MARCHに入って上京したい!
MARCHINGって何?
併願先はどうしよう
今回の記事では「MARCH」について取り上げます。「MARCH」は「東京の大学」として受験生から圧倒的な人気を誇る大学群です。第一志望だけでなく、併願先としても多くの受験生が受験します。今回は出願のオーダーも含めて「MARCH」を考えます!
・「MARCH」は明治、青山学院、立教、中央、法政の私大グループ
・文系と理系で違いあり
・「MARCHING」の中ではICUが少し特殊
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そもそもMARCHって何でしたっけ?
「MARCH」とは、東京都内に多くのキャンパスを有する私大のグループの1つです。「早慶」(早稲田大学と慶應義塾大学)に次いで難関の大学です。
具体的にはMは明治大学、Aは青山学院大学、Rは立教大学、Cは中央大学、Hは法政大学を指します。
文理ともに多くの学部学科がそろっており、立地も相まって多くの受験生から人気を誇ります。2024年度明治大学と法政大学では志望者数がのべ10万人を超えるなど、非常に多くの受験生を集めています。
もちろん、「MARCH」第一志望の受験生だけでなく、国公立大や早慶などとの併願の受験生も多くいます。
例えば、2024年度の明治大学の合格者数に対する募集定員の割合は約2割となっています。裏を返せば約8割の合格が辞退されたことになります。
もちろん、複数の学部に合格して入学した受験生もいるはずですのですべてが入学辞退につながっていることはありませんが、非常に多くの学生が併願し、他の進路を選んだと考えられます。
最近よく聞くGMARCH、MARCHINGって何でしょう?
最近では「MARCH」に似た言葉として「GMARCH」や、「MARCHING」が取り上げられることがあります。
「MARCH」に前者は学習院大学を加えたもの、後者は国際基督教大学(ICU)、日本大学、学習院大学を加えたものとされています。いずれの大学も東京都内に多くのキャンパスを構え、文理ともに学部学科をそろえる人気大学です。
ただし、国際基督教大学(ICU)は文理にとらわれない学び「リベラルアーツ」を掲げ、他の大学とは一線を画す教育を行っている大学です。そのため、入試も特殊です。ICUについては後ほど詳しく紹介します。
東のMARCH、西の関関同立?
MARCHは東京を中心にキャンパスを構えているため、首都圏をはじめとする東日本の受験生が多く受験しているようです。実際、入学者出身高校地域割合を公表している明治大学では首都圏の高校からの進学者が76.6%となっており、圧倒的に首都圏からの出身者が多いです。
一方、関西圏を中心とする西日本ではMARCHと同じ位の偏差値の大学群として「関関同立」が挙げられています。これは、関西大学、関西学院大学、同志社大学、立命館大学の4つを指すグループです。文理ともに学部学科をそろえており、こちらも多くの受験生を集める人気大学となっています。
「MARCH」と異なる点というと、地方会場の有無が挙げられます。MARCHでは本校以外に受験会場が設けられることは少なく、全学部統一試験などを除けばほとんどの場合東京のキャンパスで試験を受ける必要があります。
一方で「関関同立」では多くの地方会場が用意され、大阪や京都などにキャンパスがありながら東京でも試験が受けられる場合が多いです。首都圏の受験生を取り込みたい大学側の考えも透けて見えますが、MARCH志望受験生は関関同立の大学を併願することが比較的容易であると考えられます。
MARCHの偏差値を確認!
まずは文系!
学部・学科や入試形式によって各大学の偏差値には幅があるため、どの大学にも設置されている経済学部経済学科の学部別試験の偏差値で比較したいと思います。(Kei-net大学検索システムより引用)
各大学の経済学部学部別試験の偏差値(明治は政治経済学部経済)は以下の表のようになります。
明治大学 | 60.0 |
青山学院大学 | 60.0 |
立教大学 | 60.0 |
中央大学 | 57.5 |
法政大学 | 55.0 |
他の学部学科においても「MARCH」の文系学部の偏差値は55-65の範囲に位置しており、偏差値60以上となっている学部学科が主となっています。
一方で共通テスト利用型入試では科目数のタイプは様々ですが、80%程度もしくはそれ以上が必要なことが多いようです。ただし、科目数が3科目や4科目などで高得点の科目の点数が採用されるなどのルールがあります。模試の結果などをもとに合格の可能性を検討しましょう。
次は理系! あれ、イメージと違う?
