そもそも高専ってなに?
高校・大学・専門学校とどう違うの?
このような疑問を抱いている方はいませんか?
本記事では、高専とは何か、向いている人や学校の特徴、卒業後の進路など、高専について徹底解説します。高専への進学を検討している受験生必見です!
- 高専とは全国に58校ある5年生の教育機関。
- 主に工業について学ぶ学校が多く、専門的な知識を身につけることができる。
- 偏差値60以上の学校が多く、全科目しっかりと学習することが大切。

東北大学教育学部を在学中、「学習管理塾|168塾」および「東北大専門塾Elevate」 を創業し、現在は株式会社shared 代表。これまでに200名以上を指導し、旧帝大・医学部合格者を多数輩出。
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高専とは?

高専とは以下のように定義されています。
高等専門学校(こうとうせんもんがっこう)は、後期中等教育段階を包含する5年制(商船に関する学科は5年6か月)の高等教育機関であり、学校教育法第115条により「深く専門の学芸を教授し職業に必要な能力を育成することを目的」として設立された日本の学校。一般には高専(こうせん)と略される。
中学校卒業後に入学し、5年間(もしくは5年6カ月間)の一貫教育を受ける学校が「高専」です。
日本独自の教育システムで海外ではほとんど設置されていません。
実践的な知識を持つ技術者を養成することを目的とし、1年生から専門科目の授業や実験・実習を通じて、理論と実践の両方を学ぶといった特徴があります。
高専で学べる専門分野
高専では主に理工系の専門分野を学ぶことができます。機械工学、電気電子工学、情報工学、建築学、環境工学、材料工学、バイオ系など、多岐にわたる分野がありますが、工業系の分野が圧倒的に多いです。
全国の高専
2024年4月時点で、日本全国には58校の高専(国立51・公立3・私立4)があり、それぞれ異なる専門分野を強みとしています。
地域によっては高専が複数存在し、特定の産業と結びついたより実践的な教育を行っている場合もあるので、学校の強みをよく調べて志望校を決める必要があります。
高校・大学・専門学校との違い
高専と、高校・大学・専門学校にはどのような違いがあるのか、似ているようで違うそれぞれの学校の違いについて解説します。
高校との違い
工業高校と高専の相違点として挙げられるのは以下の4点です。
学問の専門性
普通科の高校と比べると、高専で学習する内容は「幅が狭く深い」という点が特徴的です。
入学時に希望した学科ごとに、より専門的で高度な内容を学習します。
学校の数
工業高校は全国各地にありますが、高専は全国に58校しかないため、在住している地域に学びたい分野の高専がない場合もあります。
寮
高専は寮があることが一般的です。そのため県外からの入学者がいる場合も多いです。
全寮制の高専も多く存在します。
制服
高専には制服がない学校が多いです。
制服があったとしても着用するのは3年生まで、という学校が大半を占めています。
称号
高専を卒業すると「準学士」という称号を手に入れることができます。
これは短大卒と同等の称号で、高校を卒業しても学位・称号を手に入れることはできません。
大学との違い
大学と高専の相違点として挙げられるのは以下の2点です。
受験資格
高専は中学卒業が、大学は高校卒業が受験資格として定められているため、高校を卒業しないと大学に入学することはできません。
学習内容
大学での学習内容が理論的な部分に焦点を当てることが多いのに対し、高専での学習は実戦的なものが多いといった違いがあります。
専門学校との違い
専門学校と高専の相違点として挙げられるのは以下の3点です。
受験資格
高専は中学卒業が、専門学校は高校卒業が受験資格として定められているため、高校を卒業しないと専門学校に入学することはできません。
期間
高専は5年間(商船学科は5年間6ヵ月)と期間が定められた教育課程ですが、専門学校はその多くが私立校で、修業期間も2~4年と学校やコースによって異なります。
称号
高専を卒業すると得られる称号は「準学士」で、専門学校を卒業すると得られる称号は「専門士」と、得られる称号に違いがあります。
高専生は頭がいいって本当?

