私立大学医学部の格付けって何?
格付けは大学選びで大切?
本記事では医学部がある大学選びの1つの要素である格付け・序列について解説しています。また、格付け上位校に入学するメリット・デメリットや少ない受験科目で勝負できる狙い目の大学も紹介しています。
今後医学部を目指す学生さんやその保護者の皆さんにとっても役立つ情報になっているので、ぜひ最後までチェックしてください。
・私立医学部がどのような格付けになっているのかがわかる
・格付け上位校に入るメリットや注意点がわかる
・格付けを気にするよりも自分のやりたいことから大学選びをするべき
東北大学教育学部在学中に起業。現在はオンライン個別指導塾168塾の運営を行う。
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1年間の予備校浪人生活を経た後、東北大学教育学部に入学。ベンチャー企業2社で実務経験を積んだ後、浪人時に感じた大手予備校への違和感を基に、「168塾」の立ち上げ・運営。
私立医学部の格付け
医学部には「格付け」とは一体どんなものなのでしょう。
私立医学部は創設された年代ごとにグループに分けられ、私立御三家・旧制医学専門学校・新設医大という3つのグループに区分されると言われています。
グループ分けには上記3つの区分に「新御三家」や「総合大」を含む5つのグループに分けられていることもありますが、今回は年代ごとの区分である3つのグループ(私立御三家・旧制医学専門学校・新設医大)で私立医学部の格付けについて解説を進めていきます。
- 私立御三家
- 旧制医学専門学校
- 新設医大
私立御三家
私立御三家に属する大学は以下3つの大学です。
慶應義塾大学・東京慈恵会医科大学・日本医科大学
これら3つの大学が設立されたのは1920年代で、今でもどの大学も偏差値70以上の難関医学部です。
古く長い歴史を持ち、戦前から医療の面で経済成長を支えてきたとされています。
旧制医学専門学校
旧制医学専門学校に属するのは以下10の大学です。
岩手医科大学・順天堂大学・昭和大学・東京医科大学・東京女子医科大学・東邦大学・日本大学・大阪医科大学・関西医科大学・久留米大学
格付けでいうと御三家の次になる私立大学です。
これらの大学は1947年~1950年の間に設立され、戦後の復興のために尽力してきた医師が多く輩出されています。
この10校のうち、順天堂大学・昭和大学・東邦大学は冒頭で少し出てきた新御三家と呼ばれている大学です。
新設医大
新設医大に属するのは以下16の大学です。
自治医科大学・獨協医科大学・埼玉医科大学・北里大学・杏林大学・帝京大学・東海大学・聖マリアンナ医科大学・金沢医科大学・愛知医科大学・藤田医科大学・近畿大学・兵庫医科大学・川崎医科大学・福岡大学・産業医科大学
これらの大学は1970年以降に設立されました。
上記の大学の他、国際医療福祉大学・大阪医科薬科大学・東北医科薬科大学も2000年以降に新設されています。
医学部格付けの基準
医学部の格付けの基準には以下の4つの要素が重要視されていると言われています。
- 歴史の長さ
- 偏差値
- 学費
- 関連病院の数
1.歴史の長さ
格付け上位の大学には歴史の長さが深く関係しています。
医学部の歴史が長い大学は、古くから研究や医療に貢献してきたとされ、格付けでも上位です。
そのため、御三家や旧制医学専門学校の区分にいる大学は序列が高いとされ、また序列が下位の大学への影響力も高いと言われています。
2.学費
格付け上位校は下位の大学に比べると学費が安い傾向にあります。
格付け上位の慶応、日本医科大は2,223万、慈恵が2,218万円と言われています。
順天堂大学は2,008万円で、医学部の学費を安くしたこともあり人気が上がってきた大学です。
3.偏差値
上位の大学は偏差値が高めで、御三家だと70程度の偏差値が必要です。学費の安さやネームバリューの高さから人気があるため偏差値も高くなります。ただ各大学の成績優良な学生の偏差値を比べれば、序列が前後する部分はあります。
4.関連病院の数
序列の高い大学は全国各地に関連病院を持っています。関連病院へは就職がしやすいので、上位校の卒業生が関連病院に勤めていることも多いです。
私立医学部トップ10(SSSランク~Bランク)
ランク | 大学名(偏差値) |
SSS | 慶応義塾大学(72.6) |
SS | 東京慈恵医科大学(70.0) |
S | 順天堂大学(69.5) |
S | 日本医科大学(69.5) |
A | 自治医科大学(68.8) |
A | 関西医科大学(67.4) |
A | 国際医療福祉大学(67.3) |
A | 昭和大学(66.9) |
B | 東京医科大学(66.6) |
B | 東邦大学(66.6) |
参照:https://dazaifu-academy.jp/topics/18153/
偏差値をもとにした私立医学部ランキングです。
慶應は圧倒的1位、東京慈恵、順天堂もA、Bランクとは一線を画す位置で、レベルの高さがわかりますね。
ちなみにこのランキング上位4校(慶応・東京慈恵・順天堂・日本医科)は「最難関私立医学部四天王」とも呼ばれ、医師国家試験の合格率も高く、医学部受験生からも人気の大学です。
Sランクではないとはいえ、A・Bランクの大学も偏差値60後半の難関大学であることは間違いありません。
格付け上位校に入学するメリット
格付け上位の学校はどのようなメリットがあるのでしょうか。
以下3つのメリットについて見ていきましょう。
メリット①就職で有利になる
メリット②研究員や教授を目指しやすい
メリット③患者さんからの信頼度が上がる
メリット①就職で有利になる
格付け上位の大学に入ると就職で有利になるという面があります。先述にもある通り、上位の大学は関連病院を全国各地に持っているからです。卒業後は関連病院で働くことができるので就職先には困らないでしょう。
全国に関連病院が多ければ、就職先の選択肢も豊富です。医療施設としても優れた医療施設であれば、臨床医として経験を積むのにも良いでしょう。
メリット②研究員や教授を目指しやすい
格付け上位校は研究員や教授の道に進むのにも有利と言えます。
序列上位の学校は医療業界への貢献度が高く、研究の実績も多いため、国からの交付金も多いです。研究するための環境もしっかり整っています。
メリット③患者さんからの信頼度が上がる
格付け上位の大学は歴史長い歴史があり、歴史が長いとその大学を知る人も多くいます。
病院で診てもらう人やその家族からすれば、聞いたことがない大学よりもみんなが知っている有名な大学を卒業している人の方が信頼や安心感につながります。
格付け上位校に関する注意点
格付け上位校に関する注意点は以下の2つです。
- 入学難易度が高い
- 給料に大きな差はない
入学難易度が高い
格付け上位校は入学難易度が高めです。受験する学生の事情はさまざまですが、実力がともなっていて上位校に入って目指すものがある学生もいれば、その大学のネームバリューで大学を決めている学生も少なからずいます。受験生の数も多く、倍率も高くなり、難易度も上がります。
給料に大きな差はない
どの大学を卒業していても就職後の給料にはあまり大きな差はないでしょう。
医学部卒業の場合、働き方で収入面に影響が出てきます。常勤医になる、自身で開業する、実家を継ぐ、フリーランスなど選択肢はさまざまですが、どの大学出身であるかよりもどのような働き方を選ぶのかで収入も変わってきます。
格付け上位校に入るべき?