続いて理系の偏差値も確認しておきましょう。理系は各大学の化学科、応用化学科などの学部別試験の偏差値を比較してみます。(Kei-net大学検索システムより引用)
各大学の理工学部・理学部(法政大学は生命科学部)の化学科・応用化学科の偏差値は以下の表のようになります。
明治大学 | 57.5 |
青山学院大学 | 55.0 |
立教大学 | 57.5 |
中央大学 | 55.0 |
法政大学 | 52.5 |
他の学部学科においても「MARCH」の理系学部の偏差値は55-60の範囲に位置しており、文系学部と比較して偏差値が低く見えます。
しかしこれは理系全般に言えることですが、理系には医学部医学科が含まれており、そちらの難易度が非常に高いため、相対比較となる偏差値は高偏差値をマークするのが難しくなります。
そのため、理系学部の偏差値は文系学部と比較して偏差値が低く見えますが決して文系と比較して難易度が低いということはないということを付け加えておきます。
一方で共通テスト利用入試では文系とは異なり、基本的に英語、数学、理科(第一解答科目or高得点科目)の4科目と指定されている場合が多く、当日理系科目がしっかり取れていないと合格できないようになっています。
そのため、得点率が80%に満たなくても合格できる可能性があります。近年英語や理科の難化が続いていますのでその影響もあるでしょう。
理系にとってのMARCH・MARCHING
東京四工大と競合
MARCHには多くの学部学科が用意されていますが、どうしても文系の学部に比べて学生の数が少ないこともあり、理系の色は薄めです。
必ずしも自分の興味のある研究をしている研究室があるわけではないため、MARCH以外の大学も合わせて検討することになります。
そのときに検討対象になる大学群の1つが東京四工大です。これは東京都内やその周辺にキャンパスを構える私立理工系大学群です。
理系学部のみを設置しているということもあり、非常に多くの学部・学科を有しています。多くの受験生が自分の学びたい領域を見つけられるでしょう。
MARCHなどの大学群と異なるのは、これらの大学は公式な提携を結んでおり、各大学の講義を履修できる単位互換制度を導入する等連携が行われている点です。そうした制度を活用することで、総合大学を超える膨大なカリキュラムから選択できるといいます。
キャンパスここじゃないんだ…
理系のみなさんにとってMARCHを受けるに当たって気を付けなければならないのは実際に通うことになるキャンパスの立地です。
受験の際には東京のキャンパスを会場として利用することが多く、合格して入学したらここに通うことになるんだなと思ってしまいがちですが、ここが注意するポイントです。
理系の学生が通うことになるキャンパスは必ずしも東京都心のキャンパスではなかったり、研究室に配属されると別のキャンパスに移動したりすることがあるからです。
例えば、明治大学の理工学部と農学部は神奈川県川崎市にある生田キャンパスであったり、青山学院大学の理工、社会情報、地球社会共生、コミュニティ人間科学部は神奈川県相模原市にある相模原キャンパスであったりするなど、注意が必要です。
特に首都圏にお住まいで、実家からの通学を考えている人にとってはキャンパスの所在地はかなり重要です。大学のHPなどできちんと確認するようにしましょう。また、所属することになる学部学科の研究室も所在地を確認しておくと安心です。
筆者も明治大学を受験し、リバティタワーに通うかもしれないと考えていましたが、理系の筆者が通うことはまずあり得ないのでした…
東京理科大との併願も多い?