インターネットで「高専」と検索すると、「頭がいい」と出てきたことはありませんか?
高専生は頭がいいというのは本当なのか、解説します。
高専の偏差値
高専の入試では、公立・私立高校と同様に学力試験が実施されます。
国語、数学、英語、理科、社会の5教科が試験科目となるため、理数系のみに偏らずバランスの取れた学力が求められます。
偏差値は学校や学科によって異なりますが、全国の高専の偏差値平均は60前後となっており、トップレベルの高専は一般の進学校と同じくらいの学力が必要です。
全国高専偏差値表
2024年4月時点で、日本全国には58校の高専(国立51・公立3・私立4)があります。
各学校の偏差値は以下の通りです。
高専名 | 都道府県 | 偏差値 |
---|---|---|
明石工業高等専門学校 | 兵庫県 | 69~67 |
徳山工業高等専門学校 | 山口県 | 68 |
久留米工業高等専門学校 | 福岡県 | 68 |
群馬工業高等専門学校 | 群馬県 | 67 |
奈良工業高等専門学校 | 奈良県 | 67 |
佐世保工業高等専門学校 | 長崎県 | 67 |
熊本高等専門学校 | 熊本県 | 67~62 |
大分工業高等専門学校 | 大分県 | 67 |
石川工業高等専門学校 | 石川県 | 66 |
岐阜工業高等専門学校 | 岐阜県 | 66 |
鈴鹿工業高等専門学校 | 三重県 | 66 |
北九州工業高等専門学校 | 福岡県 | 66 |
鹿児島工業高等専門学校 | 鹿児島県 | 66 |
仙台高等専門学校 | 宮城県 | 65~61 |
長野工業高等専門学校 | 長野県 | 65 |
沼津工業高等専門学校 | 静岡県 | 65 |
和歌山工業高等専門学校 | 和歌山県 | 65 |
八戸工業高等専門学校 | 青森県 | 65~64 |
東京工業高等専門学校 | 東京都 | 65~64 |
神戸市立工業高等専門学校 | 兵庫県 | 65~62 |
苫小牧工業高等専門学校 | 北海道 | 64 |
福島工業高等専門学校 | 福島県 | 64 |
茨城工業高等専門学校 | 茨城県 | 64 |
大阪公立大学工業高等専門学校 | 大阪府 | 64 |
呉工業高等専門学校 | 広島県 | 64 |
有明工業高等専門学校 | 福岡県 | 64 |
函館工業高等専門学校 | 北海道 | 64~63 |
豊田工業高等専門学校 | 愛知県 | 64~63 |
富山高等専門学校 | 富山県 | 64~54 |
釧路工業高等専門学校 | 北海道 | 63 |
木更津工業高等専門学校 | 千葉県 | 63 |
都城工業高等専門学校 | 宮崎県 | 63 |
旭川工業高等専門学校 | 北海道 | 62 |
小山工業高等専門学校 | 栃木県 | 62 |
福井工業高等専門学校 | 福井県 | 62 |
阿南工業高等専門学校 | 徳島県 | 62 |
香川高等専門学校 | 香川県 | 62~61 |
舞鶴工業高等専門学校 | 京都府 | 62~61 |
新居浜工業高等専門学校 | 愛媛県 | 61 |
沖縄工業高等専門学校 | 沖縄県 | 61 |
一関工業高等専門学校 | 岩手県 | 60 |
秋田工業高等専門学校 | 秋田県 | 60 |
産業技術高等専門学校 | 東京都 | 60 |
長岡工業高等専門学校 | 新潟県 | 60 |
松江工業高等専門学校 | 島根県 | 60 |
宇部工業高等専門学校 | 山口県 | 60 |
津山工業高等専門学校 | 岡山県 | 59 |
高知工業高等専門学校 | 高知県 | 59 |
鶴岡工業高等専門学校 | 山形県 | 58 |
米子工業高等専門学校 | 鳥取県 | 58 |
近畿大学工業高等専門学校 | 三重県 | 56~47 |
大島商船高等専門学校 | 山口県 | 55 |
広島商船高等専門学校 | 広島県 | 52 |
サレジオ工業高等専門学校 | 東京都 | 51 |
弓削商船高等専門学校 | 愛媛県 | 51 |
鳥羽商船高等専門学校 | 三重県 | 50 |
国際高等専門学校 | 石川県 | 48 |
高専生の学習内容とカリキュラムの特徴
高専では高校1~3年相当の内容を学びながら、実験・実習を通して専門分野の実践的な授業が行われます。
高学年になると卒業研究(大学でいうところの卒業論文に相当)があり、企業や大学と連携した実践的なプロジェクトに取り組むことができます。
高専卒業後の進路

