少し楽しむぐらいがちょうどよいでしょう。
⒐自分にご褒美を与える
1年間の宅浪を、何のご褒美もなしに耐えることは非常に難しいです。模試の成績が上がったときや目標としていた問題集のページを終えたときなど、小さなご褒美をときどき自分に与える方が勉強は長続きします。
たとえばお気に入りのスイーツがあれば、普段は我慢しておいて、小さな目標を達成できたときだけ買いにいくなどといったことを検討してください。
宅浪の弱点を補う「プロの力」を借りて医学部を目指そう!
ここまで宅浪のメリット・デメリットについて解説してきました。
メリットはお金と時間の自由が得られるという点ですが、どちらかというとデメリットの方が多く、完全に一人で勉強することの難しさを表すような内容となりました。
もう一度おさらいすると、主に以下のような点が完全な独学だと難しいところです。
- 一人ぼっちだとモチベーション維持が難しい
- 自分が何をどうやって克服すればいいのか分かりにくい
- 面接・小論文への対策が難しい
- 計画に対して現状が妥当なのかどうか自信を持てない
そこで、予備校とはちょっと違うのですが、オンラインで学習計画をいつでも相談できる168塾でプロの力を借りてはいかがでしょうか。基本的には宅浪をしつつも、要所要所で道を示してくれるはずです。
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