大学受験って独学だときついの?
独学でうまく行く方法ってないの?
自分は独学に向いているタイプだろうか?
こんな風に、大学受験を独学で乗り越えたいと考えている高校生に向けた記事です。
大学受験は、多くの高校生にとって非常に高いハードル。後悔のない決断をするため、この記事を役立ててくださいね。
・大学受験は勉強の質・量が高校受験の比ではなく、独学はきつい
・マイペースで大らかな性格の人は、うまくいけば成功する
・真面目すぎる人や理想が高すぎる人はうまくいかない
東北大学教育学部在学中に起業。現在はオンライン個別指導塾168塾の運営を行う。
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1年間の予備校浪人生活を経た後、東北大学教育学部に入学。ベンチャー企業2社で実務経験を積んだ後、浪人時に感じた大手予備校への違和感を基に、「168塾」の立ち上げ・運営。
そもそも大学受験は難しいもの
多くの人が「勉強は、やればできる」と勘違いしがちなのですが、いつまでも「やればできる」とは限りません。
振り返ってみましょう。小学校のときの足し算・引き算。あるいはかけ算や割り算。こういった内容の勉強は、計算ドリルを練習するうちに自然とできるようになったかもしれません。
中学ではどうだったでしょうか。この記事を読んでいるあなたにとっては「やればできた」かもしれませんが、同級生の中には全く勉強ができない子が結構いませんでしたか?それは、その子にとっては中学の勉強が難しかったからです。
同じことが高校でも起こり得ます。特に大学受験を目指す高校生にとっては、高校の学習内容とは「その道のプロになるための高度な学習」です。
例えば三角関数や微分積分。あるいは物理の難解な公式。こういったものを理解するのは、全ての高校生にとって「やればできる」ものではない、ということはしっかり認識する必要があります。
いつまでも中学生のような気持ちで勉強していては、大学受験には対応できないのです。
独学で大学受験に挑む人の割合は?
独学で大学受験に挑む人の割合はどのくらいなのでしょう。
以下の調査結果や研究結果から独学で大学受験に挑む人の割合を見ることができます。
- 文部科学省が実施した学習費調査で、高校生の通塾率は、高校1年生は34.5%、2年生は36.8%、3年生は42.1%
- ベネッセ教育総合研究所の研究結果で、高3で塾・予備校に通っている人は約30%
- 大学偏差値マップ:大学卒業生で高校の頃に塾・予備校に通っていた人は56.9%。
上記の調査・研究結果から、大学に進学した半数以上の人が塾や予備校に通っていて、約3~4割の人は独学で大学受験に挑んでいるということがわかります。
しかし、大学合格を目指すなら、独学で勉強するよりも塾や予備校を利用するほうがいいと考える人が多く、塾や予備校への信頼も厚いということも結果に示されているといえるでしょう。
大学受験に独学で挑むメリット
では、そんな大学受験に独学で挑むメリットとは何でしょうか。
恐らく読者の皆さんが考える「独学」とは、「塾や通信教育に行かず、学校の教科書・問題集やYouTubeなどの無料動画で学習すること」を指すのだと思います。
その場合考えられるメリットを3つ挙げて説明しますね。
- 塾代をかけずに済む
- 部活等の予定を優先できる
- 自分なりの計画で勉強を進められる
1.塾代をかけずに済む
何といっても、学校や無料動画だけで学習するので、塾代や通信教育の費用がかからないのがメリットと言えるでしょう。
文部科学省「子供の学習費調査」(令和3年度版)によると、高校生の塾代の中央値は、塾代が0円の生徒を除くとおよそ30万円~40万円台のようです。
月額に直すと約3万円です。これだけの金額が浮くのは、家計にとって非常にメリットがありますね。
2.部活等の予定を優先できる
塾に通うとなると、毎週決まった時間帯に決まった場所に行く必要があるのが一般的です。
そうなると、部活が忙しい週や文化祭の準備に時間を取られる期間などには、塾との両立が難しくなります。
しかし塾に通わないことで、学校行事や友達との約束などを優先できるので、学校生活がスムーズに進むでしょう。
独学は、始めたいときに勉強を始め、気分が乗らないときは早く切り上げる、もしくは勉強しないという選択もでき、塾や予備校に比べ、自由度も圧倒的に高いです。
3.自分なりの計画で勉強を進められる
塾に通う場合は、自分が今やりたい内容と違う授業を受けないといけないこともあります。
個別指導の場合はそうでもないかもしれませんが、集団授業の場合は決められたカリキュラムがあるので、どうしても自分の希望とバッチリ合うことは少ないでしょう。
しかし独学なら、自分が今やりたいこと、あるいはやるべきことに集中して勉強できるというメリットがあります。