5年間(商船学科は5年間6ヵ月)の高専生活を終えた後の進路は、「進学」と「就職」の2つに分かれます。
高専卒業生の進学実績
国立高等専門学校機構による令和5年度の進路状況調査では、卒業生の57%が就職、15%が進学(専攻科)、25%が進学(大学編入)となっています。

「専攻科」とは高専に設置された2年間の教育課程で、専攻科の課程を修了すると学士の学位を得ることができます。学士を得れば、大学の学部卒業生と同じ扱いとなり、「専攻科」を修了後に、他大学の大学院へ進学することも可能です。
高専からの大学編入
高専の卒業生は大学の3年次に編入することができます。
特に国公立大学の工学部への編入が多く、研究を深めたい人には適した進路です。
旧帝大や難関大学にも編入実績があり、学士号取得後に大学院へ進学するケースも少なくありません。

高専卒業生の就職実績
国立高等専門学校機構による令和5年度の進路状況調査からは、就職率は99%以上と非常に高く、求人倍率が20倍を超えるなど高い水準を維持していることが分かります。

高専卒の就職先
高専卒の就職先は、大手メーカー、IT企業、建設業界、通信企業、エネルギー関連企業、自治体など多岐にわたります。即戦力として期待されることが多く、技術職としてのキャリアを築くことができます。

高専のメリット・デメリット

高校とも専門学校とも大学とも違う高専ですが、高専に進学するメリット・デメリットについて解説します。
高専に進学するメリット
高専に進学するメリットは以下の3点です。
早く専門技術を学べる
中学校を卒業してすぐの早い段階で専門的な知識・技術を学べるため、エンジニアとしてのスタートを早めることができます。
就職に強い
高専生は企業からの評価が高く、特に理工系の企業では技術者として優遇されることが多いです。
企業から学校に届く推薦制度を利用し就職活動を行えるため、一般的な大学生よりも有利といえます。
実践的な授業が多い
実験や実習が豊富に行われるため、机上の学習だけでなく、実践的なスキルを身につけることができます。
企業と共同研究を行う機会もあり、即戦力としての能力を養うことが可能です。
高専に進学するデメリット
高専に進学するデメリットは以下の2点です。
一般的な高校生活とは違う
高専は5年間の一貫教育のため、一般的な高校で実施される文化祭や体育祭などの行事が少ない傾向にあります。
また部活動の種類が限定的だったり、あまり活発でない場合もありますので、入学前に見学や説明会などに積極的に足を運び、学校の様子を知っておくことが大切です。
文系の進路が限られる
理系中心のカリキュラムのため、文系の進路を希望する場合は選択肢が限られてしまいます。
また文系科目の学習が少ないため、将来的に文系職に就きたい場合には不利になる可能性があります。
授業の進みが早く課題が多い
高専では授業の進みが早く、課題が多いという声が聞かれます。
また、赤点の基準が高く、さぼると留年・退学が容赦なく迫ってくるとの声も。
自主的に計画を立て学習を行う必要があります。
高専に向いている人の特徴

高専に向いている人の特徴は以下になります。
数学・理科が得意な人
高専は圧倒的に工業系の学校が多いため、数学・化学・物理といった理系科目が重要視されます。
そのため、これらの科目が得意な人は高専に向いているでしょう。
専門技術を早く学びたい人
早い段階で興味関心がはっきりとしていて、専門分野の知識を身につけたいと考える人には最適な進路です。
実践的な学びを重視する人
理論だけでなく、実験・実習を通じて実践的に学びたい人にとって、高専は魅力的な環境です。より実践的な学びの場に身を置くことができます。
高専生・高専卒業生の口コミ

高専生からはこんな口コミが見受けられます。
高専進学を考えるときのポイント

専門的な学習がいち早く行える高専ですが、その専門性ゆえのメリット・デメリットがあります。
高専進学を検討する際には、以下のポイントについてよく考えておくことをおススメします。
自分の目標に合った進路選択を
高専に進学するか高校に進学するかは、将来の目標が大きく関係してきます。
高専はよくも悪くも専門性が高いので、自分が将来何をしたいのか・どうなりたいのかを具体的に想像できるかどうかがカギとなります。
全科目の学習をバランスよく行う
高専の入試では数学・理科の比重が大きいですが、国語や英語も重要です。
全国的に見ても高専の偏差値は60をこえている学校も多く、簡単に入学することはできません。
理数科目を中心にバランスよく学習を行いましょう。
自学自習ができる力は、高専入学後も継続して求められます。
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