理系の私大と言えば東京理科大学も名前が挙がるでしょう。7学部33学科を有し、私大の中でも随一の規模を誇ります。研究にも一層力を入れており、他の大学と一線を画す存在です。
西日本を中心に世間一般では知名度はMARCHに負けてしまうようですが、2022年には『人事が見る大学イメージランキング「注目している大学ランキング」』で1位を獲得するなど、評価も上々です。
千葉県野田市にある野田キャンパスと北海道長万部にある長万部キャンパス以外は都心にキャンパスがあり、多くの人が都心で学びます。
理科大は偏差値55-62.5程度の学部学科が多く、MARCHの大学とも難易度が近いです。また、国立大が第一志望の受験生が多く受験するのも特徴です。そのため、MARCHとの併願をする受験生も多く、両方合格してどちらに入学金を支払おうか迷う受験生も多いでしょう。
合格発表と入学金の支払期限の日程をよく確認して戦略を練っておくことを強くお勧めします。
筆者も現役時、浪人時ともにMARCHと理科大に出願していました。浪人時はどちらからも共通テスト利用で合格をいただけたので非常にスムーズに受験を進められました。周りの東北大生もMARCHや理科大を受けた、入学金も払ったという人は非常に多いです。
「MARCHING」の「I」ちょっと特殊なICU
文理にとらわれない「リベラルアーツ」の学び
MARCHINGには国際基督教大学(ICU)が含まれることを先ほど述べましたが、ICUは文理にとらわれない「リベラルアーツ」の学びが実践できる大学として他の大学とは一線を画す存在です。
入学後に1年間一般教育科目や基礎科目を学んだ後人文科学·自然科学・社会科学の31メジャーから主専攻、副専攻を選ぶことができます。入学前の志望通りでも、文系と理系を変更することも可能です。
受験時にはっきりと大学で学びたいことが見えていなくても大学に入ってから決めることができるのはメリットに感じる人も多いでしょう。
また、1学年600人ほどで少人数(専任教員1名あたりの学生数18名)のため、各々の学生のアカデミックプランニング(学修計画)を教職員がサポートする体制が整っているといいます。
そのため、卒業生のキャリアは非常に多様で元国連大使·吉川元偉さん、元東京エレクトロン会長兼社長の東哲郎さん、ソニー株式会社会長·平井一夫さん、JAXAはやぶさプロジェクトに関わった矢野創さん。
ほかにも作家やイラストレーター、音楽家、研究者、ビジネスパーソン、ジャーナリストなどなど様々です。
入試もちょっと特殊です
他の大学にはない、リベラルアーツの教育を行っているICUは入試においても他の大学とは異なっており、ちょっと特殊です。
2025年度から入試の形式が変更になるという発表が大学からありましたので2025年度からの形式を紹介します。
高校までの学びを反映させるため、一般選抜は人文・社会科学選択(文系)と自然科学選択(理系)の2つの形式に分かれていますが、共通で英語(リスニングを含む)と総合教養「ATRAS」と呼ばれる試験が課せられます。(2025年度入試からこの形式に変更)
「ATRAS」って何?
「ATRAS」はICUで独自に行われている試験で、実際の大学での学びに近い形で問題が作られています。
「ATRAS」も2025年度から変更になるという発表が大学からありました。大学側の発表によると、出題は以下のような形式のようです。
特定のテーマに関する講義と1つの論述や資料に基づく設問を解く。
①講義に関する論述や資料を読む
②論述・資料を踏まえた内容の講義を聴く
③論述・資料と講義内容に関連した設問を解く
2024年度までは15分程度の講義(日本語音声)を聞き、問題に答えるという形式だったようです。2025年度以降も形式は変化しますが、講義を聞いて問題に答えるという大枠は変わらないようです。
他大学にはない形式の試験問題ですので個別に対策していく必要があるでしょう。そのため、他大学(特に国公立大)が第一志望で併願としてICUを受ける、というのは対策に時間を取られるのでなかなか難しいように感じます。
また、人文・社会科学選択の方の人文・社会科学試験問題は論文を読んで問題に答える形式であり、こちらも訓練が必要です。ICUを目指す方は早めに過去問に取り組み、形式に慣れておく必要があります。
出願のオーダーをシミュレーションしてみましょう!