自分が理解していることは手短に済ませ、難しいと感じている部分に時間をかけて学習することで、自分にとって効率のいい学習を実現できる可能性が高まります。
大学受験に独学で挑むデメリット
一方で、大学受験に独学で挑むことにはデメリットも存在します。メリットの裏返しのような形になりますが、以下の3点について説明します。
- モチベーションの維持が難しい
- 勉強の予定がどんどん後回しになる
- 何をすれば成績が上がるのか自分で判断することが難しい
- 十分な受験情報を得られない
メリットとデメリットを天秤にかけることが重要です。
1.モチベーションの維持が難しい
独学の場合は基本的に、自宅で勉強するスタイルになると思います。
そうなると「今日はちょっと部活で疲れちゃったな」「何だか気分が乗らないな」という日にはやる気がなくなってしまい、ついついマンガを読んでしまったり・・・。
そんな風になりやすいのが独学の難しいところです。
塾に通っていれば、「部活で疲れているけどとりあえず自習室に行って宿題を済ませよう」とか、「気分が乗らないけど授業だから行かなきゃ」といった具合に、ある程度は強制的に自分を勉強に追い込めますが、独学の場合はそれができないということですね。
人間は社会的な生きものなので、「周りの人が頑張っていると自分も頑張れる」という性質があります。独学を選ぶ場合はこのメリットを得られないということに注意してください。
ただ、独学でもモチベーションをキープするためにできることはたくさんあります。独学できつい、孤独に感じると思ったときには以下のようなことを取り入れてみましょう。
- 独学で勉強している友達と学習の進み具合を共有し合う
- 得意な教科や問題、簡単なことをやってみる
- ご褒美を用意する
- いつもとは違う場所で勉強してみる
2.勉強の予定がどんどん後回しになる
独学の場合、部活などの予定を優先できるのがメリットであると述べましたが、これは「部活などを優先するから勉強の予定が後回しになる」ことの裏返しでもあります。
最初に述べた通り、大学受験に必要な勉強はそもそも非常に難しいわけです。そんな勉強をするのに、他の予定をあまりにも優先してしまっていては大した成果が出ないと思いませんか?
仮に「5月は部活が忙しいから勉強を少なめにして、6月に頑張ろう」という計画を立てたとします。その場合、6月になると、4月に勉強した内容をすっかり忘れてしまっていて、もう一度やり直さなければならないかもしれません。
こんな風に、独学をすると勉強の予定が後回しになって、気づいたときには取り返しがつかないぐらい勉強の負債がたまっている、なんてこともあり得ます。十分気をつけましょう。
3.何をすれば成績が上がるのか自分で判断することが難しい
これも最初に述べた「大学受験に必要な勉強は難しい」ということと関連するのですが、そもそも「今、何をすれば成績が上がるのか」を自分で判断するのは難しいものです。
全てが順調に進んでいる生徒の場合は問題ないのですが、つまずきが生じた場合に適切な判断ができるでしょうか。
例えば「三角関数の公式が覚えられない」という悩みがあるとします。独学していると「では10回書いて覚えよう」と判断するかもしれませんが、もしかするとその公式は「覚えるより簡単に導く」方がいいかもしれません。
塾などに通っていれば、「それは覚えない方がいいよ」「こっちは覚えよう」という風に細かなアドバイスを受けられますが、独学の場合はそれがないので、ついつい中学のときと同じようなやり方で「とにかく書いて練習すればいい」などの非効率な方向に行きがちです。
高校に入学してから大学入試まで2年半ぐらいしかありません。独学の場合、そのわずかな期間を無駄にする可能性もあるということを知った上で、学習計画を立ててくださいね。
4.十分な受験情報を得られない
独学では十分な受験方法が得られないことも考えられます。
塾や予備校は、勉強以外のサポートも充実していて、受験情報についても講師が教えてくれたり、志望校合格に必要なことを指導してくれるので、安心です。
一般的に、自分の選んだ参考書や問題集、またはインターネットで調べた情報だけで、受験に必要な情報を完璧に網羅するのは難しいとされています。
学校の先生に相談して情報やデータを共有してもらうのがおすすめです。
独学が向いている人とその理由
大学受験を独学するのに向いている人は以下のようなタイプです。
- マイペースで大らかな人
- 高望みしない人
- 自分で学習計画を立てられる人
- 自分で勉強できる環境が整っている人
- 情報収集ができる人
- 頼れる人や拠り所を見つけられる人
自分が当てはまっているかどうか考えながら読んでください。
1.マイペースで大らかな人