医学部に入るなら格付け上位の大学に入るべきなのでしょうか。
自分が将来何をしたいかにより上位校に入るべきかどうかを判断できます。
医師になることが目的なら格付けにこだわる必要はない
最終的に医師になることが目的なのであれば、自分の成績に合う大学、また比較的学費の安い大学に入るのが賢明と言えます。
大学卒業後は家業を継ぐことになっていたり、自分で開業したりするのであれば、格付けや序列はほとんど影響ありません。
教授、研究の道に進みたいなら上位校が有利
「臨床よりも研究が好き、教授の道を目指したい」という場合は、格付け上位校に入るとその道に進みやすいです。
序列が高い医学部は研究施設や機材が充実し、国からの補助も受けられるため研究する環境が整っています。また、著名な研究者、教員も在籍し、彼らからの指導を受けられることも格付け上位校に入る1つのメリットと言えるでしょう。
ちなみに格付け上位校(一部)の交付金の額を参考までに載せています。
医学部がある大学は医学部のない大学に比べると多くの補助が受けられるようです。
慶応義塾大学 | 8,011億 |
東京慈恵会医科大学 | 3,097億 |
日本医科大学 | 2,874億 |
順天堂大学 | 5,515億 |
参照:https://joseikin-now.jp/?p=38872
私立医学部を目指すためにやるべきこと
私立大学医学部を目指すのであれば、受験のために以下3つのことを念入りに準備すると良いでしょう。
- マーク形式に慣れる
- 苦手科目は克服すべき
- 理系科と英語の学習に徹底する
マーク形式に慣れる
私立医学部はマーク式で出題されることが多いです。素早く問題の正誤を見極める力、数字や語彙などを細かく記憶しておくことが必要になります。
苦手科目は克服すべき
苦手科目や苦手分野は克服しておきましょう。
私立の入試は国公立に比べ科目が少ないのが特徴なので、苦手なところがあると点数が取れません。
理系科目と英語の学習を徹底する
数学は基礎を大切にしましょう。正確に計算ができることや、それぞれの問題に対し「なぜその解き方をするのか」を理解していなければいけません。数学で苦手だなと感じる分野は本質から理解できるように学習しておきましょう。
理科も基礎からしっかりと身につけましょう。物理は数学と同様、本質を理解していることが大切です。生物、化学は暗記をメインに知識を定着させていきましょう。
英語は単語を覚え、語彙力をつけましょう。基本的な単語から応用の範囲まで7000語以上は頭に入れられるよう学習を進めます。文法は早めに全体の範囲の学習を終わらせ、長文読解の問題のトレーニングを行います。問題を解く中で、曖昧な文法があればその都度丁寧に復習すると良いです。
受験科目が少ない大学
「上位校を狙いたいけど合格できるか不安もある」という人は受験科目が少ない医学部がある大学もチェックしておくと良いです。以下、受験科目の少ない大学を3校紹介します。
近畿大学
近畿大学医学部の受験科目は、英語、数学、理科2科目です。
科目は少ないわけではありませんが、数Ⅲからの出題がないのが近大医学部受験の最大の特徴です。数学の制限時間は60分ですが、時間に対し多くの問題が出されます。解ける問題を見極めながら解き進める演習が必要です。
東海大学
一般の一次試験科目は英語と数学、理科です。東海大学医学部受験は理科が1科目で受験可能です。
理科は「物理基礎・物理」「生物基礎・生物」「化学基礎・化学」のうち1科目を選択する形式になります。
帝京大学
私立医学部では珍しい3科目で受験できます。
英語は必須で、数学、物理、化学、生物、国語(古文・漢文を除く)のうち2科目を選択する形式になっています。医学部で国語を選択できる大学は数少ないです。
まとめ│大切なのは「医学部に入って何を学ぶのか」
私立医学部の格付けについて上位校に入るメリット、注意点等を解説しました。
大学選びで一番に意識すべきことは「医学部に入って何を学び、目指すものになれるのか」ということです。
格付けは大学選びの1つの判断材料にすぎません。自分の今の成績や将来の目標に合う大学選びを心掛けましょう。
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