ここからは文系と理系の受験生が大学を受験する際のオーダーをシミュレーションしてみます。あくまで一例ですので参考程度に見ていただければと思います。
例えば国公立文系志望のあなたなら・・・
まずは国公立文系志望の受験生で組んでみます。今回は経済学部志望の受験生としてみましょう。
第一志望 国公立大 前後期出願 偏差値57.5前後
一般入試
明治大学 経済学部 経済学科 学部別
法政大学 経済学部 経済学科 A方式
東洋大学 経済学部 経済学科 前期
共通テスト利用
日本大学 経済学部 経済学科 C方式
国立大志望でしたら併願の私大をいくつも受けることはできないため、3校に絞りました。共通テストの点数次第では受験校を増やすことを検討してもよいでしょう。共通テスト利用で合格がほぼ確実であれば出願を取りやめたり、受験に行かないという選択を取っても良いでしょう。
偏差値57.5前後の受験生であれば、明治大学がチャレンジ校、法政大学が実力校、東洋大学が安全校といったところでしょうか。
文系の場合共通テスト利用の必要な得点率が非常に高いため、模試の結果等を見て可能性があれば出願してみると良いでしょう。得点の算出方法も改めて確認してみましょう。
例えば私立文系志望のあなたなら・・・
次に私立文系志望の受験生で組んでみます。先ほどと同じように経済学部志望の受験生としてみましょう。
第一志望 私大 偏差値57.5前後
一般選抜と全学部統一試験 (共通テストも受験し、合格可能性がある場合は共通テスト利用も出願)
一般入試
明治大学 経済学部 経済学科 学部別
中央大学 経済学部 経済学科 学部別
法政大学 経済学部 経済学科 A方式
東洋大学 経済学部 経済学科 前期
日本大学 経済学部 経済学科 A個別
共通テスト利用
日本大学 経済学部 経済学科 C方式
私大第一志望であるので一般選抜は多めに出願します。第一志望の大学は併願できるだけ併願しておきます。結果次第では(可能であれば)後期試験への出願を検討しましょう。
オーダーとしては偏差値57.5前後の受験生であれば、明治大学がチャレンジ校、中央大学、法政大学が実力校、東洋大学、日本大学が安全校といったところでしょうか。
私文の受験生は共通テストを受けることは必須ではありませんが共通テスト利用で合格をもらえると安心して本命校に挑むことができます。入試に使う科目だけでも受けておくと良いかもしれません。
例えば国公立理系志望のあなたなら・・・
こちらもまずは国公立第一志望の受験生で組んでみます。今回は化学科志望の受験生としてみましょう。
第一志望 国公立大 前後期出願 偏差値55前後
一般入試
明治大学 理工学部 応用化学科 学部別
中央大学 理工学部 応用化学科 学部別
芝浦工業大学 工学部 物質-化学・生命工学科 前期
共通テスト利用
東京理科大学 創域理工学部 先端科学科 A方式
日本大学 理工学部 物質応用化学科 C方式第1期
国立大志望でしたら併願の私大をいくつも受けることはできないため、3校に絞りました。共通テストの点数次第では受験校を増やすことを検討してもよいでしょう。逆に、共通テスト利用で合格がほぼ確実であれば出願を取りやめたり、受験に行かないという選択を取っても良いでしょう。
偏差値が55前後の受験生であれば、明治大学がチャレンジ校、中央大学が実力校、芝浦工業大学が安全校といったところでしょうか。
共通テスト利用は8割超えの高得点が要求される東京理科大の理学部は回避し、創域理工学部をチョイスして合格可能性を高めます。念のために日本大学を共通テスト利用で押さえるというオーダーです。
例えば私立理系志望のあなたなら・・・
次に私立理系志望の受験生で組んでみます。先ほどと同じように化学科志望の受験生としてみましょう。
第一志望 私大 偏差値55前後
一般選抜と全学部統一試験 (共通テストも受験し、合格可能性がある場合は共通テスト利用も出願)
一般選抜
東京理科大学 理学部 化学科 B方式
明治大学 理工学部 応用化学科 学部別
中央大学 理工学部 応用化学科 学部別
芝浦工業大学 工学部 物質-化学・生命工学科 前期
日本大学 理工学部 物質応用化学科 A個別方式
(共通テスト利用)
日本大学 理工学部 物質応用化学科 C方式第1期
私大第一志望であるので一般選抜は多めに出願します。第一志望の大学は併願できるだけ併願しておきます。結果次第では(可能であれば)後期試験への出願を検討しましょう。
オーダーとしては偏差値55の受験生であれば東京理科大、明治大がチャレンジ校、中央大が実力校、芝浦工業大、日本大が安全校といったところでしょうか。
私大志望の受験生では共通テストを受けないという人もいるかもしれませんが、もし受けていて得点率が十分であれば利用すべきでしょう。
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