意外かもしれませんが、マイペースで大らかな人は独学に向いています。
あまりにも几帳面だと「今日の計画ができなかった」などと細かいことで悩んでしまい、モチベーションがゼロになってしまうことが考えられるためです。
マイペースな人は「まあ今日はできなかったけど明日頑張ろう」といった風に前向きに考えていけるので、独学に向いていると言えます。もちろん、マイペースすぎるのはNGですね。
2.高望みしない人
高望みしない人は、自分で設定するハードルが低いため「ここまでできた」という達成感を得やすく、独学が長続きします。
独学はとにかく続けることが大事なので、小さなことでも達成感を得られる性格の人の方が向いているのです。
望みが低すぎると何の成果も出ないので、バランス感覚が難しいところですが、高望みのしすぎは危険ということは覚えておいてください。
3.自分で学習計画を立てられる人
上にも述べてきたように、独学の欠点は勉強が後回しになりやすいことです。
そのため、自分でしっかりと学習計画を立てて実行できる人に独学は向いています。
どの参考書を用いるか、何月何日までにどこまで終わらせるか、分からない場合にどのようにして解決するかなど、具体的に計画を立てられるかどうか、一度試してみるといいでしょう。
4.自分で勉強できる環境が整っている人
自分が勉強に集中できる環境があるかどうか考えてみましょう。
自分が「ここで勉強するとはかどる」という環境がある人は、新たに塾や予備校など勉強する環境を無理に用意する必要はありませんよね。
自分の部屋や地域の図書館、カフェなど普段勉強に使っている場所が、集中できる場所であるか振り返ってみましょう。
5.情報収集ができる人
大学受験は情報収集ができるかどうかがカギとなります。
志望校の試験範囲や、過去問など自分で調べながら学習を進めることができれば、志望校合格に近づくでしょう。
6.頼れる人や拠り所を見つけられる人
頼れる人や拠り所がある人は、独学にも向いていると言えます。
独学では、自分の力で受験対策を行うことになるため、孤独を感じやすく、勉強以外のはけ口があることも大切です。
自分の家族や、友人など勉強以外で頼れる人がいれば、受験期間中も安心して勉強に取り組むことができます。
独学が向いていない人とその理由
独学が向いていない人もいます。
- 真面目すぎる人
- 理想が高すぎる人
- 学習内容を理解しているかどうか自己判断できない人
ちょっと意外なものも混じっているかもしれません。自分に当てはまっていないか、よく考えてみてください。
真面目すぎる人
何といっても、極度に真面目すぎる人は独学に向きません。
大学受験は高校受験に比べるとかなり長い期間の勉強を要します。難関大なら高1から始めるぐらいでちょうどよく、地元の国公立大学だとしても高2の秋には受験を意識しておかないと間に合いません。
こんなに長い間、計画を立てて勉強するというのは経験がないので、途中でうまくいかない日も当然出てきます。
そんなときに「決めたとおりやらなきゃ」と思いすぎてしまうと、身体を壊してしまったり、あるいはページだけは進んで内容を理解していなかったりということにつながりやすいのです。
そんなわけで、真面目すぎる人は誰かに「今日はもう休んだ方がいいよ」などと軌道修正してもらう方がいいでしょう。
理想が高すぎる人
程度問題ではありますが、理想が高すぎる人も独学に向きません。
そもそも大学受験の勉強は難しいので、勉強時間に比例して成績が伸びるわけではありません。足踏みをしたり後戻りをしたりも当然あり得ます。
そんなとき、理想が高すぎる人は「自分はもっとできるはず」「こんなことでは◯◯大学に届かない」などと悩んでしまいがちです。
悩んだときにアドバイスをもらいにくいのが独学なので、理想が高すぎる人にもやはり独学はおすすめできません。
学習内容を理解しているかどうか自己判断できない人
「理解しているから問題が解けている」のか、「問題は解けているけど理解はしていない」のか、自分で判別できない人が独学をするのは大変危険です。
というのも、何かの参考書をベースに勉強する場合、分からなくても答えを見ればその場はしのげてしまうからです。
そういう人は、問題集を2周、3周とやる過程で、意味は分からなくても手は動くようになります。そして「解けるようになったから、これでいいんだろう」と思ってしまいますが、模試を受けると当然のように悲惨な成績を取ってしまうでしょう。
高校受験までは「手を動かしていればどうにかなった」という経験もあったかもしれませんが、大学受験にはそれは通用しません。
そんなわけで、「解ける」と「理解している」の違いが分からない人には独学は向きません。
独学で大学合格を目指す勉強法
独学でも大学合格を目指す勉強方法を紹介します。
独学で大学合格を目指すのは、きついことも人によってはありますが、決して不可能なことではありません。
独学で大学に合格したい、塾や予備校に行くぐらいなら独学で勉強を頑張ると思っている人に向け、独学で大学合格を目指す勉強方法をご紹介します。
学校の授業をしっかり理解する
まずは学校の授業をしっかりと理解しましょう。
先生の話を聞いて、板書をノートにとるといった基本的なことから徹底して行い、学校の授業を軽視しないように心がけましょう。先生が指示したこともやってなければ、しっかりと理解することにもつながりません。
「ちゃんと話を聞いていたけどわからない」、「もう一度聞きたい」というときは、勇気を出して先生に質問してみましょう。
受験サイトを活用する
独学の受験対策には受験サイトを活用しましょう。
塾や予備校では最新の情報を得ることができますが、独学では自分で必要な情報を集めなければいけません。
効率よく情報を収集するために受験サイトを活用することをおすすめします。
「マナビズムチャンネル」や「スタディサプリ」が受験生によく使われているサイトです。志望校の公式サイトも受験やその学校について調べるために参考になります。
志望校の過去問を解く
志望校の過去問をたくさん解きましょう。
過去問の練習は、試験問題の出題傾向を知ることができる、大切な受験対策になります。
大学の過去問対策といえば赤本は有名ですよね。書店でも手に入れることが可能なので、志望校の受験対策がしっかりとできるよう、早めに準備しておくのがいいでしょう。
独学では、赤本以外の問題集や参考書も準備することが多いので、自分の志望校の対策ができるもの、勉強方法に合うものを探してみましょう。
模試を定期的に受ける
模試を定期的に受験しましょう。
独学の場合、自分の現在の成績や実力で志望校に合格できるのか、また、全国の受験生たちの中で自分はどのくらいの位置なのかを把握することが難しいです。
学校で定期的に実施される模試を受ける、また模試だけ外部のサービスを活用し力試しをするなど、自分の力がどのくらいなのかを知ることができるようにしましょう。
模試を受けて終わりではなく、結果が出たら自分でしっかり見直すことも必要です。自分でどこまで理解できているか、苦手な問題に対処できたか、など受験本番に力を出し切れ
学習計画作成・管理をする
計画立てた方が聞いたから自分なりに立ててみたけど、これで合ってるのかわからないし、計画通りに実行するのができなくて、全然意味がなかった…。
こんな経験はありませんか?
学習計画作成・管理は、以下のようなステップを踏んでいきます。計画作成の前に自己分析を終え、志望校合格に必要なことをリストアップすることは事前にやっておきましょう。
教材ごとに、「いつまでに」「どの分量を進めるか」を確定させましょう。
長期的な計画が決まったら、1週間の計画に落とし込んでいきます。事前に、勉強できなかった日に備えてゆとりを持たせておくことも大切です。
計画通り行かなかった場合、自分の勉強量や進捗スピードなどに問題があります。要因を冷静に分析して次週以降の計画に反映していきます。大きくズレが生じた場合は、長期計画の修正が必要になります。
このように、学習計画を管理していくということは長期計画から短期計画に落とし込む力や、自分を冷静に分析する力、修正力など、多くの力が求められます。
独学で勉強をする場合、このような作業を1人で行わないといけないのでかなり時間が取られるだけでなく計画作成が苦手な人はストレスにつながってしまいます。
学習管理型の塾では、このような学習計画の管理を、塾が代わりに行なってくれます。
自分の適性を知って大学受験に挑もう
独学で成功する人もいれば、塾に通って成功する人もいます。
結局のところ、自分に塾は必要なのかを冷静に分析することが大切です。
なぜなら塾には様々なタイプがあり、塾によって提供してくれるサポートが大きく異なるためです。
わからなかったところを解消したい…個別指導型
学習計画や進捗管理をして欲しい…学習管理型
モチベーションを上げるために一緒に学ぶ仲間が欲しい…集団授業型
このように、自分が求めるものは人それぞれ異なります。
自分が何を塾に期待しているのかをまずは明確にすることが大切になってきます。自己分析をしっかり行い、自分にぴったりのやり方を見つけ出してくださいね。
受験のプロに伴走してもらって大学受験を目指そう
168塾をおすすめする4つの理由
- 独自の学習管理システムがあり、モチベーションが維持しやすい。
- 旧帝大・医学部合格者のみの選び抜かれた精鋭講師陣が完全個別コーチング。
- 学習管理システム・質問チャット・個別授業など学習状況に応じてプランをカスタマイズできる。
- オンラインで全国対応だから自宅で完全完結。